【 MA-1 】は米軍航空パイロットの防寒着として端を発した
「フライトジャケット」のうち【 B-15 】の後継モデルであり、
第二次世界大戦以降のパイロットたちが着用したロングランモデルである。
そもそもの「フライトジャケット」は 戦闘機パイロットやそのクルーといった
空を戦場とする花形のための特別なジャケットであり、
兵士たちがそのジャケットを着る憧れをもつように見目良いデザインが追求された。
もちろん見た目の美しさ・派手さだけではなく、
馬革・牡牛革・羊革・山羊革など、高価で希少なレザーが惜しみなく使用されるなど、
パイロットを守るための保温や防寒にも優れた実用性に富んでおり、
米軍が指定する厳密な規格に沿って高品位に作られた。
まさに選び抜かれたジャケットである。
しかし、兵器の技術革新もめまぐるしい第二次世界大戦を期に、
フライトジャケットへの需要も変化した。
戦闘機による戦略が重要視され、
大量の航空兵を養成する必要がでてくると、
高価で希少な素材を使用するレザージャケットではコストがかさむため、
安価で大量生産できるコットンを使用したジャケットに遷移する。
第二次世界大戦後に航空主力兵器となったジェット戦闘機においては、
従来のプロペラ機よりもさらに高高度を高速航行するために、
氷点下の過酷な気候でジャケットの皮革が硬く凍ってしまい、
操縦を妨げるものとなってしまった。
また、技術が進むごとに精密機器が詰め込まれる狭いコックピットでも、
厚みがあり装飾の多いデザインでは計器にひっかかるなど、
さらにパイロットの動きを制限することになる。
これによりフライトジャケットは、
新たに極限までフラットに簡略化されたデザインと、
ナイロンなど合成繊維による軽く安価な新素材によって、
合理的な強化がなされてきた。
これが【 MA-1 】のうまれた開発背景であり、
色もミッドナイト・ブルーからセージ・グリーンになるなどのマイナーチェンジを経て、
やがてそのミニマリズムに特化したデザインが米軍における定番デザインとなり、
現在の【 CWU-45P 】や【 CWU-36P 】へ引き継がれていくのである。
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