神棚とは?神棚の選び方 お祀りの前に事前確認 神棚とはお社(お宮)とそれを乗せる棚の両方を含んだ名称です。 棚そのものを神棚と呼ばず「棚板」という名称が使われます。 棚板を使わずに設置しても問題ありません。 神棚を選ぶ際、重要となるのは大きさです。 設置する場所には、お供えや榊立などの神具を乗せるスペースも必要です。 棚板を設置する場合は、壁面の強度に注意してしっかりと取り付けます。 神棚は部屋の広さに応じて違和感のない大きさを、好みの感覚で選びます。 大きすぎず、出っ張りすぎないよう家具やインテリアとのバランスも考慮します。 お社には伊勢神宮のお神札(ふだ)、氏神神社のお神札、自身が信仰したり普段参拝する神社のお神札など、一枚から複数枚を収めます。 そのため収めようとするお神札が入るのか、お社の内寸の大きさを購入前に確認しておく必要があります。 お神札の収め方は、お社の形状によって様々な構造があります。 正面の扉から入れる以外にも、背面の板を外したり、屋根を外したり、底面の溝から差し入れたりする構造もあります。 お社のデザインや形状、使われている木の材質については、見た目の好みと予算などから選びます。 細部の作りや構造の複雑さ、木の材質によって製品価格は変わります。棚板も同様に、様々な製品が存在します。
神棚のお祀り / 設置の仕方 お祀りの準備に必要な確認項目 ■ 設置に適している場所 ・落ちないよう安全に設置できる ・拝礼(お参り)しやすい ・明るく、清潔な場所 ・目線より高い位置に設置できる 天井や壁面に棚板を設置してお社を祀ります。 棚板が設置できない場合は、本棚や書庫キャビネットなどの上にお社を置いても問題ありません。 その場合は下に清潔な半紙や木の板を置くのがおすすめです。 壁にフック掛けできるタイプの神棚もあります。 ご家庭内ではリビングなどの人が集まる場所を選びます。 会社や工場、店舗の場合も同様です。 神棚に収めるお神札は神様の分霊と考えられるので、明るく清潔な場所が必要です。 また、神様を見下げることのないよう、 目線より高い場所に設置することも基本となっています。 ■ 設置に向いていない場所 ・お部屋の出入口の真上 ・仏壇の正面向い ・浴室、トイレ、キッチンの近く ・神棚の上に廊下・通路があり人が通る(間接的に神棚を踏む) 拝礼の際に人が通らないように、出入りが多い場所ではなく、落ち着いた場所を選びます。 神棚と仏壇を同じ部屋に置くことに問題はありませんが、向かい合わせの壁面に設置することは避けます。 それは、手を合わせてお参りをすると神棚と仏壇に、お尻を向けることになってしまうからです。 また、不浄な水がある近くは不適です。 二階建ての家の一階のように、神棚が設置された部屋に階上がある場合は、神棚の真上の天井に「雲」と書いた紙を貼ります。 最上階でない、集合住宅のお部屋も同様です。 雲の紙を貼ることで「これより上は天空です」という心使いを表します。 ■ 神棚の向き 神棚は正面を南向き、または東向きに向けるとされています。 これは多くの神社は東か南向きで建てられているため、これを倣った慣習といわれます。 しかし神社の中には、方角を気にせず伊勢神宮に向かう方位で本殿を建てられている場合もあります。 そういった観点もあるので、神棚の設置場所に制限がある場合は西向き、北向きとなっても特に気にする必要はありません。 ■ お神札の祀り方 お神札の中心は、神宮大麻(じんぐうたいま)という伊勢の天照皇大神宮のお神札です。 お神札を並べる場合は、中央に天照皇大神宮、向かって右に氏神神社、左に崇敬神社(すうけいじんじゃ)をお祀りします。 重ねる場合は、一番手前に天照皇大神宮のお神札、その後ろに氏神神社のお神札、その後ろに崇敬神社をお祀りします。 氏神神社とは地域や地場の神社を差し、崇敬神社とは個々に崇拝し、参拝する神社のことです。 お神札をお社に納めたら扉は閉めておくのが基本ですが、地域ごとの習わしにより開けておく場合もあります。 ■ 神棚の拝み方 神棚の拝み方は、神社での参拝と同じです。 二拝二拍手一拝(にはい にはくしゅ いっぱい)が基本となります。 まず軽く頭を下げてから神前に進み、深くお辞儀を2回し(二拝)、次に拍手を二度打ち(二拍手)、次に深くお辞儀を1回します(一拝)。 神前を退く時には、また軽く頭を下げます。 ■ お神札・神棚の処分 神社へ参拝する際、それまでお祀りしていたお神札を持参すれば、神社で「お焚き上げ」をしていただけます。 「古札納所」と書かれた場所へ納めます。 買い替えなどで不要になった古い神棚を処分する場合も、お焚き上げをしてもらうのが一番丁寧な処分の仕方です。 宮司様が在中する神社へ、事前に問い合わせをしておきます。お社(お宮)のお焚き上げには料金(玉串料)が必要です。 棚板や神具陶器類は不燃ゴミとして扱っても問題ありません。塩を振って清めてから処分します。 上部へ戻る
神棚の材質 神棚に使用される木材の種類 ■ 木曽桧 / きそひのき 木曽桧は長野県と岐阜県境をまたぐ「木曽山系」から産出される天然木。現在、国有林として年間の伐採量が国に管理され、産出量減少のため希少な木材の一つとなっています。 寒さが厳しいこの地の桧は、一般的な桧と比べて成長するまでに何倍もの時間を要します。そのため、密に目の詰まった美しい年輪が特徴的。 伊勢神宮の建て替えにも使われる木曽桧は、神棚用の素材として最も相応しい存在。現在では特に高級な製品に使われています。 ■ 桧 / ひのき 植林されて育った、樹齢30~60年で産出される桧。 木造家屋などに一般的に使用される木材。 国有林で育つ木曽桧と分けて「民材」や「地桧」と呼ばれます。 桧材の中でも「東濃桧」は、裏木曽と呼ばれる岐阜県東濃地域で産出され、木曽桧に次ぐ良質な材として扱われています。 真円に育ち、節が小さく、油分が多くてツヤが良い、など神棚の素材に適した要素を多く含む白木材です。 ■ 欅 / けやき 欅は重く、硬く、木目が荒々しく重厚。 赤みがかかった色目、独特な香りが特徴です。 強度、耐久性があり、狂いの少ない木材として神社仏閣に用いられています。 神棚に使われる場合は高級品として取り扱われ、柾目と板目のメリハリが印象的な外観。 神棚の他、家具や仏壇でも見かけることができます。 ■ タモ タモは欅材に似せた風合いに仕上げるため、褐色の塗料で着色した後、神棚用として用いられます。 経年の変色や汚れが目立ちにくく、欅材より安価に入手できます。 落ち着いた色調と、きく湾曲する木目は美しく、家具やインテリアになじみやすい独特な雰囲気があります。 ■ ヒバ ヒバは防腐、防虫性に優れ、良質な材は神社仏閣の土台や柱、高級家具の材料として用いられます。 木目が目立たず、色目は均一でうっすらと淡い黄色。 出来上がった製品は独特な香りが立ち、上品で落ち着いた仕上がりとなります。 細かな加工をしやすい材木のため、箱宮などの作りが複雑な製品によく使用されます。 ■ スプルース スプルースは桧に似た木目や色つやがあります。 色を比較すると、桧はわずかに黄色味があり、スプルースは若干白味が強くなっています。 香りも桧とは異なり、ツンとする香りはありません。 桧と同じく経年で茶褐色へ変色します。 木目の細かい場所は神棚の細かな部材に使われ、木目の粗い場所は比較的安価な棚板にも使われています。 上部へ戻る
神具の種類 神棚と一緒にお祀りする神具の種類 榊立 / さかきたて 榊を入れる花瓶、一対です。丸型と角型と2種類の形状があります。 白色無地のほか、巴紋、荒神紋、御神前など金色の紋や文字が入った製品もあります。 瓶子 (平次・平子) 読みは「へいし」「へいじ」です。お神酒(お酒)を入れる徳利の一対です。 お供えするときは蓋を取っておきます。 水玉 お水を入れる蓋のついた器。水器(すいき)とも呼ばれます。 お供するときは、蓋を少しずらしておくか、蓋をとって神様がお水を飲めるようにしておきます。 皿 土器・かわらけ・平瓮(ひらか)など色々な呼び方があります。 お米とお塩を入れます。向かって右側にお塩、左側にお米を並べます。 - 陶器神具7点セット - 八足台 / 三宝 / 折敷 / 長膳 お供え物を乗せるための木製の器です。神社では同じ形状をした大きいサイズのものが使われています。 三宝、折敷、長膳は盆の継ぎ目があるほうを手前(拝礼者側)に向けて置きます。 神鏡 / しんきょう お社(お宮)の扉の前に置きます。 神鏡は、太陽の光を反射して神様が降りられる目印となる、また、鏡に自身の姿を映し、拝礼の際に清らかな心で神様をお迎えできるか己を振り返る役目がある、など多くの云われがあります。 榊 神社では榊に紙片(紙垂)をつけて、玉串として神前にお供えしたり、お祓いなどのさまざまな神事に使われます。 神棚用の榊は生花として手に入りやすいものですが、枯れることを心配しなくてよい、造花製品もよく使われます。 真榊 / まさかき 五色の幟(のぼり)の先に榊を立て、左右に「三種の神器」を取付けた一対です。 向かって左側に剣を、右側に鏡と勾玉が掛けてある色鮮やかな神具です。神棚に華を添える装飾品として、人気の高い製品です。 灯ろう / 灯籠 様々な形状・デザインがあり、木製、金属製、またはプラスティック製と、素材の違いにより設置した際の雰囲気が異なります。 明かりの点灯の仕方は、電池式か家庭用100V電源。灯りのつかない、飾りだけの製品もあります。 注連縄 / しめなわ 稲の藁(わら)でつくられた縄に、紙製の紙垂(しで)を垂らしたものです。 神聖な領域を示すために、お社や鳥居に取り付けします。棚板の「幕板」と呼ばれるパーツに取り付ける場合もあります。 篝火 / かがり火 ローソクを立てて明かりを灯せます。 火の元を作らないため、ローソクを使わずに飾りとして置く場合も多い神具です。 金幣 / きんぺい 金幣は、御幣の紙である紙垂を金属板にした神具です。お祓いの際に使用されたり、またお供えである「幣」の象徴でもあります。 神棚に置く場合は装飾品として、神々しい雰囲気を醸してくれます。 狛犬 / こまいぬ 神社の参道や本殿の縁側にある狛犬は、邪気を祓い神前を守護する存在。向かって右側が口をあけた「阿形」、左側は口を閉じた「吽形」と呼ばれます。左右がありますので、神棚に設置する場合も間違えないようにお祀りします。陶器製、木製のものがあり、木製でも手彫りで加工された製品は高価な神具となります。 賽銭箱 どこの神社にもある、お賽銭箱。 神棚に置けば、神社さながらの雰囲気となります。 鳥居 鳥居はその先は神の領域であることを示し、邪気が入ってこないよう「結界」を張るという意味合いがあります。 お神札の入ったお社の前に置くことで、邪気払いをします。 御簾 / みす お神札の部屋に取付けます。お社の扉を開けても中のお神札が直接目に触れないように、という謙遜した気持ちを表すための神具です。 美しく華やかな色彩のため神棚の見映えをとてもよくする神具です。 神幕 神幕(神前幕)は神棚の前面に飾ります。天井から吊るす、棚板に取付ける、またはお社に直接貼り付ける場合もあります。 少し大きめの神幕を取り付ければ、荘厳な雰囲気の神棚に。 雲 二階建ての家の一階のように、神棚が設置された部屋に階上がある場合は、神棚の真上の天井に「雲」と書いた紙を貼ります。 紙に「雲」の文字をプリントした簡素のものから、桧材や欅材から作られた彫刻品まで、色々な製品があります。「雲」の文字以外にも「空」「天」の文字があります。 恵比寿大黒 恵比寿様と大黒様の置物。陶器製、木製、金属製、樹脂製があり、色もさまざま。 祀り方は地方によって習わしもありますが、基本的には自由です。縁起物の置物として、また恵比寿大黒様のお神札に添えてお祀りします。 お稲荷用神具 ・狐 置物 狐は稲荷神の「使い」といわれ一対で祀ります。陶器製、金属製があり大きさもさまざまです。神棚のサイズに合わせて大きさを選びます。陶器製の製品は、手作業で色付けされることが多く、一体ごとに少しづつ「顔つき」が異なるのも特徴です。 ・陶器セット 白無地の陶器に「稲荷紋」を焼き付けた、稲荷宮専用のセットです。 ・稲荷旗 / 赤鳥居 / 赤灯ろう / 提灯 身近な「お稲荷さん」の演出を盛り立てる、神具小物です。稲荷旗、赤鳥居、赤灯篭を設置すれば、「赤」が映える立派な神棚になります。提灯は神棚の両端に一対で飾ります。「正一位 稲荷大神」という文字や、狐の絵が描かれたものなどがあります。 上部へ戻る