1.首輪が気管支がつぶしてしまう (引っ張り癖がなくてもです・・) |
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気管は、左のイラストのように、ちょうどパイプ状になっています。この気管は、35〜45個のC型の形をした気管軟骨で覆われていて、輪状靱帯(わじょうじんたい)でつながっています。軟骨が気管の形を守っているわけですから、外部からの力で、しだいに変形をすることがあります。
(正確には、輪状靱帯が弾力を失ってしまったとき、気管筋が伸びきってしまったときも含まれます)
気管虚脱という病名で呼ばれています。
遺伝的な要因であることも多く、心ないブリーディングの現実を考えると、このような先天的な病気をもった犬たちが減らない現実もありますが、このことは、また別の機会に述べます。
原因にはその他、肥満、歯槽膿漏による感染性疾患、過度の興奮などがあるとされています。 |
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この状態、疾患は、激しく吠えたり運動や興奮したときに、ガーガーとアヒルの鳴き声のような「のど鳴り」が聞こえるようになります。(ひどくなると・・・・です)
落ち着かずに歩き回ったり、また座り込んだりを繰り返し、舌をだしたままよだれをたらすこともあります。症状がもっと進むと、呼吸困難となり、目を大きく見開いて、また、舌の色も青紫色に変色をしてきます。呼吸時には「ヒ−ヒ−」という音が聞こえてきて、この状態が長く続くと失神して倒れてしまうこともあります。
また、驚くべきことに、抱き癖がついてしまった犬たちも注意が必要です。
多くが幼犬のころから飼い主に対して、頭部を背中側にのけぞらせた姿勢を繰り返すことが多く、この姿勢のまま、激しく呼吸をしながらよく吠える、という習慣が身についてしまった場合に、気管虚脱を引き起こす引き金になると考えられています。 |
一度、この疾患になってしまうと、治療は非常に難しいとされています。外科的に、気管の中に螺旋(らせん)状の器具を挿入する処置の方法もあります。
小型犬(ポメ、ヨークシャー、トイプードル、チワワなどの)の、中高齢期の多くみられることが知られています。また、小型犬ではないから安心したと思われた貴方!!
犬種を問わず、気管が次第につぶれていく事から、高齢犬に多い病気なので、普段から注意下さいね。特に、春〜夏にかけて症状が悪化しますので、思い当たる方々、また、予防には十分に注意してください。 |