1.環境対策の背景

(イ)環境庁資料によれば、「アイドリングストップの効果」は以下の通りである。1時間のアイドリングで,約1〜1.5リットルの燃料を消費し,約500g〜1kgの二酸化炭素を空気中に排出する。
アイドリング時における燃費消費量及び二酸化炭素排出量(環境庁資料)
燃費消費量(二酸化炭素排出量(炭素換算)
1時間あたり 10分間あたり
乗用車
(ガソリン車)
0.8リットル
(510g)
0.14リットル
(90g)
小型トラック
(2t積ディーゼル車)
0.5〜0.7リットル
(360〜500g)
0.08〜0.12リットル
(58〜87g)
中型トラック
(4t積ディーゼル車)
0.8〜1.0リットル
(580〜720g)
0.13〜0.17リットル
(94〜120g)
大型トラック
(10t積ディーゼル車)
1.3〜1.8リットル
(940〜1300g)
0.22〜0.3リットル
(160〜220g)

(ロ)社団法人全日本トラック協会の環境対策について

アイドリングストップ宣言まず、トラックの排出ガスが大気汚染の一因となっていると自覚することからトラック運送業界では、業界をあげてアイドリング・ストップ運動に取り組んでいます。荷卸しなどの駐停車時にエンジンをこまめに切る運動で、国土交通省が提唱しているエコドライブの中核的な運動です。乗用車では、1分間のアイドリングでガソリン130ccの燃料が、大型ディーゼル車では1時間のアイドリングで最大1,800ccもの燃料が無駄になるといわれています。トラック運送業界では、エンジンを切らなければ車両を離れられないようにするためのキー抜きロープや「アイドリング・ストップ宣言」ステッカーを作成して各事業者に配布し、運動を強化しています。また、平成12年度からはアイドリング・ストップを推進するため、蓄熱マットに対する助成事業も行っています。各自治体レベルでは条例化の動きも進んでおり、10年9月時点で31自治体が条例でアイドリング・ストップの実施を求めています。

2.トラック運転手の声(そのままの一部引用です)

「私は一般家庭で使われている長座布団を2枚並べて敷き布団にしています。
掛け布団は毛布1枚だけです。エンジンを掛けっぱなしで仮眠するのが当たり前なので 毛布1枚ですが、出来れば真冬でもエンジンを切って仮眠できるぐらいの布団が有れば燃料の節約が出来るなーと考えています。
是非その様な布団を開発して頂ける事を希望いたします。
参考になるか分かりませんが、こんな感じだと思います。
それでは、お仕事頑張って下さい!!」

3.「アイドリング無用・みのむしふとん」のコンセプト

地球温暖化防止に向けてCO2削減は緊急課題である。
環境庁資料によれば、上図に示した「アイドリングストップの効果」をあげて二酸化炭素を空気中に排出する削減を呼びかけている。
社団法人全日本トラック協会においても、環境対策としてアドリング・ストップ運動に取り組んでおられる。
実状を調べてみると、トラック運転手さんの声からも分るように仮眠中のアイドリングは相当長い時間である事に気付いた。
そこで「アイドリング無用・みのむしふとん」をトラック運転手さんと共に開発した。なぜなら懸命に働いておられる運転手さんにとって、エンジンを切って真冬でも暖かく眠れる事が重要課題なのである。適切な仮眠は健康と安全運転に直結している。

さて、そのトラック野郎さんから教えて頂いた大手GSへふとんを見にいった。トラック専用ふとんが置いてあった。日本で唯一のトラック用ふとんと書かれていたが、これではとても無理だ。エンジンを駆けてしか眠れない事は明白だった。

月に1万キロも走って頑張っておられるのに、こんなふとんだけしかない。なにが専用かと言えば、ただサイズが小さいだけなのだ。生地も悪ければ、綿も悪い。工夫も思いやりの欠片も無い。情けなくなってしまった。そのふとんはセットでカバーを付けて14000円といたって安いが、これではエンジンを切って仮眠など無理な話しだ。しかし、生地と綿を良くしただけでは解決が難しい。従来の四角のふとん上下では隙間風が流入して、保温効果が半減する。

人間の睡眠時の適性な条件は、温度が33℃で湿度か50%なのだ。人間の体温さえ逃がさ無ければ充分可能な数値なのである。保温効果並びに放温性を併せ持ち、しかも吸湿性、吸汗性に優れなければならない。掛けふとんは、ドレープ性(肌への馴染み)が必要で、敷布団は適度の弾力性も要る。
従来の平面型寝具での対応は難しい。そこで、立体形状の「みのむしふとん」の技術とアイデアを取り入れて開発したのが「みのむしふとん・アイドリング無用」である。

トラック1台6ケ月あたりの仮眠でのアイドリングを試算すると以下の通りだ。仮眠を一日4時間で計算すると、
燃料代の節約分は
4時間×20日×6け月×1.5リットル=720リットルなる。
更に、二酸化炭素排出量の削減分は、
4時間×20日×6け月×1kg=480kgとなる。
リッター80円とすれば5万7600円の節約になり、更に480kのCO2が削減できる。

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