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浅野屋丁稚塾 番頭への道
「その51 小物から季節の先取り」 

呉服屋は商品のラインアップも季節を先取りして手配しますが、着物・ 帯・小物の季節による合わせ方の違いも、シッカリ把握してお客様に アドバイスしなければなりません。

季節的には着物の場合、5月末までは袷の着物、6月は単衣になります。 この単衣というのは、広義には盛夏用の薄物も含まれるのですが、 6月に着るのは冬物と同じ生地で裏地を付けずに仕立てたもののことです。

7月8月は絽とか紗といった透ける素材の単衣に仕立てたものになります。

次に帯の合わせ方ですが、帯にも冬用と夏用があります。

冬用は袋帯・名古屋帯でしたら透けない生地で帯裏の付いたもの、半巾帯 では、裏地の付いたものや小袋帯などがそれに当たります。

夏用は袋帯・名古屋帯では作りは冬用と同じですが素材が透ける素材で 作ってあるもの。紗献上八寸帯・紗袋帯・絽縮緬名古屋帯など。

半巾帯では裏の付いていない単の半巾帯などがこれに当たります。

そして、コーディネイトの基本ルールは末端のものから季節を先取りすることです。

着物の場合は実際に着用した時の涼しさ・温かさも大切ですが、見た目に 涼しげ・・とかいう印象が重要視されます。

ですから、6月の単衣の着物にはこれから夏に向かうわけですから 夏用の帯・帯締め・帯揚げなどを合わせます。

逆に、同じ単衣の着物でも9月の場合は冬用の帯・小物を合わせることになります。

この区切りは暦の上で厳密に決められているわけではありません。
肝心なのは、周りから見て暑苦しく写ったり、寒々しく写ったりしない ように爽やかにきることが重要なんです。

ですから、その日の陽気・気温などによっても左右されます。

この辺りは、洋装の場合でも感覚的には同じです。

ジャケットを羽織らなくなったり、半袖を着るようになるのと同じように 着物と帯・小物のバランスをお客様に習得していただけるようにアドバイスしてください。

その為には、そのバランス感覚を自らが自然に身に付くようにしなければなりません。

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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