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燃料

コンロ、バーナー、ランタン等の動力となる燃料。
アイテムや用途にあわせてしっかりと準備するのが、快適なアウトドアへの一歩です。

燃料のマメ知識

ポンピングの目安

ポンピング

天候に左右されない強火が魅力のホワイトガソリンですが、なんといっても手間がかかるのがポンピング。
まず燃料を入れてからはじめますが、ホワイトガソリンは入れすぎに注意が必要です。燃料と空気の比率が 8:2 くらいになるように入れましょう。

ポンピングは、点火前後で下記を目安に行ってください。

ランタン ワンバーナー ツーバーナー
点火前 40~50回 25~30回 100~150回
点火後 10~20回 10~20回 10~30回

LPガスの種類

LPガスとは「Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス」の略。一般的にガスストーブに使用される3種類のガスの総称です。 その3種類とはノルマルブタンイソブタンプロパンのことで、それぞれ沸点、蒸気圧、燃焼範囲などの燃焼性能が異なっています。

※沸点とは、液体が気化する温度のこと。
※蒸気圧とは、液体が気化するときの圧力。高いほど、気化しやすい。

ノルマルブタン イソブタン プロパン
沸点
(℃)
-0.5 -11.7 -42.1
蒸気圧
kg/cm2(25℃)
1.8 2.6 8.5

ノルマルブタン

3つの中で最も沸点が高く、氷点下での着火は不可能。また、3つの中で最も気化しにくいため、火力が低下しやすい。

イソブタン

マイナス10℃の中でも着火が可能。安定した高出力で燃焼し続けることができる。

プロパン

3つの中で最も沸点が低く、マイナス40℃でも着火可能。また、蒸気圧は3つの中で最も高いため、安定した高出力で燃焼し続けられる。
カートリッジの内圧を非常に高いものにしてしまうため、混入率には限界がある。

炭への火のおこし方

初心者におすすめの燃料として「炭」を紹介しましたが、実際にキャンプサイトで火をつけようと思うと結構時間がかかってしまうものです。
着火材などを使用するのも1つの手ですが、正しい手順を覚えて挑戦してみてください。

炭は点火装置のついたガス器具と違って、火をおこさなければなりません。
点火方法にこれといった決まりがあるわけではありませんが、基本は燃えやすいものから順に火をつけ、充分な火力を得たあと炭に火をつけるということです。

それでは、基本的な炭火のおこし方をご紹介します。

STEP1 丸めた新聞紙を底に入れる

給油

着火を容易にするため、丸めた新聞紙を敷きます。
きつく丸めると火の付きが悪くなるので、あまりぎゅうぎゅうに丸めないのがポイントです。
敷く新聞紙の量は上に乗せる薪の状態(大きさや乾燥度)にもよりますが、慣れるまでは多めがいいでしょう。コツさえつかめば、案外少量の新聞紙で着火できるものです。

新聞紙は、なるべく長い時間燃えるように固く丸めましょう。

STEP2 薪を新聞紙の上に乗せる

給油

新聞紙の上に薪を乗せます。

キャンプ場などで売っている薪の束には薄い薪や細い薪が混ざっています。火が着きやすくするため、そういう薪を数本選んで乗せましょう。薪の替わりに使い古しの割り箸を使うという方法もあります。

空気の通り道をしっかりと確保し、炎が無駄なく燃え上がるようにするため、薪は円錐形のやぐらを組むような感じで乗せます。うちわなどで風を送ると早く火を起こすことができます。

STEP3 新聞紙に火をつける

給油

火は新聞紙の下の方につけ、炎がまんべんなく行き渡るようにします。
新聞紙に勢いよく炎が広がれば、やがて火が薪に移るはずです。

炎が弱かったからといって、慌てて薪の上に新聞紙を追加してもあまり効果はありません。もし追加するなら、新聞紙を棒状に丸めて薪の下に滑り込ませるようにして追加してください。
それでも薪に火が移らなかったら、もう一度新聞紙を敷き詰めて再チャレンジです。

STEP4 炭を乗せる

給油

薪に火が移り炎が勢いよくなったら、多少大き目の薪を足して火力を強めましょう。

火力が安定してきたら、薪の上に炭を乗せます。
乗せる時に薪のやぐら(円錐形)を壊さないようにそっと乗せます。やぐらが壊れると空気の通りが悪くなり、火力が落ちてしまうからです。

STEP5 空気を送り火力を増大させる

給油

炭に火が移ったら、団扇などで空気を送り込み火を強くしてやりましょう。
煙が立っていたら、それは不完全燃焼している証し。団扇で煽って炎を大きくして炭への着火を早めてやりましょう。

火が着いてから20~30分ほどすると、炭の表面が白くなり、安定した火力を保つことができます。これが「オキ」という状態。

ゴウゴウと炎が出ている時の方が早く焼けそうに思いますが、表面だけが焦げてしまうだけなので、オキの状態になってから調理を始めるのがベストです。

別の方法と後始末

炭火のおこし方には、市販の着火剤を使う方法や、トーチ(ガス式のバーナー)で火をつける方法もあります。

使用後の炭は水を張ったバケツに移して確実に消火してください。
炭に直接水をかけると、灰が舞い上がったりグリルに灰がこびりついて掃除が面倒になります。なお消火後の炭を地面に撒き散らすのは厳禁。キャンプ場の所定の位置に捨てるか、持ち帰るのが原則です。

ケロシンはホワイトガソリンではない

ケロシンとは「白灯油」のこと。
名前に「白」が付くことから、ホワイトガソリンと間違えられることがありますが、これはまったくの別物です。

間違えてガソリンランタンにケロシンを入れてしまうぶんには火力が弱いだけですみますが、問題なのは灯油ランタンにホワイトガソリンを入れてしまった場合です。
点火した瞬間に、2m以上の火柱が上がるのです。近くに燃えやすいものがあったり、顔を近づけていたら、大変なことに。

くれぐれもケロシン(白灯油)とホワイトガソリンは間違えないようにしてください。

ホワイトガソリンはこまめに抜く

タンク内に入れたホワイトガソリンは、入れっ放しにしないこと。
寒暖差でタンク内で結露が起こり、ガソリンに水が混じってしまいます。これが原因でチェックバルブが詰まり、ポンピングができなくなります。このようにならないためにも、使い終わったらガソリンはこまめにタンクから抜き取るようにしてください。

目安は約1か月。これ以上使わない場合は「残ガソリン抜き取りポンプ」を使って、ガソリン缶に戻しておきましょう。
もしガソリンが傷んでしまった場合は、空き缶にガソリンを入れて密封し、最寄りのガソリンスタンドで処分してもらってください。

抜き取らない場合は、燃料キャップを緩めてタンク内の圧力を抜いておきましょう。