漆器・輪島塗:黒塗光悦盆・奥田志郎:和食器の愉しみ工芸店ようび

光悦盆

 兄 野田行作が自分で彫ってつくりました光悦盆の写しを誰方かにお願いしようとしましたが、彫っていただく方がなく、この彫刻的な感じを残しつつ何かよい方法はないかと思っておりました時、京都の三角屋さんという工務店の方にこの剥ぎ板を見せていただきました。

 剥ぎ板は木材を楔(くさび)で割って板にする方法で、樹齢が永く木目が細かくてよい木であればあるほど剥ぎ板が作りやすく、よいものが出来るのだと聞きました。曲げ輪っぱの材料や折箱など、少し前まではそれほど珍しいものではなかったのですが、今は殆んどその姿を消してしまいました。

 三角屋さんは古い材木を使ったり、この様な特別な技術の必要な板などを自分の工場で作ったりして建物に活かしていらっしゃる稀有な工務店さんです。剥ぎ板をお願いして光悦盆の形に縁をつけていただき、奥田志郎さんに塗っていただき何とか雰囲気が出せたのではないかと思います。

 八寸、口取用に、また菓子皿としても(生菓子と干菓子を一緒に乗せるなど)お使いいただけると思います。

 月兎の土器風豆皿とお月さまの錫の箸置きでお月見気分を味わっていただきます。白磁の耳盃は今回は盃として使いましたが、小付としてもよい寸法です。井戸の土の片口はお酒を吸いますと美しい柿色になって参りまして、たのしんでいただけると思います。

工芸店ようび 店主 真木
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