■2月14日 フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ社 エンツォ・エルコリーノ氏 インタヴュー






アリアーニコといえば、フェウディディサングレゴリオ。
カンパーニャのワインを世界に知らしめることになったワイナリーの創業者である
現オーナーのエンツォ・エルコリーノ氏にお会いできると聞いてとても楽しみにしておりました。

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吉田 「はじめまして、今日はお会いできてとてもうれしいです。
日本へは何度もいらっしゃっているんですか?」
エルコリーノ氏 「今回で5回目の来日です。」
吉田 「当店は、インターネットでイタリアのワインや、食材を売っているお店なんですが、日本とイタリアの食べ物は共通する部分が多いと思います。日本食はどうですか?お好きですか?」
エルコリーノ氏 「そうですね。日本食大好きですよ!刺身、すし、しゃぶしゃぶ、鉄板焼き、てんぷら…
イタリアでもシンプルなものが好きだから、日本でもそういう食べ物が多くて、食べるのは楽しみです」
吉田 「自宅ではいつもどんな食事をされているんでしょう?」
エルコリーノ氏 「カンパーニャは貧しい土地柄なので、パスタは卵は入れませんし、野菜を多く食べますね。豆料理ですか?レンズ豆、エジプト豆、ヒヨコ豆。そんなものを野菜と一緒に煮込んだスープ、おいしいですよ」
吉田 「ズッパですね」
エルコリーノ氏 「ええ。ズッパ。貧しいといいましたが、貧しいということはシンプルということ。シンプルな料理が多いんです。肉は、羊やヤギやウサギが主ですね。
サラミはもちろん食べますし。サラミといえば、自分の地域では、1月の上旬に子豚をばらして豚を食べます。そのときに、その年のサラミを作るという習慣もあります。お祭りというわけではないんですが。」
吉田 「サンジミニャーノにいった時、金曜日しか、海辺の町から魚を売りに来ないとかで、魚は金曜日といっていましたが、エルコリーノさんの村でもやはり、魚はあまり、食べないのですか?」
エルコリーノ氏 「トスカーナですね(ちょっと苦笑)。新鮮な魚を食べるということはやっぱり少ないですね。干しだらとかそういうものの方が手に入りやすいし。そうです。金曜日は魚の日。金曜日に魚を食べるという習慣?があります。」
吉田 「そういう食事と普段はどんなワインを召し上がっているんでしょう?」
エルコリーノ氏 フィアーノタウラージかな。こんな風に、ほとんど外を歩いているので、自宅に戻ることも少ないんだけどね。いるときは、軽く味を見る程度に、楽しんでいるかな。」
吉田 「あの、ワイナリーの所有面積はどのくらいでしょうか?」
エルコリーノ氏 「300ヘクタールかな。ワインだけでなく、農産物も作ったりしているからワインのためにぶどうを植えているのはそのくらいだと思うよ。」
吉田 「赤白の面積比率や品種の内訳はどうなっていますか?」
エルコリーノ氏 「白が60〜65%。赤が35〜40%。白は、フィアーノが40%、グレコが40%、ファランギーナが20%。赤はほとんどがアリアーニコだよ。メルロはほんとのちょっとさ」
吉田 「標高はいかがですか?」
エルコリーノ氏 「500〜700mかな。
赤が400から500、白が500〜700」
吉田 「かなり高いんですね。だから、しっかりとした酸を作り出すのが難しいという地域で、セルピコのような、ひきしまったワインができているんですね。日照量が多く、高地にあるので、寒暖の差もでる。まさにワイン作りのグッドロケーションですね。だから、エレガントなワインができているんですね。」
エルコリーノ氏 「確かに、うちの畑の標高は高いよ。それも大事なポイントだ。豊富なタンニンや酸は、そういうことが大きく影響している。それから、もうひとつ大事なのは土壌だよ。ミネラルをたくさん含んだ、火山灰質なんだ。」
吉田 「86年に創業されたそうですが、以前は何をなさっていたんですか?」
エルコリーノ氏 「ローマで国家公務員をしていました」
吉田 「実家がワイナリーをされていて戻られたんですか?」
エルコリーノ氏 「そうだね。小さくやっていたのを、畑を買い増して、どんどん改良して今になったのさ」
吉田 「ワインの国内出荷と輸出の割合はどのくらいなんでしょう?」
エルコリーノ氏 「イタリアが6〜7割。後残りが外国です」
吉田 「国内での消費がとても多いんですね。びっくりしました。そういえば、ミラノで立ち寄った酒屋さんでも、エルコリーノさんのワインを勧められました。そのときは、日本で自分も販売しているので買いませんでしたが(笑)」
エルコリーノ氏 「国内に118の販売代理店がいて、僕のワインを売ってくれているよ。」
吉田 「すごいですね。イタリア中で流通している!?」
吉田 「色々なアリアーニコのワインを造られていますが、どういう違いを持たせていますか?」
エルコリーノ氏 「一口にいえばぶどうのグレードと熟成年数、バリックの使い方さ。セルピコは一株あたり1kgしかぶどうはならせないし、タウラージは1.2kg。セルピコは熟成は2年。タウラージはDOC法の規定にしたがい、3年。あとは、バリックの使い方が違うんだ。」
吉田 「自分の思うアリアーニコの理想の姿はどんなワインですか?」
エルコリーノ氏 「01のセルピコさ。すばらしいパワーを持ったすごいアリアーニコができた」
吉田 「…怒らないでくださいね。アリアーニコを作っている方にこんなことを言うのも恥ずかしいんですが、先日セルピコを飲んだとき、ピエモンテのネッビオーロかと思ってしまいました。そんな、北のワインにあるような、すっきりと引き締まったパワーと味わいがしました。」
エルコリーノ氏 「(笑)セルピコやパトリモにある酸とタンニンを分析すると、30年は熟成するといわれている。」
吉田 「アリアーニコをそんなに、かつて、熟成させた人もいないでしょうし、前人未到ですね。アリアーニコの可能性にいち早く注目されて取り組まれたわけですが今後のアリアーニコの可能性に関してはどうお考えですか?」
エルコリーノ氏 「爆発的に世界に広がり、植えられていくに違いないと思うよ。これは間違いない」
吉田 「アリアーニコこれからが本当に楽しみですね。」
─握手をしながら─
エルコリーノ氏 「イタリアにきたら、トスカーナばかり行かないで、僕のワイナリーにも来てください(笑)ご案内しますよ」
吉田 「ありがとうございます!機会ありましたら是非によらせてください!」
   



インタビューを終えて:

カンパーニャきっての立役者、フェウディディサングレゴリオのオウナーにお会いできると聞いてどきどきでした。

いろいろ、お話を伺う中で、エルコリーノさんが、役人としての仕事をやめてはじめたのが1986年。
わずか20年足らずの間に、300ヘクタールもの土地を取得して、そのうちの6〜7割ものワインをイタリア国内で販売するには、ものすごい努力の賜物ではないかと思いました。

エルコリーノさんは、一見、落ち伝いて冷静な印象のする方ですが、話し出すとまくしたてるように情熱的に話される方。
外には見せないワインや、ワインビジネスにかける熱い情熱が内側に燃え滾っていて、圧倒されました。
わずか20年にして、カンパーニャのワインをがらりと様変わりさせることになった先駆者は、
なるべくして、そういうワインを造った。

そんなことをあらためて知ったような気がします。


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