こだわり安眠館 メールマガジンコラム バックナンバー

第3回ふとんの歴史「畳の上にムシロを敷く」

平安時代まで寝室は開放的なつくりでしたが、12世紀の末頃、世相が不安になるにつれて、寝間の周囲を土壁にし、入り口を小さくした塗籠という小部屋に変わっていきました。

鎌倉時代には、武家の住居は寝殿造りを基本としながら小部屋をつくり、畳を敷きつめるようになりました。
畳の敷きつめられた部屋で暮らすようになると、かつての板間と違って、畳を敷きふとんとは考えられなくなり、人々は畳の上にムシロやゴザを敷いて寝るようになりました。

鎌倉時代の中期から桃山時代に至る約棚年間は、上層階級でもムシロが畳に代わる「敷きふとん」でした。

第3回ふとんの歴史「綿花の種子が再渡来」

初めての渡来から約700年後の室町時代末期、再び綿花の種子が渡来し、続く戦国時代に栽培に成功すると、たちまち日本各地に広がりました。

木綿は銃に使用する火縄(火種用の縄)の材料として欠かせなかったため、戦国大名たちは綿花の栽培を、軍需産業として大いに奨励しました。
木綿の夜着は、永禄年間(1558〜1570)に書かれた日記に登場していますが、「敷きふとん」は相変わらずムシロで、木綿の敷きふとんは未だ出現していません。

綿わたを大量に使用する敷きふとんが登場するには、さらに綿花栽培の普及と増産が必要でした

ボンニュイ 春夏号 Vol.34
※こちらのコラムは日本寝装品研究所の許諾を頂き、掲載させていただいております。