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世界のスポーツシーンを席巻するNEW ERA ブランドの歴史と魅力

2021.10.21

世界のスポーツシーンを
席巻するNEW ERA
ブランドの歴史と魅力

<店長>
最近集めていたTシャツを断捨離。30枚ほどなくなってスッキリしました。

<佐藤さん>
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。

ベースボールキャップの
超定番59FIFTYとは

今回のテーマは、NEW ERAでしたよね。

はい。NEW ERAはアメリカのメジャーリーグやNBAの公式キャップをつくるブランドとして有名ですけど、その歴史などについてはあまり知られていないのかなと思いまして。

確かにそうですね。でもその前に、知りたいことがあります。

なんでしょうか?

NEW ERAのキャップは「59FIFTY」とか「9FIFTY」などと型番がつけられていますけど、それぞれどういう特徴があるんですか?

お客さんからもよく聞かれます。現在のNEW ERAには数多くのバリエーションがあって、そのすべてをお伝えすることはできないので、当店で扱っている代表的な型番について解説しますね。

はい、お願いします。

まずはNEW ERAでもっとも有名なモデル、59FIFTYです。「ブルックリンスタイルキャップ」とも呼ばれる、ブランドの代表作です。

NEW ERAといえば、このモデルのイメージが強いです。僕が持っているNEW ERAのキャップもこれ。確か、1950年代から形が変わっていないんですよね。

そうなんです。1954年に誕生した59FIFTYは、今でもベースボールキャップのスタンダードとされていて、職人が22の工程を一つ一つ手作業でおこなっているそうですよ。

手に持ってみるとわかる、重厚感のある作りですよね。

帽体が深く、ツバがフラットなのが特徴です。59FIFTYはリアにアジャスターがないのですが、深くかぶっても浅くかぶっても様になるので、個人個人の頭の形や髪型に合わせてかぶり方を工夫してほしいですね。

59FIFTYはフロントパネルが硬くて、形がしっかりついていますよね。

裏面に芯が貼ってあるのでこのしっかり感が出るんですけど、これも59FIFTY独特のイメージにつながっています。で、ここからは佐藤さんの方が詳しいと思うんですけど、59FIFTYはアメリカのB-BOYが好んでかぶったことから、ストリートでブームになったのでしたよね。

1990年代前半にアメリカ西海岸で大ブレイクした、ギャングスタ系ラッパーの定番アイテムになったんですよ。彼らは59FIFTYのフラットなツバをほとんど曲げず、またツバに貼られたステッカーを剥がさず着用することが多く、そうした使い方がストリートのB-BOYの間で流行しました。

なんでそんなかぶり方をしたんですかね?

B-BOYのファッションに共通するマインドとして、貧しいゲットー出身なのに大金をつかんだ者であるということをアピールする特徴があります。ツバを曲げないのもステッカーを剥がさないのも、「俺はNEW ERAの新品のキャップを買うほど金を持っている」というアピールが発端。それが共通のカルチャーを好む人たちの間でかっこいいものと認められ、みんなこぞって真似したんです。真っ白なスニーカーやノーウォッシュのデニムを好むB-BOYファッションの一環ですね。

N.W.A GREATEST HITS
【ニューウェラ】
【ニューウェラ】
【ニューウェラ】

使う人の好みに合わせた
バリエーションを展開

なるほど、そういうことなんですね。59FIFTYは基本ではありますが、形状がユニークなので好き嫌いは分かれるかもしれません。

約70年前から変わらぬ頑固なデザインですもんね。僕なんかは、このオーセンティックな雰囲気が大好きですが。

そういう方も多いですが、NEW ERAのもう少し現代的なモデルもご紹介したいと思います。9FIFTYは基本的な形やデザインは59FIFTYと同じですが、後ろにアジャスターがついているので、頭の大きさに合わせて調整が可能です。そして9FORTYは帽体が丸みを帯びていて、ツバは初めからカーブがつけられ、やはりアジャスター付きのモデルです。

もっとも普通のベースボールキャップっぽい形は、この9FORTYですね。

そうですね。帽体が深い59FIFTYや9FIFTYはかなり特徴的な外観なので、誰が見てもNEW ERAとわかりますが、9FORTYはNEW ERAらしさが少し薄いかもしれません。

その分、かぶりやすいことはかぶりやすそうですけどね。おしゃれでかぶるなら59FIFTYか9FIFTY、スポーツするときにかぶるなら9FORTYという感じかもしれません。

【ニューウェラ】
【ニューウェラ】
【ニューウェラ】

そのとおりです。あと、39THIRTYというモデルもスポーツ向きです。ストレッチ素材を使用しているので、フィット性が高いモデルなんです。

ロープロファイル 59FIFTYというのは?

59FIFTYをベースにしつつ、帽体を低くし、ツバに微妙なカーブがつけられているのが特徴です。深い帽体はNEW ERAらしくて魅力的なんですが、メガネやサングラスをかけている人はツルと干渉しやすいので、こっちの方がいいかもしれませんね。

僕もメガネをかけているので、こっちの方がいいのかな。もう一つ聞いていいですか。バックハーフ9FIFTYというのは?

これは、NBAの2018-19シーズンで、後半戦に突入したタイミングに合わせてリリースされたシリーズなんです。チームロゴとチーム名を掛け合わせたフロント刺繍が特徴です。

【ニューウェラ】
【ニューウェラ】

なるほど。ニットキャップやマスクもあるんですね。

ええ。ベースボールキャップが苦手な方にはこのニットキャップがおすすめ。マスクもかっこいいですよね。ベースボールキャップはモデルによって、各種ロゴを揃えていますので、好きなチームのものを選ぶ楽しさがあります。

僕のように、これといって応援しているチームがない場合は、好みのロゴデザインのものを選べばいいですし、バリエーションが多いのは嬉しいですね。

ニットキャップ
photo:Jake Miller
【ニューウェラ】
【ニューウェラ】

100年以上続く老舗ブランド
NEW ERAの歴史

ここからは佐藤さんの専門分野、NEW ERAというブランドの歴史を紐解いていただきたいと思います。

はい、お任せください。NEW ERAはなんと100年以上の歴史を持つ老舗なんですよ。創業者はエルハルド・クックというドイツ系移民。彼が姉のローズと元同僚のジョー・アメリアンから 1000 ドルを借りて、自分の帽子会社E.クック・キャップ・カンパニーを設立したのが1920年のことです。

100年前の1000ドルがどのくらいの価値なのかはわかりませんが、借りた大金を注ぎ込んでいきなり会社を作っちゃうとは、大胆ですね。

エルハルドはその前に、ジョン・ミラー・キャップ社という帽子メーカーで働いていて、ジョーはその時の同僚だったのだそうです。経験があったから、ある程度の勝算を持っての起業だったんでしょうね。ニューヨーク州バッファローのジェネシー通りで生産を開始した当初の同社は、ジョー・アメリアン、姉のローズ、それに高校生だった息子のハロルドとローズの息子のウォーリー・ドマスを含む、14人体制だったそうです。でも、創業の年にはすでに60000個のキャップを出荷したそうですから、なかなか鮮やかな起業ですね。

やり手だったんですね。

そして1922年には、社名をニューエラ・キャップに変更します。創業当初からメンズのカジュアルキャップとユニフォーム用キャップを製造していた同社ですが、1934年に初めて、プロ用ベースボールキャップをクリーブランド・インディアンズ(2022シーズンからクリーブランド・ガーディアンズに改名)へ提供します。そこを皮切りに、1940年代以降、供給先の球団を徐々に増やしていったのだそうですよ。

今や、メジャーリーグの全球団がNEW ERAのキャップを採用していますよね。

1974年にはすでに、当時のメジャーリーグ24チーム中20チームが、NEW ERAと契約していたそうです。そして1990年代に入ると、メジャーリーグのオフィシャルサプライヤーとして全チーム(当時は28、現在は30)とその傘下のマイナーリーグ所属全チームのキャップを独占的に製造する権利を与えられ、現在に至っています。

ユニフォーム用キャップ
photo:Erik Drost

2000年代に入ってからも
飛躍的に拡大するNEW ERA

当店ではご紹介したキャップの他に、メジャーリーグとNBL、それにNFL各チームのレプリカユニフォームも扱っています。

すごく幅広いラインナップですよね。アメリカのプロスポーツチームのユニフォームはどれも、ロゴのデザインや色使いがポップで、とてもおしゃれですよね。

はい、スポーツをするときはもちろん、街着としても使えますし、部屋でリラックスするときに着てもおしゃれだと思います。ところで、さっきブランドの歴史をお話しいただいたとき、NEW ERAと野球とのつながりはわかったのですが、バスケットボールやアメリカンフットボールの世界とはいつ頃つながったのですか?

1990年代にメジャーリーグとの独占契約に至ったNEW ERAですが、さらなる飛躍が2000年代に入ってから始まったんです。

ということは、バスケやアメフトとのつながりはそこからということですか?

そうですね。2001年に創業者一族のクリス・クックがCEOに任命されてから、大幅な拡大路線がとられるようになりました。以降、韓国や日本、オーストラリなどの野球リーグに所属するチームに対してもキャップを提供するようになり、さらにアメリカのNHL(ナショナルホッケーリーグ)、NBA(ナショナルバスケットボールリーグ)、オーストラリアのNRL(ナショナルラグビーリーグ)、さらにはオーストラリアのクリケットリーグであるBBL(ビッグバッシュリーグ)などのプロスポーツチームまで、NEW ERAは契約を広げていきます。

まさに破竹の勢い、世界制覇ですね。

まだそれでは足らず、NEW ERAは全米のリトルリーグや、200以上ある大学とも業務提携を結んでいきます。2010年代に入ると、NFLがフィールドで用いるキャップの公式プロバイダーとなり、さらにNLL(ナショナルラクロスリーグ)の公式サプライヤー、また、ヨーロッパのサッカーリーグであるUEFA(ヨーロッパリーグ)の独占帽子プロバイダーの地位まで獲得します。

なんとまあ、貪欲な(笑)。

2015年にはマンチェスターユナイテッドと契約、2018年にはカナディアンフットボールリーグとも……

佐藤さん、佐藤さん。もう結構です、十分わかりました(笑)。

ありがとうございます。止めてくれて(笑)。とにかくすごいんですよ、今のNEW ERAは。1980年代以降にアメリカからはじまった、一般の人がプロスポーツ選手が使っているのと同じもの、あるいは極めて近い作りのレプリカキャップやレプリカユニフォームを着用する文化も、NEW ERAが一役買って広まったトレンドです。そう考えると、NEW ERAが狙うマーケットというのは、とてつもなく巨大だということがわかりますよね。

本当にそうですね。でも、世界中のプロリーグがこぞって契約するということ自体が、NEW ERAの作るアイテムは本物中の本物だということを証明していますよね。

そう思います。

当店でもNEW ERAのキャップやユニフォームはとても人気があります。この機会に、まだお持ちでない方は、ぜひその良さを味わってもらいたいと思っています。今日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。

【ニューウェラ】
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