テトリスソファーを代表作に「モノやコトをつくる」をコンセプトにするFDSレーベル。
その代表のスギヤマ氏と、ToMA、ZEN-YOUを交えての対談インタビュー。
(インタビュー前編)

ー(ToMA) FDSをはじめたきっかけを教えていただけますか?
(スギヤマ) 知り合いを通じて、バンドマンやカメラマン、モノづくりをしてる人たちを集めたチームでイベントをしたり
ウェブを作ったりしてたんですね。その集団の中で僕も触発されて、新しいこと面白いことで、身近にあるモノで、
なおかつ、みんながあまりやっていないことをやりたいなと思ってFDS LABELでモノづくりを始めました。
 モノやコトをつくるレーベルっていう考えをしてて、テトリスソファーっていうソファーなどを作ってます。
ソファーをみんなに見てもらう小さなイベントを「コト」ととらえて、そういう機会を作るってこともやってます。
ー(ToMA) どのくらい前のことですか?
(スギヤマ) FDSは2年前だから2008年ですね。その前の集団は、SIKAVILLというんですけど。
SIKAVILLは、わずか1年半で崩壊しました(笑)。
ー(ToMA) そのときには商品はあったんですか?
(スギヤマ) まずテトリスソファーをつくりたいと思ったんですね。ソファーが先かFDSレーベルが先かは分からないんですが、遅れてきた初期衝動がやってきたんです。「何かものを作りたいという」
 短大卒業後、20歳から、22歳あたりにインテリアCADの学校にいってまして、その後建築関係の会社に入るんですけどなかなかインテリアの仕事をする機会が無くて、だんだんモノづくりの気持ちは埋没していったんですね。
 でも2年位前に初期衝動がやってきて「ソファーを作ろう!」「部屋の王様はTVでもなくPCでもなくソファーだ!」
と勝手に思って、FDSとテトリスソファーが同時に始まった感じですね。
ー(児玉) 「部屋の王様」ということは、家の中のメインのものを作りたかったんですか?
(スギヤマ) メインというか、大きいものを作るのは難しいと思うんですけど、存在感があるもの、なおかつみんながやらないもの、そうじゃなきゃやらない方が良い、っていう気持ちに裏打ちされて。
「そういえばソファーなんて、まわりで誰も作ってないな」って思って作りました。
ー(児玉) 家具メーカーでもない限りあまりつくるものでもないですしね?
(スギヤマ) そうですね。インディーズバンドのようにソファーを手売りするなんてことは誰もやってないですからね。
ソファーを手売りしたらどうなるか?ってのをやってみようと思ったんですね。

ー(児玉) 名のある建築デザイナーがソファーとか椅子とかに走ることが多いらしいんですね。
有名なデザイナーで言うとイサムノグチとかジョージ・ネルソンとか。
最後に椅子に辿り着くらしいんですけど、学校時代にそういう教えみたいなのはあったんですか?
(スギヤマ) いや、ないです、自然にですね。っていうとカッコいいですけど(笑)
ソファーって体に直接触れる、そしてリラックスもできる。
 カフェとかも好きで、ソファーに座ってお茶したりとかしてると、とても気持ちが良くて僕にとってはすごく魅力的なものに感じてきたんですね。
建築デザイナーさんたちが、最後にソファーに行き着くのは、いろんなものが凝縮されてるからだと思うんですね。
ー(児玉) 確かにデザイナーさんたちも、直接体に触れてるうちにソファーの魅力が大きくなったって聞いたことがあります。名のあるデザイナーのそういう流れをくんでるのかなと。
(スギヤマ) 自然にそういうながれを受け継いでいるのかもしれないですね。
ー(ToMA) あのテトリスソファーの形が出来たきっかけを教えていただきたいんですが。
普通のソファーより細いですし。
(スギヤマ) 30、45センチ幅で確かに細いですね。ソファーを作るにあたって、自分が欲しいものを作りたいと考えたときに、普通ソファーって重たくて、取り回しが大変で部屋から部屋へ運ぶのも大変だったりするんですね。
で、一旦その場所に置いたらもう固定じゃないですか?
そうじゃなくて、もう少し軽くて移動が出来るソファーがあったら自分は欲しいなと。
そこがあの形の出発点になりましたね。
ー(ToMA) ということはネーミングは後からですか?
(スギヤマ) そうですね、あの形や機能性が先にありきですね。ソファーに機能性をつけてみたいなと思って。
ー(児玉) 僕の中ではソファーって「長く使える」「ドシッと構える」っていうイメージがあって、
どの考えがが正しいとかはないんですけど、スギヤマさんはソファーを服みたいな感覚で、
少しライトな考えですよね?気分で色を変えたり空間を変えたり。

すごく面白いなと思いましたね。
この業界に居る人にはパンチを与えられたんじゃないかと思いますね。
 あと、ああいうデザインって「イタリアのPOPな家具」っていう感じがしますよね。

丸みがあって、奇抜なカラーってすごく高いんじゃないかっていうイメージがありますし。
でもこのテトリスソファーはリーズナブルな価格なので、それもすごい魅力ですね。
(スギヤマ) ありがとうございます。そうですね、最初は結構丸みはなくて四角かったんですけど丸みはつけたいなとは思ってたんですね。人って角ばったものを見ると気持ちまで角ばってくると思うんですね。
丸いものを見ると気持ちも穏やかになるんじゃないかと。
気持ちの良いっていう部分で全体的に丸みをつけていきました。