長森慶
長森慶さん。
ようびの主力の作家さんのお一人です。
「こんなものを作って下さい。」とお願いすると「やってみます」と大変素直に云って下さるのですけれど、御自分が納得しないことにはお仕事が進みません。何度も試行錯誤をくり返し、幾種類かのお見本をつくって見せて下さり、ようびも安心してお願い出来る、真面目で誠実なお仕事をしていただいている方です。
彼は宇治の朝日焼で長年御修行の後独立。その頃からようびのものを作って下さるようになり、今に至っております。
御縁を得て早二十年は越えてしまいました。器用にものを作って下さるというタイプではなく、迷いながら懸命に、それでいてしっかり信念をお持ちの魅力的な作家なのです。
工芸店ようび 店主 真木
長い間ようびの物たちを懸命に造って下さっていた長森慶さんが、今年の一月に亡くなられてしまいました。ご病気のことも何もお聞きしていませんでしたので驚きました。ようびの主要な作家としてお付き合い下さったことへの御礼も申上げないままの急なお別れでございました。
長森さんの作品を愛して下さいましたお客様方に、心からの御礼を申上げます。
彼の作品の中からようびがオリジナルとしてご注文させていただいてた物を、他の作家さん達にお願いする事にいたしました。少し雰囲気は変わると思いますが、長森さんにお願いしていたものを継いで行っていただきます。
よろしくお引立賜ります様、願い上げます。
工芸店ようび 店主 真木
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長森慶さんの「白磁」と「粉引」の汲出を並べてみました。さて、どちらがどちらでしょうか^^ |
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長森慶さんの白磁
白化粧の焼物は以前から悩みの種と申しますか、どの様に下の土と白土の収縮率を合わせようとしても剥がれてしまう運命にあります。古い朝鮮半島の粉引(粉青沙器)も偶然美しく残っているものもありますが、大方はどこか剥がれてあわれな状態のものが多いのです。
しかしそれはそれなりの美しさを認め「雨漏」などと名付けて愛でて来ました。けれどもこれを日常使いにするとすればいろいろな支障が起こりせっかくの美しい肌合いも欠けてしまっては・・・。
さまざま考えました結果、長森慶さんが粉引と同じ肌合いのものを造り出して下さいました。古くなるともっとよい風合いになることを信じてお手許に送り出します。
工芸店ようび 店主 真木
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