7月16日 (1日目)
７：２０ 松茂から関空行きのバスで出発する。
今回は飛行機が午後便で出発がゆっくりなので助かる。
台風４号も無事に通り過ぎたのでバスも順調に進み、予定より少し早く９：５０頃に関空に到着する。
時間が早すぎるので持ってきた本を読みながら時間をつぶす。
１１：３０には西川産業の中江支店長と担当の山内さんが見送りに来てくれるとのことである。
今回の旅の目的は内モンゴル自治区恩格貝（クブチ沙漠）へ植林に行くこと。
昨年から西川産業と提携して当社のオリジナルキャンペーン商品を１セット販売する度に１本分のポプラをゴビ沙漠に植樹する資金を提供するということを続けており、これが1,000本分を超えたこととやはり自分の目で直接現地を確かめ自分の手でも直接植林に貢献したいという考えから今回の旅となったのである。
人身事故で電車が遅れ西川産業の二人は１２：００頃に到着、昼食をご馳走になる。
見送りに来てもらった上に昼ご飯までおごってもらうと非常に恐縮する。
１：００頃に２人と別れ搭乗口に行く。
しかし、到着便の遅れで３０分遅れとなり、１４：００出発の予定が１４：３０となる。
この待ち時間にテレビを見ると新潟方面で大きな地震があり震度６を計測とのこと。
今回は新潟からの参加もありこんな大きな地震があると予定通りの参加ができるのか心配になる。
北京への到着はこれも３０分遅れて１６：３０、東京組が１８：００位に到着するのを待ち合わせするのでそれまでは自由行動とのこと。
インターネットカフェに行き仕事をするが速度が遅くてストレスが溜まる。
１８：１５位に合流完了。成田、中部、福岡と合流、関西からは私一人が参加で総勢は２６名である。
空港で夕食をとり国内線に乗り換え２０：４５ 包頭に向けて出発する。
ほぼ定時出発。非常に恵まれているとのこと。
ガイドの高橋氏によるとこちらでは遅れて当たり前で前回は同じ便を空港で１２：００まで待っても結局飛ばず荷物を受け出してホテルに泊まって最終的に飛んだのは翌日の１４：００だったそうだ。
飛行機はジェット機で関空から北京に来たのと同型機で横６人掛けの中型機である。
飛行時間は約１時間の飛行時間で２２：００頃包頭に到着する。
包頭は人口２５０万人、内モンゴル自治区ではフフホトに次ぐ重要な都市である。
元々は製鉄の街で最近はレアメタルが採れることがわかり一大産業になっているとのことである。
途中工事で高速道路をバックで分岐点まで戻るといったアクシデントもあったが２３：００頃には本日のホテル包頭賓館に到着する。
ホテル自体は大きいものの少し古めである。
インターネットの設備はないとのことだが部屋に入るとどう見てもランポートと思える差し込み口がある。
フロントで聞いてみると使えないとのこと、現地ガイドの金花女史は飾りですと言う。
全くよくわからないところである。
眠気をおして２４：００過ぎまで日誌を書くが日本時間では既に１：００を過ぎていることからこの辺で話題の中国製歯磨きで歯を磨いて寝ることにする。
7月17日 (2日目)
５：３０起床、ホテルの周りを少し散歩してから朝食
８：３０バスでホテルを出発、果物市場の見学をする。
マンゴウの値段を聞いてみると１個７元程度（約１００円程度）
３０分ほど見学して９：１５恩格貝に向けて出発
包頭から恩格貝までは８０�辧∈�でこそ道路も整備され車で２時間弱の距離だが以前は舗装できておらず非常に時間がかかり、途中の河に橋が架かっていなかったため水が出るとたどり着けなかったこともあったとのことである。
ポプラ並木の中のまっすぐな道を恩格貝へすすむ。
途中で道を使って農民が粟を天日干ししている。
１車線使って天日干ししているため車が対向できなくなっていてもお構いなしである。
途中、黄河を渡る。
泥の色をした水が流れており黄河というより泥河といった印象である。
橋は浮き橋ということで大きな車が通るには少し不安
橋が揺れてバスが河に落ちたこともあるということで橋はバスから降りて徒歩で渡る。
黄河を渡ると途中、石灰岩の採取で荒れ地になった場所や間違った農業の方法で現在荒れ地になっていこうとしている場所を通過する。
砂漠を緑化する一方、現在でも色々な要因で人間の手で砂漠化がすすんでいることを実感する。
１１：００ ホテル（恩格貝賓館）着（ホテルといっても植林の前線基地のようなもの）
モンゴル式の歓迎を受ける。
天と地と神に感謝を捧げ酒（白酒）を一気のみするとのこと。のどが焼ける。
その後ボランティアで長期間植林をしているスタッフの紹介を受けるが６〜７人の中に徳島県から来たという人が２人もいたのには驚く。
その後２人と話をするが森本氏は徳島市末広、森氏は美馬市から来ているとのこと。
１１：３０から植林の意義と沙漠についての講習を受ける。
この植林は１９９１年に遠山正瑛先生が日本沙漠緑化実践協会を設立して開始したとのこと。
現在までに約４００万本の植林を達成し今なお植林を続けている。
遠山先生は１９０６年生まれ８５才で中国クブチ沙漠の緑化事業を開始する。
遠山先生の後半生をDVDで見て、先生の「目的を持たない人生は闇だ。ただ生きているだけ。」、「続ける限り失敗はない。やめたときが失敗」との言葉に感銘を受ける。
DVDの視聴後、沙漠についての説明を受け実践会の理事山口氏から緑化の意義についての説明を受ける。
講習の後は食事をして１４：００出発
中国人スタッフが沙漠での作業は非常にきついため通常１２時から１５時まで休憩しているので、先に沙漠を見に行く。
５：３０起床、ホテルの周りを少し散歩してから朝食
本当に我々が抱いている通りの沙漠である。
実践協会理事の山口氏によるとこのように我々が思い描くような沙漠は全体からすると非常に少ないとのこと。（どちらかというと土漠のようなものが多いようだ）
砂の粒子が細かく目や鼻は勿論、口の中も知らない間にじゃりじゃりいう。
デジカメにもいつの間にか砂粒が中に入り込みうまく動かなくなる。
今日は少し曇っているのでそんなに暑くはない。
風も少し出てくる。
ガイドの高橋氏が東風なので雨の危険があるということで急いで植林に向かう。
ホテルから植林地まで現在は舗装されている道があり車で２０分程度だが、以前は２〜３時間歩いて植林に行っていたとのこと。
先人の苦労には本当に頭が下がる。
１５時過ぎから植林を開始しようとするが高橋氏の言うとおり急に雨が降ってくる。
雷も鳴り始め近くで落雷もあるようなので急いで近くにある小屋へ移動する。
嵐のような風雨が続き沙漠でこのような雨は少ないとのこと。
しばらく待機しているとやがて雨があがってくる。
急いで植林場所に戻り植林を開始する。
植林はスコップで深さ１メートルの穴を掘りポプラの苗木を植えるのとのこと
口で言うのは簡単だが１メートルの穴を掘るのが大変
へろへろになってだんだん無口になってくる。
最後に記念植樹ということで自分のプレートを木に結び植林を終える。
全員で１５０本の植林を終える。
植林を終えるのを待つかのようにまた大雨が降り出し急いでバスに戻る。
１７：３０ ホテルに帰る。
ホテルに帰ると停電しているとのこと
元々部屋にバスタブはないのだが部屋で水自体がでない。
汗と砂だらけで砂の粒子が小さいため毛穴の中にも砂が入り込んでいるようなのでどうしようもない。
仕方がないので飲料用の水を使用して手を洗い最小限の場所をタオルで拭く。
停電しなくてもこのホテルは本当に秘境のホテルといった感じで部屋にタオルもなく備品であるのは蠅たたきと蝋燭
（なぜ蝋燭があるのかは後でたっぷりとわかった）、当然エアコンもないしシャワーはあるが決まった時間にしかお湯は出ない。
トイレは配管が細く詰まるのでトイレットペーパーを流すことができずトイレットペーパーは横に置いてあるゴミ箱に捨てろとのこと。
今回の参加者は女性が多いので本当に気の毒である。
電気がつかないので少しでも明るいうちに食事をするとのことで６：３０から夕食にする。
それでも暗いので蝋燭を持ってくるとのことでかえって良い雰囲気になるなと思ったが、結局はビール瓶の先に蝋燭を立てて持ってきたので雰囲気もなにもない。まあいいけど。
食事が終わっても別に行くところもすることもないので延々と飲み続ける。
西川産業の北村課長にあおられて白酒をみんなで乾杯（カンペイ：一気のみのこと）を続ける。
地元の偉いさんもやってきて一緒に乾杯するのでなおのことである。
これだけの人になるとやはりお酒の強い人もいて白酒（アルコール度数３９度）の瓶がどんどん空いていく。
これは潰れたり記憶のなくなったりする人がでるなと確信し、巻き込まれないように秘技をつかいながらうまくたちまわる。
結局、九州女と東北男の酒の強さを再認識する結果となる。
最後に庭で花火を打ち上げてくれ、みんなでよっぱらったまま見る。
非常に近いところで大型花火を素人が連発で打ち上げているので非常に危険な状況なのだが、みんな酒が入ってハイになっているので異常に盛り上がる。
無限に続くかと思われた宴会も終わってみれば２時間くらいのもので９時過ぎには気絶したように寝る。
１０時頃どんどん扉をたたく音と共に起こされ、誰かが部屋の中に入ってくる。
寝るなら蝋燭を消して寝ろということでチェックに来たようだ。
しかし、一旦蝋燭を消したらマッチもライターもないので２度と火をつけられないのが非常に不安であるがとりあえずは火を消してもう一度寝る。
7月18日 (3日目)
西川産業の社長が明日、日本で用事があるとのことでフフホトを経由して帰るとのこと。
５時に出発とのことなので見送るために４時に起きる。
真っ暗で蝋燭にも火がつけられないので携帯電話の電源をいれてライトの代わりにする。
着替えても時間が余るのでパソコンをつけて日誌を書く。
５時になったので社長を見送りに行く。
昨日あれだけの宴会であったにもかかわらず半分くらいの人が見送りに来ているのがすごい。
フフホトは恩格貝から東へ２５０�辧⊆屬韮柑�間とのこと。
我々と一緒の包頭からの飛行機では間に合わないとのことだが本当にご苦労である。
旅の安全を祈りながら西川社長を送り出す。
その後、沙漠のご来光を続いて見に行こうとの話もあったが、曇っており無理のようである。
一人で遠山先生の像を見学して部屋に帰る。
遠山正瑛先生の像
遠山先生記念館
少し明るくなってきたので読書をして過ごす。
今回は一人部屋なのでできるだけ読書をしようと考えこれまでに２冊を読み上げ３冊目に突入する。
７：００朝食
８：４５出発 結局、停電はなおらず電気もつかない水も出ないまま。
１０：３０過ぎに包頭市内のレストランに到着して火鍋料理を大分早いが昼食にする。
しかし、考えてみると車で２時間ほどの地域でこれほどの格差があるのは日本では考えられないことで本当にカルチャーショックを受ける。
羊の肉はあまり好きではないので食はすすまない。
１１：３０レストラン出発
１２：００過ぎに包頭空港到着 ここで現地ガイドの金花女史、協会理事の山口氏と別れる。山口氏は更に奥地の緑化事業に参加するとのこと。本当に頭が下がる。
１３：００発予定の飛行機は順調に１時間遅れ１４：００包頭を出発する。
１５：００に北京空港に到着するが、実はフフホトからの飛行機は我々よりもっと遅れて５：００に出発した西川社長より我々が先に北京空港に到着してしまったことがわかる。
気の毒には思うがどうにもならない。
明日の仕事は大丈夫だろうかと思ったが、その後北京から成田に帰る飛行機も順調に１時間遅れて間に合ったことがわかり安心する。
本来なら空港からこのまま市内観光を兼ねたショッピングに行く予定だったのだが、みんな風呂もろくに入っていないトイレもゆっくりいけていないという状態だったので直接ホテルに入ることにする。
１６：３０ 広西大夏（よくわからないが広西省のチワン族に関係があるとのこと、４つ星）に到着
インターネット接続無料、高速で問題なし。
１８時集合ということなのでホテルの前のスーパーに行きあるものを買う。
実は今回の旅ではあるものを持ってくるのを忘れており非常に苦労していたのである。
何を忘れてきたかは本筋との関係がないので秘密にする。
１８：００ホテル出発 ラッシュアワーであるが３０分強で到着する。
本日の夕食は広東料理、みんな昨日までの料理に比べ口に合うということで喜んでいるようである。
２０：００食事が終わり多くの人がガイドに連れられてマッサージに行く。
私はホテルに帰る。
帰りのバスでカラオケに行こうと誘われたので一旦ホテルに入った後、カラオケに行く。
中国のカラオケは日本のクラブとカラオケをミックスしたような業態。
ガイドに紹介してもらうがチップも全て入れて7,000円とのこと少し高いような気もするが、送迎もしてくれるというのでその店に決める。
そこでビールを飲みながら少しだけ中国語の勉強をする。
１時間ほどで帰り、インターネットが繋がるので仕事をした後、２時頃まで日誌を書く。
本日は移動時間でたくさん寝たので大丈夫である。
7月19日 (4日目)
この日は他の人たちは万里の長城を見学に行くと言うことなので、私は別行動をとり北京市内を見て回る。
胡同→王府井→藩家とまわり途中だまされそうにもなりながらなんとか一人で１日過ごす。
約束の時間にレストランまで来るようにとの電話があったのでタクシーに乗り全聚徳に向かう。
そこで他の人たちと合流しお別れ会となる。
7月20日 (5日目)
５：００ モーニングコール
６：００ 出発
空港で他の人たちと別れ関空へ向かう。
当たり前のように１時間以上遅れるがなんとか無事に帰ることができる。
今回は社員のみんなやまた商品をお買いあげいただいたお客様方をも代表して植林に行ったつもりである。
植林した翌日からは握力がなくなり普段の運動不足を非常に反省させられる。
今回のツアーで特に感じたことは中国への植林に生涯を捧げる旅行会社の高橋氏や恩格貝に長期滞在しながらボランティアで働いている人たちの人たちの姿を見て地球環境への貢献の重要性や尊さを学ばせていただいた。
また、一緒に旅した同業者の皆さんも本当に素晴らしい方々ばかりで良いご縁ができたのは本当に一生の宝になると思った。