漆器の素材の違い
漆器
  漆器の持つ優しさや上品さは、天然木・天然漆を使ってはじめて表現できるものです。また、漆器の特徴である堅牢さや保温性・断熱性の高さも、天然木・天然漆ならではのものです。
しかし、残念ながら、同じ「漆器」の名を語っても、製造工程中の使われる素材(漆、木地)により、その質は様々です。

このことは、単純には値段の違いに表れてくるのですが、ここでは、一般的なお椀の素材で、簡単に違いを説明いたします。

質の高い漆器のすばらしさは、新品の時には区別しにくく、時がたつほどに顕著に表れてきます。
    上塗り(中塗り)
    「漆仕上げ」と表示された中には、上塗りのみに漆が使用されている場合があります。
木製の木地の場合でも、漆を使っていることは少ないようです。
    本漆。漆を「乾燥」させるには適当な温度と湿度が必要です。高温多湿の日本の環境に適した塗料です。
    カシュー カシューナッツの樹液。漆の代用として使われますが、乾かすために合成樹脂が加えられています。刷毛塗りの他スプレーで塗装する場合もあります。
    合成樹脂 ウレタンなど。木地に直接スプレーで塗装して仕上げるのが一般的です。
     
    漆→ (うるし) 主成分であるウルシオールが多いほどよい漆とされます。日本産は含有量が最も多いうえ高質です。
しかし、国内生産は2%ほどで90%以上を中国産(価格は1/8程度)が使われています。最終工程の上塗りが日本産でも、下地、中塗りには中国産を使われることが多いようです。
    日本産 ウルシオール65〜70%。
    中国産 ウルシオールが5〜10%日本産より少ないと言われています。
    ベトナム産 ウルシオールに似たラッコールが主成分
     
    「工芸店ようび(奥田志郎作)」のお椀は不純物の少ない良質の国産のみを使用していますので、漆の臭いはまったく気になりません。
 
    下地  
下地の工程は堅牢な漆器を作る大切な工程であり、塗りのよしあしを左右します。
 
    上塗りに漆を使用する場合でも、安価に仕上げる理由の他、工程を短縮する目的で漆の代わりに、柿渋や膠が使われることがあります。
また、木目の美しさをいかす漆器 には下地を施しません。
産地によって下地の方法は少しずつ違います。
    漆下地 地の粉(珪藻土の粉)や砥の粉を生漆に混ぜた下地です。
    渋下地 (しぶしたじ) 柿渋に松煙、木炭の粉を混ぜて下地にします。堅牢で安価な漆器に使われます。和歌山の黒江塗の下地です(渋地椀)。
    膠下地 (にかわしたじ) 半田地(はんだじ) 膠に下地粉を使ったものですが、弱い下地なので食器としてはあまり使われません。
     
    漆下地→ 多くは本堅地のことを指します。本堅地は輪島塗、蒔地は漆の国内生産全国一位である岩手県の浄法寺塗の特徴となっています。
    本堅地 (ほんかたじ) 地の粉や砥の粉と混ぜ合わせた漆下地を使って,なんども地付けの工程を繰り返します。
    蒔地 (まきじ) 漆を塗り、その漆が乾く前に地の粉(珪藻土の粉)を蒔きつけ、さらに漆で塗った下地です。
     
   

輪島塗は惜しみない量の漆を使うことも特徴のひとつですが、「工芸店ようび(奥田志郎作)」のお椀はすべての工程で国内産の良質な漆を使っています。「工芸店ようび(奥田志郎作)」のお椀の下地は「木地に密着して最も堅牢」な蒔地法です。

 
    木地
    「日本製」とうたっていても、木製の木地に中国製を使っている場合があります。木地のみを中国から仕入れ、塗りを日本で行います。
なかには、中国で仕上げられたものを、日本で再度塗り直し「日本製」とする場合もあります。
    木製 けやき(お椀など)、あて(お盆など)などが使われています。
    木質 合成樹脂に木粉を混ぜたも。合成樹脂よりも強さと質感があります。
    合成樹脂 ABSなどのプラスチック。
     
    「工芸店ようび(奥田志郎作)」は日本の気候風土に合った国内産の木を、用途にあわせ選んでいます。たとえば、お椀に使うけやきはとても弾力性があり、薄くて軽いお椀ができ上がります。
       
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