五月に入ると日がぐうんと永くなったような気がします。寒くもなく暑くもなくちょうどいい季節で、永くなった夕暮れを楽しみます。庭におりての夕食もうれしく、夕さりの茶事もよいものです。
向付 かつお角造り
大根 きざみしそ わさび 醤油
(白釉三方中鉢・白磁輪花楕円小皿)
椀盛 清し仕立 鱧葛たたき
管牛蒡 つる菜 柚子
(藤箔絵蓋付椀)
盛肴 小茄子田楽
車海老旨煮
千石豆旨煮
いかうに焼
芽芋ごまあえ
(備前タタキ角皿)
ご飯 水鳥ご飯
奈良漬
(刷毛目袴腰皿)
(呉須徳利・南天蒔絵朱盃)
(青漆縁朱長手盆)
向付
お江戸の初かつおですが、最近は漁業の発達で二月ごろに初セリが開かれるようです。
椀盛
鱧の葛たたきです。この鱧の葛たたきが、私どもの東京赤坂店の名物料理となり、夏のお客様はこれを目当てにお見えいただきますので、献立からはずせなくなりました。
盛肴
盛肴の備前の皿は使う前に水につけておき、ぬれていて水気がない状態で盛りつけるのが理想的です。そのためには乾いた布ではなく、よくしぼった布巾で水分を取ります。