立冬[りっとう]の養生法 冬の最初の節気。11月7日から11月22日(小雪の前日)までの2週間が「立冬」です。 |
冬になると、植物は葉を落とし、動物たちも冬眠したりとすべてのものがじっとしてエネルギーを蓄える季節です。 |
さて「寒露の養生法」から「病はどこから来るのか?」についてお話しています。今回は最後の「不内外因」。外因でも内因でもない原因です。 不内外因とは、食事不摂生、労逸過剰、不眠(夜更かし)、外傷、痰飲(たんいん)と血瘀(けつお)など生活習慣や生活環境、ケガなどが原因ですが、もちろん生活習慣や環境が外因や内因に影響したりその逆もあり、それぞれ深く繋がっています。 |
食事不摂生とは過食・少食・偏食で暴飲暴食や食べ無さ過ぎ、好き嫌いや飲酒も含みます。カラダを健康にするのも病気にするのも貴方が食べているものと言っても過言ではありません。
労逸過剰は過労、心労、房事過度などのことで、立ち仕事や一日中座って仕事をしているなどカラダ(の一部分)への負荷、心労は精神疲労、房事は性行為の過剰です。 授乳中や家族の介護、受験生や単身赴任など家庭環境もその時期特有の負荷が心身にかかっています。逆に休みすぎを安逸過剰と言いそれもまた気血巡行に支障をきたします。2000年前に書かれた最古の医学書と言われる黄帝内経には「五労」と言い、長時間、物を見過ぎると「血」を損ない、長時間の寝過ぎは「気」を損ない、長時間の座り過ぎは「肉」を損ない、長時間の立ち過ぎは「骨」を損ない、長時間の歩き過ぎは「筋」を損なう、なので座ったり寝てばかりの安逸な生活は「肉と気」を傷つけると書かれています。自分の年齢や体力、体質に合った適度な運動・栄養・休養が大切だということは現代も変わりませんね。
不眠…というより夜更かしの方が正しい表現になります。寝ようと思えば寝れるのに、あえて寝ないで毎晩夜遅くまで起きている生活をしていることです。細胞レベルで見ると、私たち人間の細胞は大人になると約60兆個と言われていますが、朝目覚めてから物を見たり、音や声を聴いたり、話したり、いろんなことを考えたり、立ったり歩いたり動いたりなどの生命活動にほとんどのエネルギーは使われています。そして日中の生命活動でたくさんが細胞は傷みます。その傷んだ細胞に栄養素を送り傷みを修復して新しい細胞に新陳代謝しているのが夜寝ている間なのです。夜寝ないのは、傷んだ細胞を修復されないどころか、ますます細胞を傷めていることになります。
外傷には捻挫、火傷、凍傷、ケガ、虫刺されや毒蛇や獣傷などですが現代では交通事故や化学物質、薬物なども含まれます。気持ちは若いつもりでも老化と共に昔は防げていた転倒や事故なども、気づかないうちに素早い反応が出来なくなってしまっています。時間に余裕をもって行動することもケガや事故を防ぐ養生法です。子どもの送り迎えなど時間に余裕のないムリなスケジュール管理は事故の元ですので気をつけましょう。
痰飲(たんいん)とはカラダのある部位に停留した湿邪のことで、血瘀(けつお=血流の悪い体質)はカラダのある部位に停留した瘀血(おけつ=ドロドロした血の塊)のことで、どちらもさまざまな病気の原因となります。 |
京都伝統中医学研究所の"立冬におすすめの薬膳茶&薬膳食材"
1.「温陽」徹底的にカラダを温める薬膳茶&食材を!
2.「補腎」腎を補うための薬膳茶&食材
3.漢方入浴剤 ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」も効果的です。 |
中医学の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。
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次回は、11月22日「小雪」ですね。 かなり寒さが強まるでしょうが、実際には紅葉も綺麗な晩秋でしょうね。 |