[1] 4つの大別と製法分類
 靴の製法と特徴を知る。
 靴の製法とは、甲部と底部を接合する『底付けの方法』を指す。
 靴の製法には大別すると四つの方法があり、さらにそれらを組み合わせた 複数のものがあります。
 まずはその四つの方法をご紹介します。


[2] 靴に使われる各製法
 靴の断面図や成型工程図で見てみる。
イタリア製の靴でよく見られる『マッケイ製法』や、イングランド製などの高級靴で使われている『グッドイヤーウエルト製法』
さらに長靴などで使われているプラスチック成型技術を使った靴製法など、図を用いてご紹介いたします。
 ▼ マッケイ式
つり込んだ甲部(アッパー)に表底を仮張りし、その後、靴型を抜き、中底部で甲部と表底とを底縫機でロックステッチ縫いにして仕上げる製法。イタリアでは代表的な製法となっており、良質な革との組み合わせで、高級紳士靴、婦人靴に用いられる。
 ▼ グッドイヤーウエルト式
中底の突起したリブに、靴型に釣り込んだ甲部周辺とウエルトをすくい縫機で縫い付ける。次に、表底をつけて、ウエルトと表底の周辺とをロックステッチ縫い。堅牢で安定感ある製法。本底が多少厚めの重厚なつくりが特徴である。
 ▼ ステッチダウン式

甲部(アッパー)周辺を靴型の底面に外側に釣り込み、甲部周辺と底部周辺をロックステッチ縫合する製法。
コバとも呼ばれる細革(ウエルト)の面を削ったタイプ【図:ステッチダウン- 曚函◆聞檀堯縫▲奪僉爾鮹翊譴
巻き込んだタイプ【図:ステッチダウン-◆曚裡下鑪爐ある。

 ▼ セメント式
つり込みの終わった甲部(アッパー)の底面と本底の接合面全体に接着剤を塗布し、乾燥後に貼り合わせ、圧着機で底付けをする製法。この製靴技術は広い分野で使用されている。
 ▼ カリフォルニア式
甲革(アッパー)と中底周辺とプラットフォーム巻き革を一緒に縫い合わせ、靴型を挿入し、プラットフォームと中底をセットにして巻き革と共に底付けをする製法。
 ▼ ダイレクト・バルカナイズ式
JISでは『直接加硫圧着式製法』と呼んでいる。
甲部周辺を靴型(ラスト)につけた中底につりこみ、加硫圧着機に装着した後、未加硫ゴムを挿入し、
熱と圧力をかけ、加熱加圧成型しながら底部を成形する製法。アッパーとの接合部に隙間がなく、
高い密閉性があるので底からの水の侵入はほとんどない作りとなっている。
 ▼ インジェクション式
JISでは『射出成型式』と呼び分類されている製法。
バルカナイズ式と同様、モールドの組み合わせによってできる本底型の空洞部へ、外部から装着された
射出機に、合成樹脂などの原材料を注入し、本底を成型するのと同時にアッパーへの接着を行う製法。
バルカナイズ式と同様に、アッパーとの接合部に隙間がなく、高い密閉性があるので底からの水の侵入
がほとんどない。『底付けタイプ』と『一体型タイプ』がある。
【加熱方法】 ・ヒーター式(モールドの周りを、電熱、ヒーターで加熱する方法)
         ・オイル・バス式(高温の油の浴槽オイル・バスの中にモールドを漬けて加熱する方法)
 ▼ スラッシュ式
インジェクション式と同様、プラスチック成型技術を使った靴製法。
靴の外観を写し取った靴型モールドによって甲部と底部を一体成型することにより極めて防水性の高いブーツや
シューズをつくることができる。現在では国内の生産はほとんどなくなってしまっていて輸入商品が主となっている。
継ぎ目や縫い目がなく靴型モールドによっては、ステッチや他素材の表面的な表現など高い技術を見せる。
【 加硫式 】・・・ 【非加硫式】・・・
表甲材と裏布材を張り合わせたアッパーとゴム底、その他の部品を靴型につり込み、底付け。最終工程で靴型を挿入したまま加硫釜で仕上げ成型を行う方式。『底付けタイプ』と『総ゴムタイプ』がある。 モールド底などの部品として加硫を済ませた部材や、加硫を要しないウレタンなどスポンジ系の底材をアッパーに接着剤で底付けして仕上げるものでセメント式製法のひとつである。
 ▼ 手作り式
1850年代に生産が始まった製法。100年以上前に製法が確立された、この手作り式は、スニーカーや
スポーツシューズ、ゴム長靴などの生産に用いられ、『ハンドメイキング式』『セメントアッセンブリー式』とも呼ばれる。
本底などをゴム糊により接着し組み立てるもので、基本的にはセメント式に属する。
手作り式の加工法には『加硫式』と『非加硫式』の2つの方法がある。

加硫式の参考見本としては【スペリートップサイダー】デッキシューズ、【ケッズ】チャンピオンオックスフォードスニーカーなどが
あり、非加硫式では【アディダス】の代表的モデルのスニーカーなどが挙げられハードでがっちりした作りが特徴である。
 
『製甲』 と 『製法』 は区分される。
革など甲材料を「裁断、縁折り、縫い合わせ」などの工程でアッパーを
製作することを 『製甲』 といい、『製法』 とは区分されて使われます。

[3] 靴の構造と各部の名称
 主要な構造と部位



 

『靴の主要部分』の名称


【アッパー】
甲革全体を指し、表甲とこれを補強するライニングからできている。

【インソール】
一般的には中敷(なかじき)と呼ばれる、靴の中に貼られた敷き革。

【アウトソール】
本底のことを指す。靴の底に取り付けられる保護部品。

【トゥスプリング】
靴の爪先部の反り上がりのこと「爪先上がり」ともいう。

【トップライン】
靴の履き口の縁のこと「トップエッジ」ともいう。

【ライニング】
革や合成皮革、布素材でつくられる『靴の裏地』のこと。

【トップリフト】
ヒール本体を護る目的でつけられる先端部に取り付けられる素材のこと。

【ウエルト】
靴の甲革と底革の間に入れる細革のこと。紳士靴などに特に多く使われる。

【コバ】
ウエルトのない、靴の内側ふまずから爪先を通り、外側ふまずまでの本底縁のこと。

【スロート】
アッパー爪先革と腰革の間、上端中央部。パンプスの場合は前部先端中央部を指す。

【ヒール】
かかと部に取り付けられる支えのこと。高さ、形など種類が多い。

【ヒールベース】
ヒール本体のこと。かかと部(ヒール)のメインとなる大きな部品。

【アイレット】
靴紐を通す穴のこと。「はとめ」ともいい、紐のすべりを良くする機能を持つ。

【シューレース】
靴紐のこと。靴の代表的な調整具、留め具で足を固定させる紐。

【タン】
ベロともいう。紳士靴などの紐靴についている革片、ゴミ、砂よけのこと。



 
【靴の製法と構造】のまとめ
● 靴は『糸で縫いつける製法』 『のりで貼り付ける製法』 『縫着+のりを用いる製法』
『一体成型する製法』 の4つに大別される。

● 靴の製法とは、甲部と底部を接合する『底付けの方法』を指す。

● 革など甲材料を「裁断、縁折り、縫い合わせ」などの工程でアッパーを
製作することを『製甲』といい、『製法』とは区分されて使われる。

● 靴は大きく分けて甲部(アッパー)と底部(ボトム)の2つの部分で構成される。
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