ストリートで映える、
サロモンのアウトドアシューズ

サロモンのスニーカーはアウトドアシーンだけではなく、ストリートでも人気が高騰しています。
でも、このブランドの名前は聞いたことがあるけど、実際よく知らないという人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなサロモンについて、掘り下げていきましょう。

サロモンは最近になってからその名を聞く機会が増えたので、アディダスやナイキなどの老舗定番スポーツブランドより、新しいブランドだと思いこんでいる人も多いようです。
しかしそれは間違いで、サロモンの創業は1947年。
1968年創業のナイキよりも、1949年創業のアディダスよりも、実は歴史の長いブランドです。

とはいえサロモンはもともと、ウィンタースポーツのギアをメインに扱うスキー用品専門メーカーでした。
フランソワ・サロモンという人物が、妻のジャンヌ、息子のジョルジュとともに、フランス南東部・サヴォア地方の街アヌシーにて、スキー板の一部品であるエッジを製造する工房を開いたことがブランドの始まりです。

欧米がスキーブームに沸いていた1952年。サロモンは初の自社ブランド商品であるスキービンディング「スケード」をリリースします。
それ以降、フランス屈指のスキー用具メーカーとして、次々と画期的な製品を生み出していきました。

1972年にはスキービンディングで世界のトップシェアブランドとなり、1979年には世界初のリアエントリーブーツを開発。
そして1990年には、現在のスキー界で主流となっている、“モノコック構造（単層のファイバーレイヤーを施したスキー構造。耐久性が高く軽量で、自由自在のコントロール性能に優れる）”を採用したスキーを発表し、ビンディング、ブーツ、スキー板を販売する世界初の総合スキー用品メーカーとなりました。

photo:kcxd/flickr

現在のサロモンは、パフォーマンス性にライフスタイルデザインを加えた「サロモンスニーカーズ」と名付けたラインを展開し、そのスニーカーはアウトドアシーンだけでなく、ストリートでも人気を博しています。

ストリートでの人気は近年になってから突発的に高まったように感じるかもしれませんが、以前からサロモンのデザイン性に注目する動きはありました。
2000年代には、ストリート界を牽引するブランド・シュプリームにセレクトされていたことからも、そのことは伺えます。

また、サロモンのスニーカーが現在のような認知を得る直接のきっかけとなったのは、2015年に発表されたパリのセレクトショップ ・ザ ブロークン アームとのコラボレーションです。
500足限定で製作されたそのコラボスニーカーは大反響を呼び、サロモンに対するストリートからの注目度が爆上がりしたというわけです。

photo:Martin Dvoracek/flickr

それではサロモンのラインナップの中から、特に人気の高いスニーカーの定番ラインを紹介していきましょう。

まずはX ULTRA 360シリーズです。

“アップヒルもダウンヒルもパワフルに”が謳い文句の高性能ハイキングシューズX-ULTRAは、サロモンのスニーカーの中でもベストセラーとして知られるシリーズの一つ。
独自開発シャーシの採用によって、動きやすさを損なわず、傷めやすい関節を保護することに重点が置かれています。

優れた安定性とグリップ力を持つX-ULTRAは、トレイルランニングシューズに引けを取らない俊敏な動きができるハイキングシューズであるとともに、GORE-TEX素材が採用されているので防水性もバッチリ。
アウトドアのあらゆるシチュエーションに対応できる、万能ハイキングシューズとして定評があります。

「X ULTRA 360」は、X-ULTRAシリーズのすべての機能性を持ちつつ、洗練されたデザインが印象的な一足。
ソールはモデルの由来である“アウトドア感”を強調する、凹凸のはっきりしたごつめのデザインで、タウンユースしたときも、トレンドの続くワイドパンツから覗く横顔が様になりそうです。

続いてご紹介したいシリーズがSPEEDCROSS。

その名が示す通り、変化の多い山道でも安定したスピードで走り抜けることを目的に開発された、トレイルランニングシューズのシリーズです。

「SPEEDCROSS 6」はSPEEDCROSSシリーズの最新バージョン。軽量ながらソールのグリップはパワフルで、どんなフィールドでも地面をしっかり捉え、ガンガン走ることができます。
アッパーの泥落ちもスムーズなので、ぬかるんだ場所でも気にせずに突き進むことができるでしょう。

トレランをやらない人が重視するのはデザイン性でしょうが、その点においても「SPEEDCROSS 6」は超優秀。
炎を思わせるようなアグレッシブな外観は、ストリートスタイルにも相性が良さそうです。
特にかかと部分が強調され、前に向かって流れるようなソールのデザインは印象的で、コーディネートの要になってくれそうです。

photo:akunamatata/flickr

次にご紹介したいシリーズがXA PRO 3D。
過酷なアドベンチャーに必要な安定性、耐久性、サポート力などの要素をすべて備えた、サロモンのトレイルランニングシューズの代表作です。
ソールは最適化されたラグパターンと防水メンブレンの採用により、グリップ性能と長時間にわたる足の保護性能は抜群。

シリーズ最新作は「XA PRO 3D V9」で、“V9”とは第9世代という意味です。
このXA PROが非常に息長く、ユーザーから支持され続けているシリーズだということがわかるでしょう。

XA PROシリーズの最初のモデルは2002年に誕生しました。
山、川、海などの自然をフィールドに、オリエンテーリングを伴いながら、トレッキングおよびトレイルランニング、マウンテンバイク、カヤック、ラフティングといった多様な種目をこなしてゴールを目指す、アドベンチャーレース。
そのために開発されたことを、モデル名が物語っています。

2005年にはシリーズ名をXA PRO 3Dと改め、V9はそこから数えて9代目の最新モデルということになります。

XA PRO 3Dには、“3D アドバンスドシャーシ”と呼ばれる、ファイバーガラスで強化されたプラスチック製シャーシが搭載されています。
このシャーシが不要なねじれを抑制しながら、かかとをサポート。モーションコントロールを最適化し、安定的かつ効率的な足運びが行えるようにしてくれます。

アウトドアフィールドでのパフォーマンスを支えるこうしたシステムですが、
トレイルランニングどころかハイキングやキャンプにさえ滅多に行かないという人にもおすすめできます。

最新技術を余すことなく搭載しているフィールド用シューズは、アスファルトばかりの都会の道でも歩きやすさを発揮し、足を保護してくれるからです。
そして何より、この機能美MAXのデザインは、街でもやっぱりとてつもなくかっこよく見えます。

実際、「XA PRO 3D V9」はタウンユースとしても人気を博していて、憧れている人が多いスニーカー。
この機会にぜひ、入手してみてはいかがでしょうか？

photo:Bryan Maleszyk/flickr