←前へ  次へ→

浅野屋丁稚塾
番頭への道「その76 子供の着物の秘密」

不思議だと思いませんか?


大人の着物も子供の着物も、その素材となる反物の規格は同じなんです。
0歳の赤ちゃんから大人まで、使う反物の長さは異なりますが同じ巾の 反物で作ってしまうわけです。

子供の着物の仕立て方は大きく分けて3種類。
一つ身・三つ身・四つ身と分かれます。

これって未だお話したこと無いですよネ。

小さい方から大きな方へと 一つ身→三つ身→四つ身となっていきます。
四つ身の上は本裁ちと言って大人の仕立て方と同じ仕様になります。
必要な反物の長さは、ザックリ言ってしまうと順に1丈・1丈5尺・ 2丈となり、それなりに大きく作ることになると要尺も長くかかります。
お宮参りに使う初着は一つ身になります。これは反物の一巾で身巾に 当てるため、背縫いがありません。

三つ身は3歳から5歳位の子が着る仕立て方となり、チョツト難しい 裁ち方をすることになります。

四つ身は衽の始末が特徴的で、7歳用の着物というのはこの仕立て方に なります。

これらの違いは、身巾がどれ位取れるかというのがポイントになり、 年齢よりもむしろ体格によって着られるかどうかが左右されます。

そして、さらに凄いのが縫い上げをすることによって、身丈・裄を微調整 することが出来るようになっています。

子供の場合は、成長の速度が速い為、1年で身長は凄く変わってしまい ます。身長が伸びたら、縫い上げをし直して、次の歳も着られるように なっているんですネ。

そして、更に更に・・・
子供の着物の場合、縫い上げ寸法の法則があるんです。

縫い上げ寸法で・・・裄=身丈の1/2+5分

証明せよ!と言われても、困ってしまいますが、縫い上げをする時は 身丈の縫い上げ寸法を決めれば、それでOKな訳です。
経験上 現場では、コレでバッチリです。

ところが、チッチャい子の身丈を測るのにも往生することがあります。
おとなしく着物を羽織ってくれる子ばかりじゃなく、採寸の現場では 泣き叫ぶ子・嫌がって逃げ惑う子もいます。
身丈を測るだけで、付いている大人もグッタリ・・・なんてことも しばしばです。

その上、裄も・・・なんてことになったらゲッソリですが、 そんな時、この法則が役に立ちます。

子供のご機嫌とるのも、呉服屋の立派な仕事


頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


-戻る-