塗料に合わせて選ぶうすめ液

シンナー・うすめ液

シンナー・うすめ液

「うすい」を英語で綴ると「thin」です。「うすめるもの」を英語では「thinner」と綴り、シンナーと読みます。うすめ液は、ただうすめるだけではなく、ペイントにおいていくつかの便利な役割を果たします。ここではうすめ液の種類と用途について紹介していきましょう。

うすめ液とは

  • 粘度が高すぎるときのローラー塗装による塗膜

  • うすめ液は油性塗料をうすめるための専用の液体です。では、なぜ塗料をうすめる必要があるのでしょうか?塗料の粘度が高すぎて塗りにくいケースがあげられます。粘度が高すぎると、ハケ塗りした時に塗料の伸びが悪くハケ目が残りやすいということが起こります。ローラー塗りの場合は、ローラーが転がるときに、塗った塗料がローラーに引き伸ばされて凸凹の表面に仕上がります。うすめ液はこうした事象が起こらないようになる最小の量を確認しながら少しずづ入れることが重要です。入れすぎてしまうと、塗膜がきれいにならなかったり、下地の隠蔽性が落ちてしまいます。しかし、ほとんどの一般用塗料は、うすめずに使えるちょうどよい粘度の状態で販売していますのでそのままペイントするのがおすすめです。

うすめ液の種類

  • 水性塗料には

    水

    特殊な水ではありません。蛇口をひねると出てくるあの水で十分です。水性塗料はニオイが少なく環境にやさしい塗料ということです。

  • 油性塗料には

    ペイントうすめ液

    油性塗料の成分表に「ラッカー」という言葉がなければ、ペイントうすめ液を使用しましょう。においは灯油に似ています。

  • ラッカー塗料には

    ラッカーうすめ液

    ラッカーうすめ液はペイントうすめ液よりも強いと考えてください。ただ、ラッカーはスプレータイプが多いので、うすめる場面はほとんどありません。

うすめ液のいろいろな使い方

  • ハケ洗い

    ハケ洗い

    油性塗料にはペイントうすめ液をラッカー塗料にはラッカーうすめ液を使いましょう。水性塗料にはもちろん水で大丈夫です。最後に中性洗剤を使うとよりよいでしょう。

  • 塗料落とし

    塗料落とし

    水性塗料と油性塗料にはペイントうすめ液をそれでも落ちない場合はラッカーうすめ液を使用しましょう。ただしどちらも周囲のコーティングを落としてしまう可能性があります。

  • 手の汚れ落とし

    手の汚れ落とし

    手などの汚れ落しには、コットンや布にペイントうすめ液を含ませ、ごしごしこすらないようにやさしく汚れを落とし、必ず石鹸で手を洗い、ハンドクリームなどでケアしてください。

  • 脱脂

    脱脂

    ラッカーうすめ液は脱脂にも使用できます。表面の油分を取り去り塗料の密着性を上げる効果があります。ウェスに少量付けて拭きあげることで脱脂ができます。

  • 塗装はがし

    塗装はがし

    強力なうすめ液は塗料を落とすということが分かったと思います。この特性を利用して、古い塗膜をはがしたり壁の落書きを落とすための商品が「はがし剤」として存在しています。

うすめ液の豆知識

  • 処分方法

    処分方法

    袋を2重に重ねた中にちぎった新聞紙やいらない布等を入れ、うすめ液を染み込ませ、袋の口を開けたまま屋外で乾かします。完全に乾いたら、袋の口を縛り捨てます。

  • ハケの保管

    ハケの保管

    油性塗料が付いたハケをきれいにするには大量のうすめ液を消費します。ある程度洗い終わったら、だいたいの色ごとにハケをわけてサラダ油の中で保管するという方法もあります。

  • 小範囲の汚れ落とし

    手の汚れ落とし

    少しだけ塗料が違うところについたときは、除光液で落とすこともできます。除光液は本来マニキュアを落とすためのものですので、うすめ液よりよりも少し汚れを落としにくいです。

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