真珠の卸屋さんでの真珠のグレード(評価)の見方


真珠は「海産物」です。
真珠にはダイヤモンドのようにはっきりとした市場共通の基準(グレード)がありません。
インターネットでは、お客様自身の目で直接商品を確かめることができないというリスクがある中、 はっきりと真珠の品質・評価を表示せずに販売するネットショップも多いというのが現状です。

真珠の卸屋さんでは、お客様に本当に良い真珠を知っていただきたい、安心して楽しくお買い物していただきたいと考え、自社独自の真珠評価基準を設けています。
経験10年以上のプロの目で客観的に真珠を評価し、真珠の価値を見る時の主となる項目“照り・巻き・キズ”に関しては、各商品ごとに細かく5段階で表示しています。


◆表の見方

色・大きさ・照り・巻き・キズ・形の六大要素で評価しています。
照り・巻き・キズに関してはA−Eまでの5段階評価(Aが最も良い)で表しています。

真珠の種類 真珠の種類を表示しています
(アコヤ本真珠・南洋白蝶真珠・タヒチ黒蝶真珠など)
真珠の色 真珠の色を表示しています。
できるだけ、肉眼で見たままをの色をお伝えできるように細かく表現しています。
(例:グリーンブラック、ホワイトシルバーなど)
真珠の大きさ 真珠の直径を表しています。
アコヤ本真珠の場合、7mmUPは7〜7.5mmの大きさのものを表しています。
南洋白蝶真珠とタヒチ黒蝶真珠の場合、9mmUPは9〜10mmの大きさのものを表しています。
また、0.1mm刻みで表示している場合や、真珠の形によっては縦(H)横(W)の直径を表示している場合があります。
詳しくは下に記載しています▼ジャンプする
真珠のグレード 照り A:非常に良い B:良い C:普通 D:少なめ E:少ない
巻き A:厚い B:厚め  C:普通 D:薄め E:薄い
キズ A:なし・ほぼなし(少ない)  B:少なめ(小キズ) C:中キズ D:多め E:多い(やぶれ)
※淡水パールには「核」が無いため、核からの真珠層の厚みを表す「巻き」は表示していません。
真珠の形 形をわかりやすいように表現しています。
丸(ラウンド)、ほぼ丸(セミラウンド)、やや変形(セミバロック)、変形(バロック)
他にもドロップ型、ボタン型、オーバル型など。
同じグレードのものでも、キズの場所や深さ、形などで個体差がございます。
届いた商品でテリ・マキ・キズが気になった場合は遠慮なくお問い合わせくださいませ。ご納得いただけますよう、
返品・交換等の対応をさせていただきます。
(天然のものですので、全く同じものは存在しません。)




「一番小さい部分」を測ります。
ドロップ型のような縦長のフォルムの真珠は「9.5×12mm」のように「一番小さい部分×一番大きい部分」を記載する場合もあります。
ただし、真珠が押しつぶされたような平たいフォルムのボタン型やバロック型の場合は、ジュエリーを身に着けた状態を考慮し、「厚さ」ではなく「幅の一番小さい部分」を測ります。
もし、記載の大きさについて疑問を持たれた場合は、細かくお測り致しますのでお気軽にお問い合わせください。≫お問い合わせフォームへ


ネックレスの「太さ」にあたる部分を測ります。(写真のピンクの線の部分)
グラデーションネックレスやバロックネックレスなど、真珠の大きさが複数ある場合は「7.0-9.0mm」のように真珠が一番小さい部分と大きい部分の2ヶ所の大きさを記載しています。
もし、記載の大きさについて疑問を持たれた場合は、細かくお測り致しますのでお気軽にお問い合わせください。≫お問い合わせフォームへ




◆真珠の選び方


◆テリとは・・・

照りとは真珠の「輝き、光沢」のことです。
真珠層のでき方による、真珠の輝き方や表面のなめらかさのことです。

照りが良い真珠は、真珠にうつりこむものがシャープに見え、真珠を覗き込むと自分の顔が映っているのがはっきりと見えます。逆に照りの良くない真珠は真珠にうつりこむものがぼやけて見え、くもったように見えます。
真珠層の巻きが厚いほどこの照りが良くなります。

真珠表面からのピカッとした輝きではなく、真珠の内側からの力強い光沢(照り)が出ているようなものをオススメします。
この照りが良いものほど輝きが強く、価値が高いとされています。

「巻き」と「てり」は真珠の輝きを左右するもので、真珠を選ぶ時の大切なポイントになります。
▲右から左へ行くほどテリが良くなっています



◆巻きとは・・・

真珠の核を巻いている真珠層の厚さのことです。
真珠はドブ貝を加工して作った丸い核を貝の中に埋め込み、その周りを貝自身が作り出す分泌物で覆うように巻いていくことによって出来ていきます。
つまり巻きはその覆われた分泌物(真珠層)の厚さのことを言います。巻きが良いというのは、真珠層が厚いということです。
真珠層が厚いものほど良質で強い輝きを発する力を持っています。



真珠の肌はヒビやキズの少ないものが良質です。
しかし真珠はほぼ自然に近い状態で養殖される海産物ですので多少のキズはつきものです。

キズには大きく分けて2つあり、真珠が育つ間に出来たキズと加工時に出来たキズとがあります。
一般に前者のキズを「エクボ」と呼び、本真珠の「あかし」とされています。

また、真珠をぐるっと一周するようなミゾを「サークル」と呼びます。

真珠にキズがある場合は、キズの多さ、大きさ、場所が選ぶポイントになります。
キズが少ない程、またそのキズが小さい程、良質とされます。
例えばリングに使う真珠にキズがある場合、そのキズが目立つところあればある程、評価は下がることになります。



真珠の色は真珠の種類によって違ってきますが、大きく分けてピンク(赤)、ホワイト、クリーム、ゴールド、ブルー、シルバー、ブラック、グリーン系に大別されます。
あこや本真珠については、一般的にはピンクが良いとされていますが好みによって変わってきます。 真珠の色は様々で一概にどの色が良品質であるとは言い切れません。
テリのよいお好みの珠であれば、色はご自分の好みに合わせてお選び下さい。

■黒蝶真珠のカラーバリエーション

■白蝶真珠のカラーバリエーション



基本的に「ラウンド(真円)」、「セミラウンド(やや丸)」、「バロック(変形)」に分けられます。
またその他に、丸を一方から押しつぶしたような形の「ボタン」、しずくの形の「ドロップ」といったような分け方をすることもあります。
一般的にラウンドが良いとされていますが、バロックなどの変形もジュエリーとして形の面白さを楽しむことが出来ます。

完璧な真円の真珠は大きさが大きくなる程採るのが難しくなります。
テリ、巻き、キズ、サイズ、色、形が同品質であれば、一般的には真珠の形が真円であればある程、良いとされます。ただし美しいドロップ(なみだ型)は評価が高く、イヤリングなどのペアの真珠で形がそろっていれば、真円以外でも評価は高くなることもあります。
ユニークな形のバロック(不定形)、オーバル(楕円)やドロップ(なみだ型)を使ったデザイン性の高い商品も魅力です。


■黒蝶真珠の形のバリエーション

■白蝶真珠の形のバリエーション



真珠の良し悪しには直接関係ありませんが価格を決定する際には大きく影響します。

■あこや真珠のサイズ  ※こちらの写真は実寸ではありません

■黒蝶真珠・白蝶真珠のサイズ ※こちらの写真は実寸ではありません

◆真珠の種類

真珠にも形や色など様々な種類がございます。取れる場所も海だけでなく湖でもとれるんです。
ここでは、各真珠について一つ一つ説明しておりますので、是非ご覧になってみてください。


◆あこや真珠(和珠)
最も代表的な真珠で古くは古事記や日本書紀にも登場しています。「真珠」と聞いてみなさんが頭に思い浮かべるのも、おそらくこのあこや真珠でしょう。
現在日本でで養殖されるほとんどの真珠があこや真珠です。
母貝自体が手のひらくらいの大きさなので真珠もそれほど大きくありません(約2ミリ〜約10ミリ)。真珠の色はホワイトピンク系、ホワイトグリーン系からクリーム系、ゴールド系といった物が中心となります。
形は貝の性格上きめの細かい結晶を分泌するため他の真珠に比べても丸くなる確立が高いと言われています。

★あこや真珠 花珠(はなだま)  
真珠はダイヤのように“キズがこれだけあると○○クラス”といったようなはっきりとした基準はありません。
真珠の場合、見た目を基準にして決めますが、いわゆる花珠とは上記5つ「巻き・照り・キズ・形・色」を総合し全てにおいて最高品質のものを「花珠」と呼びます。
めったに採ることができないという希少価値のあるものです。評価は照りのよさを最重要視します。

◆南洋黒蝶真珠(黒真珠)
一般的にタヒチ真珠、黒真珠と呼ばれている南洋(フレンチポリネシアのタヒチ産が代表的)の黒蝶貝(くろちょうがい)から生まれる真珠です。
真珠の色は黒系、緑系、グレー系、赤系など色の多様性が特徴の真珠です。深い緑に赤みがかった反射のある「ピーコックグリーン」と呼ばれる色目をしたものに人気があり、美しい色として評価されています
。真珠貝の中でも特に活動的な方で、貝の中で真珠が回転してサークルを巻いた真珠やバロック型真珠も多く見られます。他の真珠に染色処理をして「黒真珠」と呼んでいる物もありますが、もちろん黒蝶真珠は天然の色です。


◆南洋白蝶真珠
南洋真珠最大の真珠貝(30センチ以上になる場合もあります)である白蝶貝(しろちょうがい)から採れる真珠です。その真珠貝自身の大きさから直径19ミリくらいまで育つ真珠もあります。
貝殻内面の周辺部の色によってシルバーリップとゴールドリップに分けられます。オーストラリア海域ではシルバーリップ、インドネシアやフィリピン海域ではゴールドリップが多いようです。
真珠の色はだいたいホワイト、シルバー系クリーム、ゴールド系に分けられますが、アコヤ真珠のようにブルー系やグレー系のものもあります。
この貝でマベのような半径真珠も養殖されています。

◆淡水真珠
主にイケチョウ貝という大型の二枚貝から採れる真珠で、日本では琵琶湖などで養殖されますが、多くは中国から輸入されています。
形は一般的に楕円形のものが多いですがライス、ドロップクロス、スティック等さまざまな物があります。
色も天然に出るホワイトはもちろん、オレンジ、ピンク、ローズ、等と豊富です。最近は養殖技術の向上で、中には一見あこや真珠や南洋真珠と見まちがうほどの真円で大粒のものもあります。


◆ケシ真珠
真珠母貝の生殖巣の中にできる、ケシ粒のように小さく人工核を持たない小粒真珠です。
養殖期間中に母貝が砂の粒や虫等の異物を体内に取り込み、それが核のような役割となって形成されます。
形は楕円形や小石のようないびつなものもあります。さらに小粒のものは砂ゲシと呼ばれています。


◆マベ真珠
マベ貝は熱帯、亜熱帯海域、日本では奄美大島より南の琉球列島に生息します。
真珠は半球形で、色はシャンパンクリームが主流で独特な光沢をしています。また、近年では養殖技術の向上で、半球形に加え、球形のものも少量ながら採れつつあります。貝殻に直接ついて出来た半径真珠は貝殻から切り離し同裏張りして仕上げます。
半球形でも、南洋半径真珠とマベ真珠は母貝が違う為、区別されます。