日本から世界に発信するプロダクトレーベル、hnm(エイチエヌエム)。
そのhnmのプロダクトデザイナー花山氏にZEN-YOU児玉氏がインタビュー。
(インタビュー前編)

ー(児玉) こういうインタビューってあんまりないんですか?
(花山) そうですね。いくつか理由はあると思うんですが・・・
僕のHPって問い合わせ辛いみたいで。日本語が無いからかな(笑)
ー(児玉) でもそれが魅力だったりすると思うんですよね。
(花山) そう感じ取ってくれれば嬉しいです。それでも問い合わせしてきてくれる人がいるのは本当に嬉しくて、
僕が逆の立場になったときに、そういうのはなかなか行きにくいとは思うんですけどそれでも欲しいと思ったものには行くし、思い入れも違ってきますよね。
ー(児玉) では、本題へ。。。 
       hnmさんをはじめたきっかけは何だったんですか?
(花山) 21歳から雑貨メーカーで働いていて、営業の仕事がメインだったんですが、物を売ってく中で「こういう商品自分でもつくりたい」っていう思いが出てきたんですね。もともと自分は洋服が好きで、デザイナーみたいなのが頭の中にあって、雑貨の仕事をしていく上でも「自分の表現がしたい、モノを作りたい」と思ってhnmを始めたんです。
ー(児玉) 一番最初につくったのはやっぱり「ミルククラウントレイ」ですか?
(花山) はいそうですね。
ー(児玉) 最初から「ミルククラウントレイを作りたい!」って感じだったんですか?
(花山) 何か商品を作りたいと思っていた時期に、仕事が終わった後コンビニでミルクティーを買ったんです。
でそのパッケージを見たときにミルククラウンの絵が載ってたんですよね。
すごくこれかわいいなと思ったんだけど、そのときは名前も知らなくて「何だこれは?すごくいい形だな」って感じで。
後に調べたら、ミルクが1滴落ちたときに出来る王冠の形っていうのを知ってすごくそれに衝撃を受けて
惚れ込んじゃいまして。やっぱり「一瞬にしか出来ない美しさ」をずっと見ていたい、近くに置いておきたいていう気持ちが芽生えたんですね。 最初は会社に許可を取って自分の全財産を使って100個作りました。
それで、休みの日に都内のお店を飛び込みで営業して置いてもらえることになったんですね。
ー(児玉) それは何年前ですか?
(花山) 2003年だから今から6年前ですね。
ー(児玉) 雑貨業界では商品の寿命は3年って言われてるんですが、うちの店でも未だに人気商品だし、デザインもありますけど花山さんの売り方というか、商品を大事にしているっていうのが絶対的にあるからなんでしょうね?
(花山) ミルククラウンというモチーフが世界中の大人から子供まで、見て「いいな」と思うシルエットなんですよね。それが僕も共感している部分でもあるし、どこの国に行っても「いいね」って言ってもらえますね。
ー(児玉) 本物のミルククラウンって肉眼では見えないんですよね?
(花山) そうですね。本当に一瞬なので。そこも何かいいじゃないですか、ロマンチックで(笑)用途というよりも、現象に胸を打たれて作った商品ですね。
ー(児玉) 最初の100個はどれくらいの期間で売れたんですか?その若さで、なおかつ個人で商品を作るなんて相当な賭けだったと思うんですが。。。
(花山) 全財産賭けましたからね。結果すぐに売れてホントに嬉しかったですね。
最初にすごい好きな店が青山にあって、そこに飛び込みで行って「じゃあとりあえずやってみようよ」って言ってくれた日のことは忘れませんね。
めちゃくちゃうれしくて、店を出た後に大声で叫びましたもん(笑)「うぉ〜!」って全身が震える感じでした。

その他にも代官山にあるゼロファーストデザインさんも気にってくれて、ダブルネームで出したこともありましたね。100個位だったかな、すぐに売れちゃいましたね。
今じゃ超レアものです。その後DUENDEさんと契約して販売していたのですが、契約が終了して今に至るって感じです。
ー(児玉) じゃあ最初から好調だったんですね。でもここまでやってくる中で、壁に当たって「辞めよう」と思ったことはないですか?
(花山) あったり、無かったり。。。いいモノを作っていきたいという想いがあるのでなかなかポンポンは出来ないですね。それがなかなか新商品が出ないというのに繋がるんですけど。。。
ー(児玉) ただ、それが僕らからすると魅力でもあったりするんですよね。 うちみたいな小さな雑貨屋だと質のいいものを扱っていきたいというのがあるので3年くらいミルククラウントレイを扱ってますけど、ずっと変わらず買われていきますからね。
(花山) 50年〜100年後でも「いいね、これってかわいいね」って言ってもらえるようなモノだと思ってるし、
そういうところが作ろうと思ったきっかけでもありますからね。

 
 
 
 
 
hnm 花山正志 氏