冠婚葬祭とは、古くから伝わる四つの儀式のことをさします。それぞれの文字は、冠→人生の節目節目の祝い事、婚→婚礼のお祝い、葬→親族や知人が亡くなった時のお悔やみ、祭→正月や節分などの年中行事のお祝いのことを意味します。
このコーナーでは冠婚葬祭の贈り物のマナー、場面ごとの熨斗(のし)の選び方と書き方や金額の目安、お通夜や葬儀の際の香典袋の書き方などをご説明いたします。
結婚祝いを贈るとき
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【結婚祝】
- のし
- お祝結切り(10本)
- のし上
- 寿、御祝、御結婚御祝
- のし下
- 贈り主の氏名
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- 贈答金額の目安
- 5,000円〜20,000円
- 贈り物のタイミング
- 挙式直前のあわただしさを配慮して1週間前までに贈りましょう。遅れた場合は新婚旅行からの帰宅後に贈りましょう。
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結婚祝のマナー
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結婚祝いは新生活に役立つということで食器やキッチン用品、電化製品が中心になります。二人の趣味やライフスタイルを考えて贈りましょう。
最近人気のティファールの鍋など、なかなか自分では買う機会のないキッチン用品も喜ばれます。品選びに迷った場合はあまり趣味性の強いものは避けて、普段使っているものでこれはお勧めできるなど、自分が納得できる品物を贈るのがよいでしょう。
親しい友人の場合は新郎新婦側で希望の品物などのリストを作っていることもあるので、あらかじめ予算を伝え欲しいものを聞いておくと、相手の望みに合った品を贈ることができます。
結婚内祝いをお返しするとき
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【結婚内祝】
- のし
- お祝結切り(10本)
- のし上
- 結婚内祝
- のし下
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1行目:旦那様の氏名
2行目:奥様の名前
3行目:(旧姓 奥様の旧姓)
※旧姓は記載したい場合のみ
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- 贈答金額の目安
- 頂いた金額の1/3〜1/2程度
- 贈り物のタイミング
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一般的に披露宴当日にお返しします。
披露宴に出席しなかった人からお祝をいただいた場合には、挙式後一ヶ月以内にするとよいでしょう。
直接渡せなくてギフトショップなどから配達してもらう場合は、メッセージカードを添えて感謝の気持ちを伝えましょう。
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結婚内祝のマナー
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披露宴に招待した人には「寿」として引き出物をお返しします。
又、お祝いをいただいたけれど披露宴に招待できなかった方や先方の事情で出席できなかった方には「寿」や「内祝」として後日贈ります。
費用はいただいたお祝いの1/3〜1/2程度というのが一般的ですが、一律にお返しをしても構いません。
お返しはブランド食器、和洋食器が人気です。
今では、招待者の荷物にならないカタログ式ギフトも人気があります。紅白餅や赤飯、お菓子類を添える方もいらっしゃいます。
かつおぶしやおめでたい紅白の品をお返しします。
結婚関連の贈り物のタブー
- ・包丁やはさみなどの刃物
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「(縁を)切る」を連想させる刃物はタブーです。
ただし、新生活に必要なものでもあるので、相手から要望があった場合であれば贈っても構いません。
- ・鏡や陶磁器、ガラスなどの割れ物
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「割れる・壊れる」を連想させるため、古くから割れ物は縁起が悪いとされています。
しかし、最近では食器は実用的で人気の高い贈り物ですので、相手が気にしない人であれば、贈っても問題はないでしょう。
- ・偶数のもの
- 浮気を連想させます。ただし、ペアやダースのものであれば問題ありません。
出産祝いを贈るとき
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【出産祝】
- のし
- お祝蝶結び
- のし上
- 御出産祝、御祝
- のし下
- 贈り主の氏名
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- 贈答金額の目安
- 5,000〜10,000円
- 贈り物のタイミング
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退院してすぐは体調が思わしくない場合が多いので、肉親やごく親しい人以外は避けましよう。
時期は生後7〜30日までの間で前もって連絡をしてから訪問するようにし、赤ちゃんや家族が疲れないよう、長居をしない配慮も必要です。
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出産祝のマナー
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出産のお祝いに、タオルや寝具はこれからたくさん使うので喜ばれる品No.1です。
この場合お祝いにふさわしいブランド物や質の高いものにキャラクターもののハーフケットやバスタオルセットが人気です。
又これからの為にキャラクターの食器も喜ばれています。かわいい赤ちゃんの写真をいっぱい入れるフォトフレームや木製おもちゃも人気です。
また親しい友人の間柄なら赤ちゃんだけではなく、頑張ったお母さんへお祝いしてもいいですね。
出産内祝いをお返しするとき
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【出産内祝】
- のし
- お祝蝶結び
- のし上
- 出産内祝
- のし下
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1行目:ふりがな
2行目:赤ちゃんの名前
※名前がひらがなの場合は1行目のみ
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贈答金額の目安
- 頂いた金額の1/3〜1/2程度
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贈り物のタイミング
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お返しの時期は、生後1ヶ月前後のお宮参りの頃を目安にすると良いでしょう。
内祝いは赤ちゃんのお披露目の意味もあるので、メッセージカードや名前を書き添えた赤ちゃんの写真も同封してみては?
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出産内祝のマナー
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赤ちゃんが生まれた喜びやお祝いをいただいた感謝の気持ちが伝わるように、又内祝ののしの表書きは赤ちゃんの名前を知ってもらう意味でも、明るくてきれいな色で受け取った人の気持ちも温かくなるようなものをお返しします。
キャラクターのタオル、キャラクターの砂糖やお菓子、キャラクターの食器などが人気です。金額の目安は、いただいた額の1/3〜1/2程度が一般的です。
また子どもの写真や名前を添えた記念になるものを贈るケースも多いようです。もし職場などグループでいただいた場合は、お菓子やコーヒー・お茶など全員に行き渡るものがよいでしょう。
最近は赤ちゃんの名前を入れた品物を返す方が増えています。
入学祝いを贈るとき
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【入学祝い】
- のし
- お祝蝶結び
- のし上
- 御中元、暑中御見舞、残暑御見舞
- のし下
- 贈り主の氏名
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- 贈答金額の目安
- 入学祝いの予算
- 贈り物のタイミング
- 入学祝いの時期
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入学祝いのマナー
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入学祝いの説明文入学祝いの説明文入学祝いの説明文入学祝いの説明文入学祝いの説明文入学祝いの説明文入学祝いの説明文
入学祝いの説明文
入学祝いの説明文
新築祝いを贈るとき
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【新築祝い】
- のし
- お祝蝶結び(5本)
- のし上
- 御新築祝、御祝、祝御新居(マンション購入の場合)
- のし下
- 贈り主氏名
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- 贈答金額の目安
- 10,000〜30,000円
- 贈り物のタイミング
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新築披露の前日までに贈りますが、親しい間柄で品選びに迷ったら当日は手みやげ程度のものを持参して半月後くらいまでに新居に合ったものを贈ってもいいでしょう。
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- 新築祝いのマナー
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お祝い品を選ぶときは新居との調和を考慮し、時計、絵画、花瓶、置物、傘立てなど新居に飾るものを贈ります。
タオル、寝装品、バスマットなどの実用品もふさわしい品です。先方の好みに合うように希望の品を尋ねてもいいでしょう。
品が重複することもなくなりますので。
新築祝いのタブー
- ・ライターや灰皿など、火を連想させるもの
- 火事につながるという意味から、火を連想させる品物は避けましょう。また、赤い色も火を連想させるため、避けたほうが無難です。
- ・雰囲気の合わない大きなインテリア
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タブーというよりは、避けた方がよいものです。
置き場所や、新居でそろえているインテリアとの調和もありますので、避けた方が無難です。
母の日・父の日の祝いを贈るとき
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【母の日・父の日】
- のし
- お祝蝶結び(5本)
- のし上
- 感謝、ありがとうお父さん、ありがとうお母さん
- のし下
- 贈り主氏名
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- 贈答金額の目安
- お子様の年齢に応じて。
- プレゼントを贈るタイミング
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6月第3日曜日が父の日、5月第2日曜日が母の日です。記念日は家族みんなでお祝いしましょう。
お食事会の席などで贈るのがベストです。「ありがとう」と感謝の気持ちと「これからも健康でね」との願いを込めて贈りましょう。
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- 母の日・父の日贈り物のマナー
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女性はどんな花束でも贈られると嬉しいものですが、カーネーション以外にもお母さんの好きなブランド食器を贈ってみてはいかがでしょう。その他アクセサリーなど身に付けるものもおすすめです。
父の日の定番はお酒、今人気の焼酎サーバーや酒器セットを贈ってみては。
いつまでも健康にと願いを込めて低周波治療器や体重体組成計や血圧計なども喜ばれます。
母の日はカーネーションですが父の日は薔薇。これも父親の墓前に白い薔薇を供えたからとされています。
アメリカで母の日が1908年から始まり父の日がないのかおかしいと翌1909に嘆願したのがきっかけのようです。
母の日はカーネーションを贈りますが最近では薔薇やガーベラを贈る方も多いようです。
初めはフィラデルフィアの協会で、亡き母を追悼したいことから白いカーネーションを配ったのが由来のようです。
ご両親が健在なうちに毎年、感謝を込めてプレゼントしたいものです。
長寿の祝いを贈るとき
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【長寿の祝い】
- のし
- お祝蝶結び(5本)
- のし上
- 寿、祝還暦、寿福、御祝
- のし下
- 贈り主氏名または「子供一同」「孫一同」のように、まとめてお祝いを贈ると、いっそう気持ちが伝わって喜ばれます。
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- 贈答金額の目安
- 10,000〜30,000円
- 贈り物のタイミング
- 長寿のお祝いは、本人の誕生日かその前後の休日または敬老の日にお祝いの席を設け、その場で贈ります。
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- 長寿の祝いのマナー
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長寿のお祝いは数え年61歳の還暦から始まります。
還暦のお祝いは60歳で60種類の十千十二支が一回りして、61歳で生まれた自分の干支にもどることから「赤子に還る」にちなんで、赤をあしらった若向きのシャツやセーター、ベストなどを贈ります。
古稀以降は本人の生き方や趣味にふさわしく記念になるもの、高級陶磁器、酒器セットや掛軸、額などのインテリア用品の他、趣味に合わせて贈ると喜ばれるでしょう。
長寿の御祝(数え年)
還暦 61歳、古稀 70歳、喜寿 77歳、傘寿 80歳、米寿 88歳、卒寿 90歳、白寿 99歳、紀寿・百賀 100歳
百一賀 101歳、茶寿 108歳、珍寿 110歳、皇寿 111歳、大還暦 120歳
お中元を贈るとき
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【お中元】
- のし
- お祝蝶結び
- のし上
- 御中元、暑中御見舞、残暑御見舞
- のし下
- 贈り主の氏名
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- 贈答金額の目安
- 3,000〜5,000円
- お中元を贈る時期
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6月下旬から7月15日頃までが「御中元」それ以降は「暑中御見舞」となり、立秋をすぎると「残暑御見舞」が一般的です。(地方によっては多少、期間にズレがあることもあります)。
当方又は先方が喪中の場合でも、お中元を贈ることに差し支えはないが、忌中(忌明け祭前)の場合や気になる場合は、時期をずらして暑中見舞い(立秋まで)や残暑見舞い(立秋以降)の形で贈るのも良いでしょう。
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- お中元のマナー
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何を贈るかは先方の家族構成や年齢、人数などを考えて喜ばれるものにします。
家族の多い家庭には調味料など、もし相手に喜んでいただいている贈り物なら毎年同じ物を贈るのもひとつの手です。
最近は地元の特産品が人気です。
お歳暮を贈るとき
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【お歳暮】
- のし
- お祝蝶結び
- のし上
- お歳暮、御歳暮
- のし下
- 贈り主の氏名
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- 贈答金額の目安
- 3,000〜5,000円
- お歳暮を贈る時期
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11月下旬より12月25日頃まで。お歳暮が年内に届けられない場合は「御年賀」として、お年賀で贈れない場合には「寒中御見舞」として松の内(一般的には1月7日、地方によって違う場合もあり)が過ぎてから立春(2月4日頃)までの間に贈ります。
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- お歳暮のマナー
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11月下旬より12月25日頃まで。お歳暮が年内に届けられない場合は「御年賀」として、お年賀で贈れない場合には「寒中御見舞」として松の内(一般的には1月7日、地方によって違う場合もあり)が過ぎてから立春(2月4日頃)までの間に贈ります。
快気祝いを贈るとき
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【快気祝い】
- のし
- お祝結切り(5本)
- のし上
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内祝、退院祝、御見舞御礼
※快気内祝いを快気祝と短縮して書く場合が多いです。全快しない場合は、退院祝、御見舞御礼と書きます。
- のし下
- 贈り主の氏名
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- 贈答金額の目安
- 頂いた金額の1/2程度
- お返しのタイミング
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退院や床上げ、社会復帰した10日以内に、お見舞いをいただいたり、お世話になった人に快気祝いとしてお返しします。
お見舞いに対する感謝の気持ちと近況報告の手紙を添えて贈りましょう。
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- 快気祝いのマナー
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お返しする額は頂いた額の半額程度のもので実用品や、いくつあっても困らない消耗品などを贈るといいでしょう。
“病気が残らない”“洗い流す”という意味から洗剤のセットや石けんのセットなどがよくつかわれます。
又調味料などの食品や入浴剤、タオルなど、使ったり食べたりして後に 残らない ものがよいでしょう。
香典返しを贈るとき
- 香典・香典返しの本来の意味
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香典・香典返し 香典は本来は香華〈香と花〉を手向けるところを現金に代えたもので、もともと仏式で使う用語です。キリスト教式葬儀では御花料、ミサ料、神式では香は使わないので、玉串料、御榊料という名目で贈ります。香典返しは「半返し」と言われ、いただいた香典の半額程度の品を返すものとされてきました。しかし地域差もあるのでその地域の慣習に従うようにしましょう。
法要の際には法要の出席者にお供物料のお返しとして引出物を渡します。金額は一般的に「半返し」とし、いただいた半額の金額の品物を選んでお返しします。お品選びのコツは実用性を重視することです。使ったり、食べたりしてなくなってしまう物が一般的によく使われます。調味料のセットや海苔、缶詰のセット、石けん、洗剤のセットも人気があります。季節のタオルや寝装品を贈るのもいいでしょう。最近ではカタログ式ギフトを贈る方も増えています。また、職場やグループなどの団体の方からいただいた時は、みんなで分けられ、しかも全員にわたるようコーヒーや菓子を選ぶとよいでしょう。
- 四十九日について
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忌日の終わりとして法要の中でも最も盛大に行います。この日は故人に最後の審判が下され、あの世での運命が決まる重要な日です。それまで故人は生死の境目、いわゆる三途の川を渡っている最中でしたが、渡り終わって無事に仏になるのが四十九日なのです。実際、四十九日の法要は近親者や友人などが出席しやすいように四十九日前の土・日曜に行う事が多いようです。この日は近親者や縁者を招いて納骨式を行い、白木の位牌をお寺へ返して塗りの本位牌を仏壇に納めます。僧侶や埋骨式に立ち会った人には精進料理などでもてなします。
法事の引き出物をお渡しするとき
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【法事の引き出物】
- のし
- 黒白結切り
- のし上
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一般的:志
仏式:粗供養
神式:偲草
キリスト教:志
- のし下
- 喪家の姓
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- 贈答金額の目安
- 2,000円〜5,000円程度
- 法事を行う時期
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仏教
一般的には7日ごとに読経してもらい、四十九日に忌明けの法事(法要)を行います。その後、亡くなった年を1年とし、三と、七の年に、年忌法要として、行います。(一周忌、三回忌、七回忌など)。
神式
神式では、仏式の法要に当たるものを「霊祭」といいます。故人の死亡した日からかぞえて10日ごとに「十日祭」を行います。死亡後50日目で忌明けとなり、「五十日祭」を行います。
キリスト教
一周年目に盛大なミサを行い、区切りの良い年に召天記年ミサを行います。プロテスタントは亡くなってから1ヶ月後を召天記念日として記念式を行い、数年間は1年ごとの命日に 記念式を行います。
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- 法事ってなに?
- 法事(法要)とは、故人の冥福を祈る行事です。もともとは仏教行事一般の事を意味しました。宗教によって、それぞれ異なります。
- 法事の引き出物ってなに?
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法事の引き出物は、出席していただいた方全員に、感謝の気持ちをこめて配る品物です。会場で手渡しします。 また、出席をすることができなかった方でも、個人を偲んでくださった方々へは、お礼としての品物を贈ります。
地方のしきたりなども踏まえて、心ある贈り物を贈りましょう。
- 法事の引き出物あれこれ
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品物は、いくらあっても困らない実用品が好評です。会場から持参して持って帰るケースが多いので、かさばったり、重かったりするようなものは避けるようにします。カタログギフトなどのコンパクトなものが喜ばれます。