浅野屋丁稚塾 番頭への道「その12 シミ抜き三禁」
今回は、着物のシミ抜きのお話です。
呉服の専門店の場合は専属のシミ抜き屋さんを持っています。ですから、
お客様からお預かりした汚れ落としの着物は大抵、外注に出すことになり
ます。
街のクリーニング屋さんでも和服のクリーニングを扱っていらっしゃると
ころがありますが、絹の着物の場合は綿・ウールなどの洋服と扱いが異な
るため確認が必要となります。
電話帳のタウンページでもクリーニングとシミ抜きは、違う分類をされて
います。正絹の着物のシミ抜きを依頼するときは特に、手作業で行う専門
職のほうが安心です。
汚れが古いものであったり、頑固な場合、当然シミ抜きの薬品も強いもの
を使います。ただ強い薬品はその分生地を傷めます。
当店のお願いするシミ抜き屋さんから言われることがあるのは・・・
「汚れが少し残りますが、これ以上やると生地が弱ってしまいます。」と
ですから、お客様から汚れ落としをお預かりする場合はその辺の情報を
事前にお伝えしておくことが、クレーム回避の方法になります。
また、お客様にシミが付いた場合の応急処置の心得を憶えてもらうように
するのも大切です。間違った応急処置をすると、反ってシミが取り辛くな
ったり、シミ抜き代が余計かかったりするからです。
また、汚れは早い方が取りやすく、日にちが経つと化学反応なんかを起こ
して厄介になってしまいます。汚れを見つけたら早くシミ抜きに出しても
らうよう、PRも必要です。
ハイ!それでは、シミ抜きの3大禁止事項です。
こするな・・・・生地を傷めることになります。
拡げるな・・・・汚点が大きくなる。
熱するな・・・・汚点と生地の結合が強くなる。
じゃぁ、皆さん私に続いて復唱してください!
「こするな!」・・・ハイ!・・・・・
「拡げるな!」・・・ハイ!・・・・・
「熱するな!」・・・ハイ!・・・・・
いいですか? もう一度・・・・
頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!
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