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「グラスの形状によってワインの第一印象が変わる」
海外の有名ワイン雑誌や、ワイン評論家、世界中のワインラバーからも絶大な支持を受けているリーデル社10代目当主「ゲオルグ・リーデル」氏のグラステイスティング会が2005年11月21日、東京のシティ・クラブ・オブ・東京で行われた。

リーデル社から招待を受けたのはインターネットショップを持つ、恵比寿ワインマートPARTYさんやWASSY'Sさん、プティットメゾン サイバーワインショップさんなどなど有名店舗ばかり。もちろんWACも参加をさせて頂き、約20名でグラステイスティングを行いました。

リーデル社は昨年、ドイツの有名グラスメーカー「ナハトマン」「スピゲラウ」社を買収、現在ではヨーロッパ第4位の大手クリスタルメーカーとなり、年間2億8千万ドルの売上げを誇っています。

グラステイスティングの前にゲオルグ氏(56才)から、来年の250周年を迎えるにあたり、11代目(息子)が役職に付くことを発表。
世代交代を思わせる発言の後に、テーブル狭しと並べられたグラスにてテイスティング会が始まったのです。

 
【ワイングラスは作り手のメッセージの拡声器】
 

テイスティングを行う前に、ワイングラスについて熱〜く語って頂きましたので、その内容を一部ご紹介したいと思います。

ゴルフをする際、コースと距離でどのクラブにするかを選ぶ様に、ワインによってグラスを選ぶ事は重要である。(ゴルフをしない私にとっては「何となく分る」程度でしたが、重要な事は確かである。)
ワイングラスには、ワインに込められた作り手のメッセージを拡声器で大きくする役目があり、アロマについては複雑で何層もある香りを嗅ぎ分け、良いワインの確認と感情面(過去の記憶)を引き出す役割もある。
また赤ワインに含まれるタンニンには、クリーミー、シルク、ベルベット等の質感を舌で感じる事ができ、その質感により飲んだ後の味「余韻(ワインのこだま)」を感じる事ができます。
グラスによって、ワインのさまざまな要素を発見するのが楽しいのです。

リーデル社長の言葉は、ひとつひとつが意味深く、聞き惚れてしまいました。

 
【グラステイスティング開始】
今回、ゲオルグ氏がチョイスしたワインは以下の4種類。
ウルフ ブラス ゴールドラベル シャルドネ(Wolf Blass Gold Label Chardonnay)2003
ウルフ ブラス グレーラベル シラーズ(Wolf Blass Grey Label Shiraz)2003
マトゥア・バレー ピノ・ノワール(Matua Valley Wairarapa Pinot Noir)2002
ウルフ ブラス グレーラベル カベルネソーヴィニヨン(Wolf Blass Grey Label Cabernet Sauvignon)2003

テーブルに置かれたテイスティングシートに、ジョーカーと称するグラス(1番)、後は全てヴィノム・エクストリームシリーズのシャルドネグラス(2番)、リースリンググラス(3番)、ピノノワールグラス(4番)、カベルネグラス(5番)、シラーズグラス(シート外)がそれぞれセットされてます。

まず最初にオーストラリア産のシャルドネワイン(ウルフ・ブラス・ゴールドラベル)を幅の広いシャルドネグラス(444/97)で味わいます。
複雑な香りに、厚みがあるクリーミーな味わいのシャルドネですが、多くのレストラン等で使用されてる形状のジョーカーグラスへ移し替え味わってみると、香りは単一化になり抜けた感じ、味わいもアルコール味が強く感じられる。
同じワインを今度はボウルが小さいリースリンググラス(444/5)へ移し替え味わってみると、奥にある層の香りが十分出て来れず、強い香りが出しゃばってしまい印象が変化していました。
リースリンググラス(444/5)は縦に細い形状のために口中に流れるスピードが早く、苦味を感じる舌の奥部分に一直線に流れるために、苦味が強く感じられるのです。

次に、ニュージーランド産のピノ・ノワール(マトゥア・バレー)をピノ・ノワールグラス(444/7)で味わいます。
ピノノワールの場合、果皮が薄いためにワイン奥の文字が透けて見えるほど明るい色が特長で、ラズベリーやチェリーを思わせる味わい、余韻も長く美味しかった!
同じワインを幅の広いシャルドネグラス(444/97)に移し替え味わってみると、酸味が強く感じられ、果実味が薄れている。
同じくリースリンググラス(444/5)に移し替えると、今度はチョコレートやカプチーノの様な香りに、味わいの面ではグリーン(若い)部分が突出してしまい痩せ細った風味に感じてしまうのです。

次に、オーストラリア産のシラーズ(ウルフ・ブラス・グレーラベル)を、新発売のシラーズグラス(444/30)で味わいます。
思わず身震いするパワフルさに驚くとともに、舌を被うベルベットの様な舌触りと、果実味の余韻が長く続く風味。
それをジョーカーグラスで味わうと、力強さが無くなってしまい、ウッドの様な後味で余韻も短い。香りも単一化され単純な風味になっていました。
同じワインを今後はシラーズグラスに形状もそっくりなカベルネグラス(444/0)に移し替えて味わいます。容量が170cc大きいカベルネグラスではアルコールやスパイスが強く感じられ、微妙な形状の違いで風味が異なる事を実感しました。

最後に、オーストラリア産のカベルネソーヴィニヨン(ウルフ・ブラス・グレーラベル)をカベルネグラス(444/0)で味わうと、黒スグリやブラックペッパー、ミントが感じられ、力強いながらも丸みもあり、最後にベルベットの様なタンニンがあり良いバランスを感じます。
このワインをリースリンググラス(444/5)で味わうと、香りはオーク香が強く前面に出て、舌触りは砂のようなザラザラ感があります。
次にピノノワールグラス(444/7)で味わうと、ジンファンデルのような香りに、スパイス味が全面に出てしまい、余韻も短く感じます。
シラーズグラス(444/30)では、薬の様な香りと痩せ細った風味になっていました。

グラステイスティング後の質疑応答で、リーデルの需要が最も多いアメリカ市場においてクリスタル(鉛)の危険性が叫ばれている事や、ゲオルグ氏自身はクリスタルとソーダガラスのどちらが好きかの質問がありました。
その返答によると・・・

アメリカでもカリフォルニア州だけが鉛を含んだグラスに表記をするよう法律で定められているが、クリスタルグラスが最も多く売れている。
クリスタルガラスから鉛が万一溶け出したとしても、皆さんが普段飲食している「魚」や「野菜」「ワイン」の方が鉛を多く含んでいます。
それは公害によって鉛が土壌に染み込み、その土壌の栄養分を吸い上げてできた野菜や果物などは、クリスタルグラスに含まれる鉛よりも遥かに多いのです。
もちろん私はソーダガラス製よりも、香りが際立つクリスタル製グラスを選びます。

今までリーデル社認定のワイングラス・エデュケイター「庄司大輔」氏のグラステイスティング会で、グラスの選択がいかに重要かは分かっていたつもりでしたが、ゲオルグ・リーデル氏のテイスティング会によって、「本当に同じワインなの?」と言いたくなるほど、ワインの複雑で深いアロマや味が、グラスの微妙な形状や容量で変わる事を実感しました。
2時間にもおよぶグラステイスティングを受けた事で、お客様にお薦めするグラスの選択に幅を持てた気が致しました。



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