【19周年企画】希少な日本製手作り傘「WAKAO」若尾俊行さんに聞くここだけの話

【19周年企画】希少な日本製手作り傘「WAKAO」若尾俊行さんに聞くここだけの話

2000年、京都の祇園祭の真っ盛り山鉾巡行の日にオープンしたアンジェ web shop。おかげさまで、今年で19周年を迎えることができました。

記念すべき19周年にお届けするのは「あの人気商品、開発担当者に聞くここだけの話」。アンジェでもロングセラーとなっている「4商品」の特別コラムをお届けします。

本日は、アンジェで傘といえば「WAKAO」といえるほど愛用者の多いワカオの傘について
今では日本で売られている傘は中国製のものが多く、日本製の手作り傘は希少な存在になってきています。そんな1つ1つ丁寧に作られた傘だからこそ、長く大切に使いたいもの。

そんなワカオの傘について老舗洋傘工房、株式会社ワカオの代表取締役・若尾俊行さんに色々とお伺いしました。
当たり前の様に日々使っている傘ですが、実は知らないこともたくさん。大切な傘との、上手な付き合い方をお伝えします

【19周年企画】希少な日本製手作り傘「WAKAO」若尾俊行さんに聞くここだけの話


老舗傘工房、株式会社ワカオについて


1938年創業の老舗傘工房「株式会社 ワカオ」。創業されたのは、傘職人だった若尾さんのお祖父様。続いて2代目お父さまが販路を広げ卸しに力を入れていき、3目の若尾さんに引き継がれました。

年々、傘職人さんは減少傾向にあり、現在、仕事をお願いしている職人さんは5件ほど。70代が多く、60代で若手と言われるそうです。

若尾さんは3、4年前から若い人に傘を作る技術を伝えるための活動もされ、日本洋傘振興協議会(JUPA)の理事も務められていらっしゃる方です。


さすだけで夏のストレスが軽減、熱中症対策に日傘を


ちょうどお伺いした日は日差しが強かったこともあり、まず最初に話に上がったのは、日傘の必要性について

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アンジェ
今日はとっても暑いですね。日焼け対策としてはもちろんですが、暑さ対策としても、夏は日傘が手放せません。
WAKAOの傘もアンジェで取り扱いを始めた4年前から愛用させていただいています。

若尾さん
日傘は『紫外線対策』として考えられている方が多いですが、実は『熱中症対策』としてもとても効果的なんですよ。

行政機関のデータによって、日傘をさすだけで3度〜7度体感温度が下がり、日傘が熱中症対策に有効ということが証明されています。日傘をさすだけで歩行時のストレスが軽減できるんです。

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※熱中症対策として環境省が日傘を薦めていることから、若尾さんが理事を務める「日本洋傘振興協議会(JUPA)」が作成したリーフレット。

アンジェ
確かに日差しの強い日は特に、日傘をさした瞬間クールダウンしたように感じます。3度〜7度も体感温度が下がっていたとは驚きました。


UV機能、防水機能について

アンジェ
WAKAOの晴雨兼用傘は『UV加工』がされていますが、この効果はずっと続くものでしょうか?

若尾さん
UV加工は、UV機能のある液を生地の内部に浸透させているので、その効果が弱まることはないんですよ

ただ、どうしても長く使用していると、日焼けや汚れにより、折り目が白っぽくなってきたり、汚れが目立ったりしてきてしまいます。生地の汚れや痛みが気になってきたら、買い替え時と考えていただければと思います。

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アンジェ
私が4年使用している傘も、少し白い線が出てきていました。この線は自然と出来てしまうものなんですね。雨傘の防水機能も、UV機能と同様、弱まることはないのですか?

若尾さん
防水加工は生地の表面に施すため、長く使っていくうちにどうしても効果が弱まってしまうんです。
防水機能が落ちてきたなと思ったら、市販の防水スプレーを使っていただくのが良いと思います

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一生モノにしたいから、傘の保管・ケア方法は?


続いては気になる傘の保管・ケア方法について、教えていただきました。

アンジェ
傘の保管方法について、気をつけたほうが良いことはありますか?

若尾さん
一番大切なのは、雨傘も晴雨兼用傘も、雨の日に使ったあとは、しっかりと乾かしてからしまうことです。乾かすときは、必ず陰干しで干してください。
日が当たる場所で干してしまうと、生地の傷みや日焼けの原因になってしまいます。

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※室内に干す場所がないという方には、浴室で乾燥させるというのも〇。

アンジェ
玄関先に傘を干している家をよく見かけますが、あの状態はあまり良くないんですね。乾かしたあとに、保管しておく場所はどのようなところが良いですか?

若尾さん
なるべく湿気が少なく、風通しのいいところに置いておくようにして下さい。車の中に置き傘として置いておくのも、傘にとっては良くありません。
使ったあと(乾かしたあと)は、折り目に沿って、生地を引っ張り出すようにしながら綺麗にたたむことです。綺麗にたたまない状態で保管すると、生地の傷みの原因となってしまいます。
日中はなかなかた綺麗にたたむ時間がないこともあると思うのですが、1日の終わりには、しっかりとたたんであげて下さい
実は、10年以上ご使用いただいている傘の修理を承ることもありますが、傘をみると、その方がどういう風に傘を使って保管していたか大体わかるんですよ(笑)

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アンジェ
傘を見るだけで、どういう風に使っているか分かってしまうんですね。大切に使っていても、汚れてしまうことってあると思うんですが、そんな時はどうしたらいいですか?

若尾さん
雨傘の場合は、ぬるま湯で中性洗剤を薄めて、スポンジで優しくなでるように拭いて洗うことができます
洗剤成分が生地に残らないようによく洗い流して下さい。洗い流したら、必ず陰干しでしっかり乾かしてくださいね。


修理について


使い捨てではなく、長く使って欲しいという想いから、修理を承っているとお話してくださった若尾さん。どんな場合にお修理対応いただけるか、お伺いしました。

若尾さん
有償にはなりますが、傘の張替え以外は、基本的にお受けしています。ただ、繁忙期や、材料がない場合はお時間がかかってしまったり、お受けできない場合もありますので、一度購入されたお店のほうにご相談いただければと思います。

大切な傘に何かあった時、お修理を受けていただけるというのも、安心につながりますね。
※気になる点がありましたら、是非お気軽にお問合せ下さい。

数少ない職人が作る、WAKAOの傘

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日本製の傘が減少する中、私たちがお客様へお届けするWAKAOの傘を作っているのは、数少ない職人の方々。実際にはどれくらいの職人さんが作られているかお伺いしました。

若尾さん
年々、傘職人は減少傾向にあり、現在、仕事をお願いしている職人は5件ほどです。70代が多く、60代で若手と言われるんですよ。

アンジェ
60代で若手とは驚きました。数少ない職人さんたちが、私たちがお願いしている数百本の傘を作って下さっているのは感謝しかありません。
毎年、次のシーズンの発注を半年以上前にしていますが、その理由も納得です。

若尾さん
日傘の需要も年々上がってはいますが、実際は私たちが作る傘の数量は増えていないんです。でも、それでいいかなと思っているんです。作ることが出来る量は限られていますし、その分ひとりのお客様に大切に長く使っていただけたら嬉しいです。


他にも傘についての色々なことを、楽しそうにお話してくださった若尾さん。傘への愛をひしひしと感じました。

事務所には、今は作っていないという高級な手元(ハンドル)や、現代のニーズに合わせた新しい傘も並んでいて、新しい発見もありました。現代では希少になりつつある日本製手作り傘の魅力を、改めて知ることが出来ました。

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ワカオの傘を一本愛用してみると、日傘も、雨傘の折りたたみも…とついつい揃えてしまうのがアンジェスタッフ内の特徴。
その良さを一度体感してみると、虜になってしまうのがWAKAOの魅力なんです。

そんなワカオの傘を是非、沢山の方に触れて頂きたいので、今回は19周年を記念して「期間限定WAKAOの傘ポイント10倍」に。また、アンジェ別注「べっ甲ハンドル」モデルの価格を改定いたしました

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是非お好みの色、モデルを見つけて見てくださいね。

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