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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その54 箪笥の虫」

単衣の季節が近づいてくると、そろそろ冬の間活躍してくれた 袷の着物を整理して少しの間休ませてあげよう・・・
という季節になります。

この時季はお客様から、箪笥の引き出しに入れる防虫剤について 質問を受けることがあります。

また、帯とのコーディネイトのためにお店にご持参いただいた 着物を包んだ風呂敷を開けた途端、強烈な樟脳の匂いがすることがあります。

そんな時にお客様にアドバイスするのが防虫剤の使い方についてです。

こう説明してあげてください。

「防虫剤はあまり必要ありません。
一シーズンに何度もお召しになったものなら、着用の度に着物ハンガーに 掛け、汚れがないかをチェックし、問題が無ければそのまま畳んで頂ければと思います。

但し、何年かに1度の割で洗い張りをされると着物の風合いが良くなり ヘタレも少なく済みます。

防虫剤は、金糸銀糸のある着物・帯には金属糸の変色の恐れがありますから 直接着物に触れさせないように、引出しの片隅に1個か2個入れておく程度 がいいでしょう。

現代は住宅環境も良くなったので、どうしても・・・
というわけではありません。

最近ではウールの着物の場合、虫食いの被害にあったものはたまに見かけ ますが、絹の着物で同じ被害のものはあまりお目にかかった事がありません。

それよりも、要注意は湿気の問題です。虫干しまでは出来なくとも、たまに 箪笥の引出しを開けて、着物に深呼吸をさせてあげてください。

それから、礼装の着物などでこの後何年か先にしか着ないような着物は、 その都度和装専門のクリーニングをしておかれることをオススメいたします。」

と・・・

特に金糸銀糸の変色は要注意です。
化学反応を起こしてしまいますから、シミ抜き屋さんでもなんともならなく なりますので・・・

タンスにゴンは、金属糸にも大丈夫と書いてありましたが
防虫剤も薬です。
用量用法を守って、正しくお使いください。

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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