国産のマンゴーは、最近広まった高級フルーツなので、まだ食べたことがないという方も少なくないのではないでしょうか・・・

マンゴーはおよそ4000年も前からインド東部やミャンマーで栽培が行われ、日本に登場したのは明治時代なんですが、国内で本格的に栽培され始めたのは1970年頃で、当初は栽培が難しく悪戦苦闘だったそうで、その後、ハウス栽培が行われるようになって、現在のような美味しいマンゴーが出来るようになったんです。

今では、沖縄や鹿児島、宮崎などで栽培されており、そのほとんどが、リンゴのように皮が真っ赤になる『アップルマンゴー』と呼ばれているアーウィン種です。

ひと口に『アップルマンゴー』と言っても、その産地ごとに土壌、気候、育て方が異なり、その産地で「奄美マンゴー」、「宮崎マンゴー」、「沖縄マンゴー」と名を変えて販売されていますが、「輸入マンゴー」が熟す1ヶ月ぐらい前に収穫し船で運ぶのに対し、「国産マンゴー」はいずれも熟してから収穫する「完熟マンゴー」なので、とても甘くて香りも良く美味しいわけです。

その完熟の時期が7〜8月頃、つまり今がまさに旬なんです。 「国産マンゴー」は、「沖縄マンゴー」そして「宮崎マンゴー」も相当有名ですが、その沖縄と宮崎の間に位置する、「奄美大島」の「奄美マンゴー」の美味しさは格別で、最近 食通の間で特に注目されています。

亜熱帯地域の小さな島 「奄美大島」は、昼と夜の温度差が大きく、他の地域に比べて日照時間が長く、夜涼しく、湿度が低くて日中もカラッとしているので、マンゴーに限らず、果物や農作物の栽培に、とても適した地域なのです。

沖縄は日差しが強すぎて果物の表面が焼け易く、宮崎はハウスの中を暖める為重油を焚くので経費がかかり、値段が高くなってしまうんです。それに比べ、「奄美大島」は自然そのままで美味しいマンゴーができる理想的な地域なわけです。

今回は、そんな「奄美大島」のマンゴーを作る生産者の中でも丹精込めて作ることからテレビなどでも度々紹介されている名人 「谷口(たにぐち)正樹(まさき)」さんが作ったものです。

谷口さんは、美味しさを極める為に土作りにこだわり、地元で獲れたカツオやマグロなどを発酵させた独自の肥料を与え、そして美味しいマンゴー作りのキモとも言える「剪定(せんてい)」に手間ひまかけて、トコトン完熟にこだわって育て、極上な状態で熟して自然に落下したものだけをネット袋でキャッチし、傷つかないように収穫していきます。

さらに、「マンゴー」の受粉に必要な大事なミツバチは、自然に近い状態で飼育するため、自生する奄美のミツバチを捕獲し、奄美の自然の木を巣に使い、谷口さん自ら養蜂しているんです。

ここまで こだわりにこだわった谷口さんの「完熟マンゴー」は糖度が極めて高く15度から18度前後もあり、その濃厚な甘さと 香り、そしてキメの細かさは、いうまでもなく物凄いものです。

難点は作れる数に限りがあることで、通常は市場に出回りません。