お疲れさま 一息ついてね のお弁当

著者

2017.03.17

大場 里江

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お疲れさま 一息ついてね のお弁当


お弁当を作るというと、いつもより少し早起きをしたり、下ごしらえをしておいたり、
少しの心のゆとりが必要になります。
作る側が、数時間後に食べてもらうことを考えながら、おかずの組み合わせを考え、
作って詰めていく。
そして、食べる側は詰められたお弁当を、気持ちと一緒にいただく。
その分、お弁当は豊かな気持ちを感じられる贅沢な時間でもあります。

第3回目のテーマは、
「お疲れさま。一息ついてね のお弁当」
仕事のランチタイムや、学校の授業の合間に食べるお弁当は、
作り手のやさしさを感じて、ほっこりと心がゆるむ時間でもあります。

時には、何となく疲れがたまって、胃にやさしいものが食べたかったり、
食欲があまりない日もあるかもしれません。

さっきまでのオンタイムから、少し気持ちを緩めてオフにするこの時間を癒してくれる、
ほっこりとして、胃にも心にもやさしいお弁当を考えてみました。


着物のようなモダン和柄が新しい曲げわっぱ『isso ecco』

お疲れさま 一息ついてね のお弁当

今回は和のしつらえです。
使うお弁当は、曲げわっぱのお弁当箱。
お弁当ライフをたしなむ大人達には、人気のお弁当箱ですね。
伝統工芸品として知られる曲げわっぱは、
スギやヒノキの木から取った薄板を曲げることによって縁を作った木の箱。
ぬくもりが感じられる凛とした佇まいも魅力的です。

曲げわっぱのお弁当箱のメリットは、何といってもごはんが美味しいこと。
木で作られている為、ごはんから出る水分を程よく吸ってくれるので、
冷めたごはんも美味しく食べられます。
尚且つ、夏はごはんが傷みにくく、冬はごはんが固くなりにくいので、
一年を通して機能的に使えるお弁当箱です。

使用するお弁当は、「isso ecco」のわっぱ弁当シリーズ。
お疲れさま 一息ついてね のお弁当

蓋にはラインの模様が描かれており、着物を連想させる伝統的且つモダンな和柄は、
古き良き懐かしさを感じさせてくれるデザインです。
持った時に、手にしっくりとくるぬくもりや、
木の香り、木目の表情がお弁当の時間を和ませてくれます。

天然素材でできている曲げわっぱのデメリットは、色移りやにおいが付きやすいこと。
きちんと使用すれば、長く使える一生もののお弁当箱ですが、
その為には、いくつかの注意点をおさえなくてはなりません。

しかし、isso eccoのお弁当箱は、忙しい毎日でも気楽に使用できるように、
中にはウレタン塗装が施されているので、おかずの色が染みるのを防ぎ
お手入れがしやすくなっています。
曲げわっぱに憧れがあり、これから使用を考えている方には、お値段もお手頃でおススメです。

お疲れさま 一息ついてね のお弁当
今回使用した形は二種類。
中には仕切りもあるので、ごはんと分けられて詰めやすいですね。
今回のお弁当の中身は、ほっこりと和む和のおかずを。
何となく胃にやさしいものが食べたいな・・・という時に向けたお弁当です。

ごはんは、ひじき、生姜の甘酢漬け、胡麻やスナップエンドウを加えた混ぜごはん。
ひじきをほんのりと甘く味付けし、生姜の甘酢漬けを細かく切ったものと和えて、
さっぱりと食べられるように。

おかずのメインは、鰆の糀漬け焼き。糀のやさしい甘さで漬けられた魚は、
漬けておけば朝焼くだけなので、お弁当にはぴったりです。
そして、蕪の梅和え、ブロッコリーのおかかじゃこ和え、蓮根のきんぴら、さつま芋の甘辛煮、茹で卵も添えて。
茹で卵は、蒸し茹でにすることで、白身が固くなりすぎず、黄身もしっとりとします。

お疲れさま 一息ついてね のお弁当
そして、なんともかわいい“あずま袋”は、お弁当箱と同じデザイン。
入れて縛るだけで様になる作りなので、とっても楽ちん。
きゅっと縛ったランチバックが、お弁当箱とおそろいなんて、テンションが上がります。
お弁当を包む袋や布にも気を配れたら、お弁当の時間が更に有意義なものになりそうですね。

お疲れさま 一息ついてね のお弁当
お箸も、すっきりと美しいデザイン。
すっと背筋をのばして、ゆっくり一口ずつ味わって
お弁当をいただこうという気分になります。
水筒には、温かいほうじ茶を入れて、さぁいただきましょ。
お弁当を食べたら、午後からも頑張らなくちゃね。


日常のひとかけらがのぞくから、面白い

お疲れさま 一息ついてね のお弁当

小さなおかずやごはんが詰められたお弁当。
作ってから蓋を開けて食べるまでの時間の中で、きっと作ってくれた人の気持ちも温められています。
その気持ちと、やさしさの詰まったお弁当を食べることって、なんて贅沢なんでしょう。
作ってから、温かいうちにすぐに食べられる食事ももちろん魅力的ですが、
お弁当にはお弁当にしかないドキドキ感やワクワク感、そして、家族が違う場所で
同じお弁当を食べているという見えないつながりを感じるツールでもあります。

例えば、こんな体をいたわるようなお弁当。
「あ、昨日、疲れたな・・・って話したっけ」とか、
「最近忙しかったな・・・」とか会話の断片を思い出して、
その事を気にかけてくれたことが嬉しくなったり。
言葉で伝えるのとはまた違う気持ちを感じて、気持ちが和らいだり。

お疲れさま 一息ついてね のお弁当
お弁当には、その人の日常のひとかけらが入っているようです。
だから、人のお弁当って見るのが面白いのかもしれません。

次回は、「ポテトサラダ」と「アレンジコロッケ」のレシピです。
お楽しみに。


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プロフィール

PROFILE

大場里江(料理教室saji 主宰)

調理師学校卒業後、大手企業の料理教室にて料理講師として勤務し、2015年8月「saji」の名で独立。料理教室、フードコーディネート、ケータリングを主に活動しています。『食べる・つながる』をモットーに、身近な方に喜んでいただく、日常で食べたいごはんやおやつを提案しています。

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