おもてなし料理|染付:5寸独楽文皿・植山昌昭

軽快なおもてなしの料理 五月

 今年はいつまでも寒い春でしたが、やっとすがすがしい五月が参りました。どなたもが被災地の方々のことを思わない日はないでしょうし、「何か出来ることはないか」と思わずにはいられないのですけれど、わたしたち関西人たちは無事だったことを感謝しつつ、懸命に元気に仕事をして国家レベルの支援にご協力する以外にはないのではないでしょうか。

 そんなこんなお話をしながらちょっとしたお料理をつくってお集まりをしてみます。

 洋食器に和食を盛るよりも和食器に洋食を盛る方が落ち着きます、とおっしゃる方が多いのですが、正にそうだと思います。この取り合わせはどちらかというと純和食ともいえるものですが、イタリア料理風のものを盛っても違和感はないと思います。

 お椀にはグリーンピースのスープ。蓋にスプーンを置いていただくのも安心感があるかと思います。この椀はインターネットではお初お目見えですが、高台が少し高く糸目がついていて持ちやすく御好評をいただいているものです。色はいつもの奥田志郎さんの美しい本朱です。

 鰹のカルパッチョはオリーブ油が決め手で、ガリガリ岩塩を少しかけてつぶマスタードで召し上がってほしいものです。このお皿は少量しか盛れない様に見えますが、かなりたくさん入ります。山本芳伸さんの昨年の作品ですが、見映えのする初夏らしいものです。

 青もみじの鉢は京焼で、ぜいたくなものですがトマトの赤が映えてイタリアンサラダがより美しく見えます。

 取り皿はきっぱりと染付、同心円の文様の五寸皿で少し深めのものです。ナイフフォークでもお箸でも自由におたのしみになれる取り合せかなと思います。

工芸店ようび 店主 真木
京焼:青もみじ大鉢・伏原博之