江戸末期に薩摩藩で造られた切子ガラスです。鉛を24~25%含むクリスタルガラスを使用し、無色のガラスの表面に色ガラスを1~2ミリ程度溶着させます。その色被せガラスにカットを施し、磨きあげた製品を「薩摩切子」と言います。薩摩切子は被せたガラスに厚みがありますが色味が淡い為、クリアガラスから色ガラスの間にできるグラデーション「ぼかし」が特徴でです。現代では、シャープな仕上がりが特徴の薩摩黒切子や、薩摩ブラウンなど先人が挑戦し続けてたように、技術だけでなく本質の継承を心掛けて、新しい薩摩切子も制作しております。「伝匠 薩摩切子」幕末から明治初期に栄えた薩摩切子を、先人より伝えられた意匠と技術を受け継いだ匠が、現代の技術と発想を以って蘇らせました。当時から輝き続ける薩摩切子の魅力を後世へと伝えたい、という想いのもと「伝匠 薩摩切子」と称して温故知新の精神で創られた作品です。薩摩切子の魅力の一つに色ガラスの豊富なバリエーションがあげられます。幕末の匠によって創りだされた8色に加え、現代の匠によって生み出された黒。色のバリエーションには先人より伝わる現代匠の魂と情熱が込められています。