ボジョレーヌーヴォー2020豆知識
ボジョレーヌーヴォー2020豆知識

はじめに・・・

新酒の販売が政令で公式に認められたのは、1951年。
その後、輸送網の整備により、ヨーロッパ全土、世界各国に広がっていきました。
フルーティーな味わいをいち早く楽しむため、通常のワインとは仕込み方を変えるなどし、早飲みスタイルとして仕込まれ、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日(毎年11月の第3木曜日)には、フランス本国はもちろん、世界中で、お祭り騒ぎが繰り広げられているようです。

そんな中でも、日本は、時差の関係で、いち早くボジョレー・ヌーヴォーを楽しむ事の出来る国なのです♪

ボジョレー地方は、フランス、リヨンの北西部、ブルゴーニュ地方の一番南に位置する地域で、ブドウ畑は標高200〜400メートルの南向き、もしくは南東向きに畑が広がっています。土壌は花崗岩と片岩からなり、この土壌に適したブドウ品種が、ガメイ種であることから、ガメイ種の産地として、世界で最も有名な地域でもあります。ちなみに、新酒のことを、『プリムール』と呼んだりもします。



他国にも新酒を楽しむ伝統があり、イタリアの『ノヴェッロ』、オーストリアの『ホイリゲ』などが知られています。

通常のワインは房から実をはずし、種と種皮ごと砕いたものを樽で発酵させるのに対し、ボジョレー・ヌーヴォーは基本的に房を丸ごと発酵槽に入れ、数日間炭酸ガスの中に漬け込んでおく醸造法です。これを、マセラシオン・カルボニックといいます。

その間、ブドウの粒の中で、自然に発酵が起こり、酸味が柔らかくなり、甘くフルーティな香りが生まれ、皮から色素も溶け出しやすくなります。この状態の房を絞り、あとは白ワインと同じように発酵させる事で、長く寝かせなくとも、フレッシュでフルーティな味わいを楽しめるワインに仕上がります。



マセラシオン・カルボニックを行わない生産者もいます。

ボジョレー地方で栽培されているブドウの、ほぼ全量を占めている、ガメイ品種。少し大粒で病気に強い、丈夫な品種です。
花のような香りと、フレッシュでフルーティー、柔らかいタンニンが特徴で、ボジョレー・ヌーヴォーは、このガメイ品種を使って作られます。ボジョレー地方の土壌は、花崗岩と片岩からなる砂土壌。粘土質の土に比べ、栄養分が多くないこの土壌で、力強く育ち、その力を発揮するのが、ガメイ種なのです。

この地質と、ガメイ種の個性が生み出すのが、ボジョレーの柔らかく爽やかさを備えつつ、複雑味やミネラル感をも持つ、絶妙なバランスなのです。



通常のボジョレーには、『ボジョレー』『ボジョレー・ヴィラージュ』『ボジョレー・シューペリュール』『クリュ・ボジョレー』など、それぞれの区画、村により、区分けがあり、他産地と同様、通常は、収穫の翌年に、市場に出荷されます。

一方、ボジョレー・ヌーヴォーには『ボジョレー』と、より限定した区域で造られる『ボジョレー・ヴィラージュ』の2種があります。



ボジョレー・ヌーヴォーは、赤とロゼの2種類のみで、白はありません。
ボジョレーでは、白の生産量は非常に少なく、法律でも白のボジョレー・ヌーヴォーを名乗る事ができません。
でも、『白のヌーヴォーも飲んだことがあるよ』という方もいると思います。実は、日本で販売されている白ヌーヴォーの多くは、ボジョレーの隣にあるマコンで作られています。ボトルには、『ボジョレー・ヌーヴォー』ではなく、『マコン・ヌーヴォー』と
表記されていますので、よければ、注意してラベルを見てみて下さいね!



ボジョレー地区の北部に位置し、指定された10の村から産出されたワインで、フランスのワイン法では、これらの村で作られたワインを、生産された村名で販売することを許されており、ボジョレー地方の中でも、最上級に相当、それぞれの村、造り手により、個性豊かな味わいを楽しむ事が出来ます。ボジョレー・ヌーヴォーにも、表記はありませんが、これらの地域のブドウを使って仕込んだものが多数見受けられます。

10のクリュ・ボジョレー
サンタムール/St.Amour
ジュリエナス/Julienas
シェナス/Chenas
ムーラン・ナ・ヴァン/Moulin a Vent
フルリー/Fleurie
シルーブル/Chiroubles
モルゴン/Morgon
レニェ/Regnie
コート・ド・ブルイィ/Cote de Brouilly
ブルイィ/Brouilly