前回のインドの仕入れ旅でザリ刺繍のジャケットを作りました。
今時はこんなジャケットを作る雑貨屋も少なくなりましたよね?
恐らくここまで豪華絢爛なインド刺繍ジャケットを作っているのは当店だけ。
きらびやかな刺繍生地で仕上げたインド刺繍ジャケットは目立つこと間違いなし!
加えて大人のゴージャス感やエレガントさも併せ持ちます。
今回は世界に1着だけでのインド刺繍ジャケットのご紹介です。
なぜこのインド刺繍ジャケットを作るに至ったのか。
それは5ヶ月にも及ぶインド仕入れ旅でのことでした。
インドの西の端パキスタンとの国境沿いの砂漠の街「ジャイサルメール」に初めて訪れたことから始まります。
時期は2023年の7月。
インドの猛暑が牙を剥く一番過酷なタイミング。
ダイレクトのフライトがなく気温が40度を優に超えるなか最後はエアコンのないバスで陸路でたどり着いたのです。
いやー死ぬかと思った。ホントに辛かったっす(笑)
雑貨屋は歩くのが仕事でもあります。
時には最高気温が46度にもなる炎天下をテクテクとバザールを歩きジャイサルメールならではのブツを見定めます。
そこで出会ったのが古布を2万枚以上も所有するオトコでした。
どの生地も流石と言うしかないコレクション。
もちろん古布の知識にも長けていて沢山勉強させてもらいました。
そこで出て来たのがザリ刺繍の古布です。
それはワンランクもツーランクも上の見事な刺繍生地。
ボクはひと目見て「これでジャケットを作ろう!」と即座に決めました。
ザリ刺繍の古布というのは簡単に言うと実際にインドの女性が身に纏っていたドレスのパッチワークです。
このため同じ生地が2つとありません。
眼の前にある生地が世界にたった1枚だけ。
それでジャケットを作ろうというのだから全く贅沢な話です。
しかしどの刺繍生地も素晴らし過ぎて一人では選ぶことが出来ません。
一人で選んでしまうと生地の好みに偏りが出てしまうのも事実。
ここはビデオ通話を繋ぎ日本のスタッフ含め全員で刺繍生地を選ぶことになりました。
生地を選ぶと同時にユニセックスでも着れるようにジャケットのサイズを吟味。
身幅に着丈に袖丈。そしてリブの長さやジッパーの種類まで。
日本から正式なサイズの指示書が来たらやっとサンプル制作です。
物を作るというのはそれだけでも大変です。
加えて相手はインド人。手強いのです(笑)
数日後出来上がったサンプルは文句なしの出来栄え。
そうそう!ワクワクするこんな洋服を売りたくて雑貨屋になったんだった。
そんな初心を思い起こさせるほど良い出来のインド刺繍ジャケットのサンプルが上がって来たのでした。
◆商品ページはこちら
ジャケット自体はカジュアルなデザインです。
しかし豪華絢爛なザリ刺繍古布を使うと雰囲気は一変します。
どうですかこのゴージャスな感じ!たまりません!!
サイズは大きめでユニセックスでOK。
これでもかと言うぐらいザリ刺繍生地を贅沢に使っています。
普段使いはもちろん「ここぞと言う場面」で着るとめっちゃ目立つこと間違いなしの一着です。
モノトーンの珍しいザリ刺繍古布も渋くて素敵!
◆商品ページはこちら
インド刺繍ジャケットの形はもうワンデザイン作りました。
お尻が隠れるハーフ丈サイズです。
生地を多く使用しているためフーディーに比べるとほんの少しだけ価格がお高め。
しかしそんな事はどうでも良くなるくらい素晴らしい出来栄えのインド刺繍ジャケットに仕上がっています。
こんなインド刺繍ジャケット見たことあります?
間違いなく世界に一着!お好みの刺繍を見つけて下さい。
インド刺繍ジャケットはその存在自体が強烈な個性を持つ一着です。
こんなジャケットはどうコーディネートすればいいか分からない。
そんな方に向けてのアドバイスです。
エスニックファッションではこれでもかと言うほどモリモリの色と柄を合わせて来る方が多いですがちょっと待った!
それでは折角のゴージャスなインド刺繍ジャケットが台無し。
ここは「主役をインド刺繍ジャケットに決めて」あくまでもその他はジャケットを引き立てるためにシンプルにまとめましょう。
ボトムスはデニムにブーツ。
インナーは黒のタートルなど出来るだけシンプルなものを。
そしてアクセサリーやバックなどの小物でアクセントを付けるだけで十分すぎるほど素敵な大人のコーディネートが出来上がります。
自分のお気に入りを総動員!
そんなコーディネートはこのインド刺繍ジャケットには向いていません。
この一着だけで十分過ぎるほどの存在感なのです。
初めての街で偶然出会った一人の古布コレクター。
そのオトコとの出会いがなければ今回のインド刺繍ジャケットは作れませんでした。
普通のザリ刺繍のジャケットならデリーでも作れます。
しかしここまで見事な刺繍生地は中々お目にかかれません。
偶然が生んだ産物と言っても良いでしょう。
生地からサイズまで十分に吟味して作り上げたインド刺繍ジャケットです。
現地にいたボクはと言えば日々40度を超える暑さとの戦いでそれは26年間雑貨屋をやっていて初めて体験する灼熱地獄のような暑さでした。
5分も歩けば汗が吹き出して水を浴びたようになり大げさではなく命の危険を感じました。
このインド刺繍ジャケットには沢山の思い入れがあります。
こう言った個性的過ぎる商品は売れないことも十分承知の上です。
それでも「そうそう!こう言うのを待っていたんだよっ!!」と言う数少ないお客さんに向けて作りました。
どんな人がどんな街でどんな風に着てくれるのか?
作り手側のボクとしてはそんな想像をするのもとても楽しい時間だったりします。
どうぞ当店のインド刺繍ジャケットで色のない国「日本」を華やかに飾って下さい。
このジャケットを羽織り家の玄関を出る瞬間少しでもテンションが上がってくれたら嬉しいです。
ボクは他にもインドで沢山の洋服を作って来ました。
特にド派手でサイケなシャツには思い入れがあります。
ストリートスライダーズと言うバンドを知っていますか?
日本一ペイズリーが似合うサイケでルーズなロックンロールバンドです。
シャツの生地を選ぶ時は「この渋い柄はハリーだな」とか「サイケなカラーはやっぱ蘭丸でしょ!」なんて1人でデンションを上げながら選んでいます。
大好きなスライダーズのまさかの秋ツアーがあるのを知ったのは丁度インドの仕入れ旅真っ最中。
そしてこの刺繍生地に出会いました。
大変な仕入れ旅でしたがスライダーズのライブに是非着て行って欲しい!
そんな想いも込めて作りました。
こんな豪華絢爛なインド刺繍ジャケットはスライダーズのライブにぴったりじゃないですか!?
熱烈。いや熱狂的な長年のファンの1人としてボクはそれを強く望みます。