2015年最初のお話は昨年の続きとなります。 No.29でお話しさせて頂いたように、お耳の症状からみえてくるお耳だけではないさまざまな事柄を、 症状や疾患名をおりまぜながらお話しを進めて参りたいと思っています。 聞きなれない病気の名前なども出てくるかと思いますが、頭の片隅にでも置いていただければ良いかと思っています。 お耳の異常からこれらのさまざまなことが考えられるのだ、ということをお感じ頂ければ幸いだと思っています。 また、お話しさせて頂く症状に似ているからといってそれらの疾患があるとは思わないで下さい。 同じ症状が出てくる疾患は多数存在することなどからやみくもに自己判断はなされないようにお願い致します。 では、お耳において ”気を付けようこんな時!” こんな時あんな時どんな時?をお話しさせて頂きます。 |
・耳を掻く ・耳(頭)を振る ・頭を傾ける ・耳を触ると嫌がる(怒る) ・耳から嫌な匂いがする ・耳の周りの毛が変色する ・耳を振ったら何かが出てきた ・呼んでも反応が鈍い ・イライラしているようだ(落ち着きが無い・不快感を示す) ・耳(耳介)がざらざらしている ・耳(耳介)の色がおかしい ・耳の周りの毛が抜けてきた ・呼んでもこちらを向かない(聞こえていない) ・耳ではないがその付け根を掻く ‥など耳の異常から様々な症状を引き起こします。 おわかりだと思いますが、これらの症状はほとんどが耳介や外耳の炎症におけるものであり、 中耳や内耳での炎症における多くの症状は記載していませんが、 今回からはそれらの症状も含めお話しさせて頂く事になると思います。 再度になりますが、病名もたくさん出てくると思います。 特に、耳なれない病名や皮膚病における病名が多く出てきますが、 それら一つ一つの説明・解説はあらためてさせて頂く機会があると思っています。 今回におきましては省略させて頂く事になるように思います。 では、そのような状態になった時には次のように考え進めていきます。 |
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(1)耳以外に全くこれといったことが無い ・耳以外に何も他の症状が無い (2)耳以外には気にしていなかったが、他の症状がある。 ・この頃フケがよく出る。 ・身体を痒がる(全身的・部分的) ・毛がよく抜ける(全身的・部分的) ・全体的に毛が薄くなってきた(部分的にも薄くなる場合もある) などの症状を伴う場合。 このように大きく(1)、(2)のグループに分けることが出来ると思っています。 |
では、(1)について考えてみます。(耳以外に何も症状が無い)
以前お話しさせて頂いた様に、耳はさまざまな部位に分けることができます。 例えば耳介のみに発現するものや、耳介から耳道にかけて発現するものなど さまざまな症状があることを念頭においたうえでお聞きいただきたく思っています。 また、一般的あるいは代表的な疾患を取り上げさせて頂きますが、 まだまださまざまな疾患があるものと思ってください。 左右の耳介全体の毛が抜け、薄くなってくる。(両方の耳が同じ様につるっとしてくる) |
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●耳介脱毛症 ●雄の雌性化症候群 耳介の周辺の毛が抜けてくる。(耳まわりのふちだけの毛がポロポロ抜け落ちる) ●耳輪皮膚症(耳介辺縁脂漏症) 耳介に水がたまったように腫れてくる。(耳介が水膨れのようにプヨプヨし、その重みで耳がたれてくることがある) ●耳介血腫 上記以外で耳介単独に炎症をおこす可能性があるものとしては、 ●日光皮膚炎(重度な日焼けに伴うもので、特に猫では気を付けなければならない。) ●アレルギー性皮膚炎・・・アトピー性、食事性、接触性、その他 など ●ダニ感染症・・・耳疥癬、アカラス など ●凍傷 ●ハエの刺咬症 ●外傷 などがあげられます。 |
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お気づきなように、耳介以外に症状が無くても全身疾患の一部であったり、今後における全身症状の前ぶれであったり、体質疾患であったり、さまざまな要素を含んでいることがお分かり頂けるかと思います。 | |
最も重要なのは目に見えない身体の変化を導き出すことにあると思います。
すべてのありとあらゆる症状は 「氷山の一角である」ということ。 忘れてはいけないことではないでしょうか! |
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次回は (2)における耳以外に何らかの症状がある場合。を、お話しさせて頂きます。 |
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特に次回は今まで別々に考えていたり、あるいはそう思っていたこと(症状)が実は一つの原因から起こっているものであったり、 根本的な治療をする事で耳を含めすべてが改善されされる場合もあり、耳の治療ではないような治療をしなければならない場合もあることにお気付きいただければ幸いに思います。 本年も宜しくお願い致します!! |