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第4回ふとんの歴史「西川、蚊帳の販売を開始」

1566年、織田信長が桶狭間(おけはざま)の戦いで今川義元を敗った6年後、西川の初代・仁右衛門が近江の国(現在の滋賀県)で蚊帳と生活用品の販売を始めました。

西川の創業です。
今では「ふとん」といえば、まず「西川」が浮かぶほど、寝装品メーカー・卸の代表格ですが、江戸時代を通して西川の商いの中心は、蚊帳と畳表でした。

第4回ふとんの歴史「百両かかった遊女の「ふとん」」

江戸時代初期の寛永年間(1624〜1644)頃になると、いろいろな文献に「蒲団(ふとん)」の文字が見られるようになります。
綿花の国内生産の進展と、寝具史上に「夜着」「ふとん」が出現する時期は、ほぼ一致しています。

元禄年間(1688〜1704)の頃から、遊廓を中心に、綿ふとんが使われるようになりましたが、庶民には手の届かない貴重品でした。
遊女はその階級によって、着物はもちろん禿(付き人)の数まで、すべてに差別がありました。
この差別を最も端的に表すのが「ふとん」であり、格の高い遊女の順に「三つふとん」、「二つふとん」、「ふとん1枚」、「寝ムシロ」、「狭ムシロ」と明確に分けられていました。
遊女は「ふとん」をなじみのお大尽(客)から贈られることが多く、百両(約500万円)かかったとの記録も残されています。

ボンニュイ 春夏号 Vol.34
※こちらのコラムは日本寝装品研究所の許諾を頂き、掲載させていただいております。