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第3回幼児・学童期の睡眠習慣について

幼児や学童期の子供たちが夜11頃でも起きているのをファミリーレストランや銭湯や町中などでみうけることが多くなった。そのような子供と一緒にいるのが若い夫婦だけでなく、夫婦の親達も一緒であったりするのをみると、孫の心身の健康を考えていないのかと奇妙に思える。かつて、子供達は9時頃には就寝させられ、親もその点では厳しくしつけていたと考えられる。日中に動き回って遊んだ子供達は夜も早い内から眠くなるのが普通であった。昨今は子供達の就寝時刻のあり方を考えず、親の生活に子供の生活をあわせて何とも思っていない親たちが増えてきたといえよう。

日本小児保険協会の2000年の調査結果では、3歳児が夜10時以降に就寝する割合が50%を超えている。「寝る子は育つ」との言葉どおり、適正な睡眠をとることによって、睡眠時に成長ホルモンの分泌が促され、子供の健康な体がつくりあげられるのである。幼稚園で、昼ぐらいまで眠っている子供達がいること、また、1993年の東京都教育委員会の調査では児童・生徒が感じる心身の状態で半数を超えた訴えとして、「眠い」、「横になって休みたい」という項目があがっている。子供達は大人と同様に就寝、起床できる体になっていないのに、大人と同様に夜遅くまで動き回っているつけが、調査結果からもうかがえる。

就寝に関してきちんとした習慣をつくらないと夜遅くまで起きている、朝方起きられない、寝坊して学校に遅刻するといったことがおこりうる。就寝時刻、就寝場所、就寝前の日課などといった子供の生活リズムを整えることが大人の親としての役目である。睡眠習慣がつかずに大人になっていく子供達の将来は心身共に健康な成長にはほど遠いのではないかと考える。

大阪青山短期大学 教授 宮沢モリエ様