粉引・白化粧の作品への想い|和食器、季節のコーディネイト

粉引大徳利・小林東五

粉引・白化粧の作品への想い

粉引大徳利

 この大徳利は小林東五師の対馬に開窯なさって二、三年経た頃の作品で、使い始めて四十年を越しました。お酒を入れた後、しっかり水洗いして乾かし、水を張ってしばらく置き又乾燥させてを繰り返し、お酒の匂いが残らない様になってから食器棚に戻す。そうしている内にこんな李朝かと思われるような風合いになりました。器を育てるということはこんなことかと思います。その間の大変で面倒な作業をたのしんでしまわない限り不可能なこと、湯呑やお鉢などは徳利ほど面倒はなくても少なからずこんな作業は必要です。

 口の白土が少し剥sがれているのも、ヒビの入ったところから白土が釉ごと剥げ落ちているのも、気にならないどころか美しいと思えるのは私が日本人の感覚だからかもしれません。この頃の韓国のお人や中国の方、他の外国の方(一部の方を除いて)はひょっとするとこんなものは割れものと思われるかもしれません。謂わば日本人独得の感性なのかもしれません。作者たちはその狭間で揺れながら、この魅力にとりつかれているのです。

 美しいものの価値って何なのでしょうか・・・。

工芸店ようび 店主 真木
粉引大徳利・小林東五
粉引大徳利・小林東五
粉引大徳利・小林東五
 
 
粉引大徳利・小林東五
鉄絵粉引大鉢

 この大鉢も使用し始めて三十年を越しました。ずい分いろいろのものを盛りました。

 煮合わせや和え物、サラダや水物、ゼリー寄せのもの、おそうめん、漬物、湯豆腐、冷や奴等、大きい上に深くてたくさん盛れ、盛った時の姿がよいので、大勢のお客様の時は特に重宝いたします。

 やはり15分位は水を入れておき、きれいに拭き上げて盛ります。それでも内側は少しシミになって茶色い部分がだんだん増えて参りました。幸いひびや雨漏りのようなものはなく、渕もカケはありませんが、刷毛目の間からのぞいて見える土の色がどんどん美しくなってきています。

 これも白化粧のものを使うたのしみというものでしょう。

工芸店ようび 店主 真木
粉引大徳利・小林東五
粉引大徳利・小林東五
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