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第6回ふとんの歴史「西川がふとんの製造販売を開始」

江戸から明治へと時代が移っても、ふとん店が出現するまでは、ふとんが必要な人はわた屋からわたを買い、呉服屋から夜具地を買い、各家庭でわた入れをしていました。

明治20年(1887)、西川(大阪支店、京店)がふとんの製造・販売を始めると、ようやくふとんの専門店が登場します。
やがて、庶民の誰もがふとんを持てるようになったかというと、そうではなかったようです。

明治時代には各地にふとん講やふとん無尽、ふとん頼母子など、ふとん購入を目的に、互いの掛け金で金銭を融通し合う組織が作られていました。
この事実は、ふとんが十分各家庭に行きわたっておらず、庶民にとって高嶺の花の時代が続いていたことを物語っています。
本人の大半が各自のふとんを持てるようになったのは近代、それも比較的価格の安い中国の天津綿が輸入されるようになった明治中期以後のことでした。

ボンニュイ 春夏号 Vol.34
※こちらのコラムは日本寝装品研究所の許諾を頂き、掲載させていただいております。