テトリスソファーを代表作に「モノやコトをつくる」をコンセプトにするFDSレーベル。
その代表のスギヤマ氏と、ToMA、ZEN-YOUを交えての対談インタビュー。
(インタビュー中編)

ー(児玉) 販売にいたるまではどのくらい時間がかかったんですか?
(スギヤマ) 2009年の5月に発売したので。。。2008年の夏くらいからスタートしてるので
1年とまでは言わないですけど、実質的には半年くらいですかね。
ー(児玉) 結構急ピッチですよね?
(スギヤマ) そうですね、勢いがないとモノがつくれない性格で、長く時間をとると出来ないタイプなので
僕個人が。だから初期衝動の勢いで、その中で思考錯誤しながら一気に作っちゃう感じでやりました。
ー(児玉) もちろん気持ちで始まったことなので生産にいたるまで絶対にぶち当たるものがあったと思うんですけど。
(スギヤマ) 工場のつてもないし、何もなかったですからね。「ソファーつくりたい」っていう想いだけで。
コストの面でも、製作の面でも、何も分からないし。やりながら考えるっていうとカッコいいですけど。。。
そういうときは周りを見渡して、そういう関係の人を紹介してもらって、頼りになる人たちの力を借りてました。
 製作は、なるべく近く方々にお願いしソファーをつくりたいと思いました。
ほんとは豊橋だけでやりたかったんですけど、結果的には愛知県くらいに広がりました。
それでもメイド イン アイチ、愛知県内だけで作れることになりました。
 最初はインテリア関係の知人をどんどん伝っていきまして、まず豊橋のウレタン工場を紹介していただきました。
次に生地を探すために愛知県内の蒲郡や西尾、名古屋の会社に人を伝って飛び込みで入っていきました。
そして大阪に本社がある大きな会社の名古屋支店で、なんとか生地をいただけることになりました。
 「次は縫製だ!」ということで、またウレタン工場や生地屋さんに紹介してもらって色んな縫製工場を
あたっていきました。まさにワンピース的なリアルな冒険でした(笑)。
僕の場合は少ないロットでやりたかったんですけど、なかなかそれだと商売が成り立たないということで、
それを了解してくれる縫製屋さんをさがすのはホントに大変でした。
でもなんとか知り合いの伝で家族経営してる春日井の縫製屋さんでなおかつ技術もあるというところに
連れて行っていただくことができました。
そこでもいきなり知らない人間がきて「ソファー作りたいです」「縫製お願いします」と言うわけですから
「だれ?、ちょっと待て、だいじょうぶか?」ってなりますよね。 それでも話して話して、、、了解をなんとか得て。。。


ー(児玉) そのような一連の動きの中で全く相手にしてくれないとことろってありました?
(スギヤマ) そういうところも何社かありましたけど。。。でもほとんどのところは話を聞いてくれましたよ。
ほんとにインテリア業界の人たちは温かいと思いましたね。
普通なら、こんな誰か分からない人間の話を聞く時間ももったいないと思われても仕方ないんですが。。。
ー(児玉) それもスギヤマさんに魅力があったからこそなんでしょうね!
(スギヤマ) いや〜、多分ボクが尋常じゃない勢いだったんだと思いますよ(笑)あと、尋常じゃない笑顔で。。。
「このまま帰したらこの人泣いちゃう」と思われたんじゃないんですかね?
ー(児玉) それもスギヤマさんの人徳ですね。一緒に何かをやりたいと思わせる何かを持ってますよね。
うちが4周年のパーティーやったときも、ゲストはフロイドさんとFDSさんでしたからね。
そのときもスギヤマさんは徹夜で準備とかしてくれましたし。。。
ホントに仕事だけじゃなくて人間味のある方ですよね。
だからテトリスソファーもすぐに取り扱いたいと思いました。
(スギヤマ) 作った当時どこで売るの?ブログ上だけで売るの?っていう問題があったんですが、そのとき自分がやってたバンドのメンバーがZEN-YOUさんで働いてたんですね。それで児玉さんを紹介してもらえて。
ホントにこれも人との繋がりですよね。
ー(ToMA) 様々な苦労があってようやく店頭にソファーが並んだときはどんな気持ちでしたか?
(スギヤマ) これはほんとに、嬉しいなんて言葉だけで表すのはもったいないくらいでしたね。
いろんな感情が入り乱れて、「ほんとにやってよかった」と思いました。
そしてまた面白いことが始まるぞと思いましたね。
いろんな人に見てもらえるだけでも嬉しいし、買ってもらえればもっと嬉しいし。
ものを通して、興味を示してくれる人たちと喜びをわかち合うってのは日常ではなかなか無いことですからね。