本プロジェクトについて


<プロジェクト概要>

1.プロジェクト名 不発弾汚染地域ノンヘット郡中学校建設プロジェクト
2.目的 ■上位目標:
最も不発弾被害がひどく、発展の遅れたシエンクアン県周辺地域の貧困削減
■下位目標:
カンパニオン村と周辺14村の教育機関整備と教育機会の提供
■プロジェクト目標:
カンパニオン村と周辺14村の子どもたちへの中等教育の機会の提供
3.活動内容 1.中学校建設予定地の不発弾撤去
2.不発弾撤去後の中学校建設(5教室、2事務室、1倉庫)
4.支援対象・地域
ラオス人民民主共和国シエンクアン県ノンヘット郡カンパニオン村
カンパニオン村とその周辺14村に住む小学校卒業生
2008年時点 約250名 (年々増加予定)
5.提携先 MAG-ラオス(建設予定地の不発弾撤去)
ラオス赤十字国際委員会(学校建設)
ノンヘット郡教育省(学校建設と学校の運営)
6.実施予定期間 2009年1月(不発弾撤去活動予定期間)
2009年2月-5月(中学校建設予定期間)
7.予算 1.不発弾撤去費用 US$7,035
2.中学校建設費用 US$50,416
(労働費US$5,288+建設資材費US$44,139+デザインと準備費US$989)
資金を手渡す中川と宮崎
2008年12月24日
京都市伏見区のテラ・ルネッサンス事務所にて贈呈式

テラ・ルネッサンスを通じて、不発弾撤去の実行組織であるMAG、中学校建設を行う現地赤十字・教育省へ資金が渡されます。

2009年1月29日の京都新聞夕刊にラオス支援活動の記事が掲載されました!


2009年1月29日の京都新聞夕刊にラオス支援活動の記事が掲載されました

<ラオス クラスター爆弾除去および学校建設プロジェクトの流れ>


お客様がプレマ株式会社でお買い物をしてくださったその利益から、プロジェクトの費用を捻出。特定非営利活動法人テラ・ルネッサンスを介して、ラオス赤十字やMAGなどの現地活動組織へ届けられ、ラオスの人々の支援に役立てられます。プレマ株式会社では、活動の進捗状況やラオスの人々の声をご報告して参ります。


この図は、本プロジェクトが、どのような流れで展開されているかを表しています。

本プロジェクトの費用は、お客様が弊社でお買い物をしてくださったその利益から捻出されています。捻出された費用は、特定非営利活動法人テラ・ルネッサンスを介して、現地の活動組織「ラオス赤十字」や「MAG」へ届けられ、ラオスの人々の支援に役立てられます。




★このプロジェクトに関する公開プレゼンテーションのビデオ★
テラ・ルネッサンスの鬼丸さんの講演です。






<プロジェクトの背景>

シエンクアン県ノンヘット郡は、ベトナム国境に接する地域(郡役所から国境まで14km)で、ベトナム戦争当時は、北ベトナム軍がラオス国内へこのノンヘット郡を通って、ラオス共産主義勢力パテート・ラオとともにラオスの村々を共産化していきました。そのため、共産化阻止を図る米軍の空爆がシエンクアン県のなかでも最もひどかった地域の1つといわれます。

地図・シエンクワン県
民族衣装を身にまとった“モン族”の少女

現在は、ラオス政府の選定した47最貧困地域の1つとして、政府も特に重点的に開発を進めていくことを発表しています。この郡には、110村があり、36 ,091人(女性:17,757人)が暮らしています。ほとんどが少数民族のモン族です。モン族を始めとした少数民族の教育環境は、特に遅れており、多く残る不発弾が社会経済的に大きな障害となっている地域でもあります。

また、国際社会ではちょうど本プロジェクト実施時期に、クラスター爆弾禁止条約を成立させるための会議が開かれ、2008年12月3日にはオスロで調印式が開かれました。この調印式では、ラオス政府はもちろん、日本政府も署名しました。

この条約のなかでは、これまで被害を受けた人々の支援というのも条項として盛り込まれており、今まで最も大きな被害を受けたラオスで、最も脆弱な少数民族の多く住む地域の開発のための不発弾撤去を実施することは、非常に大きな意味を持ちます。

ラオス政府にとってもこの条約に署名したことで、早急にすべての不発弾撤去を実施することが義務付けられており、このプロジェクトはその意味でも大きな意味を持ちます。

またノンヘット郡教育省は、現在取り組むべき方針として、次の3つを掲げています。

1. 教育機会の提供(学校建設など)
2. 教育の質の向上(教員の養成など)
3. 教育の管理の改善(教育省の改革など)


これらの3つの方針のうち、教育機会の提供に関しては、ラオス政府や教育省のほうでは、すべての学校建設をまかなうだけの資金がなく、シエンクアン州で建てられた小学校のいくつかは日本のODAや大使館を通しての支援もあるようです。
ノンヘット郡の教育省の担当官は、特にこのカンパニオン村での中学校建設の必要性を指摘しており、今回の中学校建設プロジェクトは、現地教育省の方針とも非常に整合性のあるものといえます。



■ ノンヘット郡の教育環境(2008年12月時点)

ノンヘット郡には、2008年12月現在、小学校:103校(生徒数:8,696人)、中学校:5校(3校は新しく建設中)、高校1校(中学校、高校合わせて、生徒数:1,880人)があります。ラオスの教育制度は、小学校5年制、中学校、高校は3年制という、5・3・3制の一貫教育をとっています。

ノンヘット郡教育省によれば、6〜10歳までの小学生の小学校への就学率は、2007〜08年では89.6%と報告されています。それ以上の年齢では、調査が行われておらずデータがないようですが、家庭の経済的な理由などで学校へ通えなくなる子どももいるようです。

中学校、高校となると、その値が圧倒的に少なく、多くの小学校を卒業した子どもたちは、学校や教室がないために中学校へ通うことができない状況にあります。


現在ある中学校も、十分な生徒を受け入れるだけの教室がなく、午前と午後で生徒が入れ替わる2部制で授業を実施するなどしており、授業時間が十分になく、教育の質も低下せざる負えない状況にあります。



■ ノンヘット郡カンパニオン村と周辺村の基本情報

カンパニオン村は、ノンヘット郡役所から16kmのところに位置しており、周辺14村の中心に位置しています。この中学校のカバーする地域がこの15村で、人口4,499人(男性:1,763人、女性:2,736人)、約700家族が生活しています。これらの村は全て、モン族の村です。



■ カンパニオン村と周辺村の教育事情

2000年に小学校とプレスクール(保育園)用教室ができましたが、2006年から小学校を卒業して中学校へ進学する生徒が出てくると、中学校がないために、小学校の1教室とプレスクールとして使用していた教室の2教室を中学生用の教室として代替してきました。しかし、毎年中学校へ通う生徒は増えており、現在はすべての生徒を受け入れるだけの十分な教室がありません。また小学校用の教室を借りたり、プレスクールの教室を借りたりしているために、小学生の受け入れやプレスクールとしての教室が制限されている状況です。

保育園用教室で勉強する中学生


< 小学生数>
2007-08年: 445人(男子:251人、女子:194人)

<中学生数>
2002-03年: 39人(男子:29人、女子:10人)
2007-08年: 169人(男子:105人、女子:64人)
 ※2007-08年の学年別内訳: 1年生:80人、2年生:59人、3年生30人
2008-09年: 250人(男子:156人、女子:94人)



■ 不発弾処理後に学校を建設する意味と効果

ラオス、特にシエンクアン県では、余りにも多くの空爆が行われたために、あらゆる場所に不発弾が残っており、まだそのほとんどは撤去が完了していません。そこで今現在撤去活動しているMAGは、特に人々の生活圏内にある不発弾を優先的に撤去しています。

不発弾撤去後の安全な土地を、開発が遅れ、最貧困層の少数民族の多く住む地域の開発支援となるように活用することが求められています。その1つとして、子どもたちが集まる学校の敷地を安全にすることは、非常に重要なことであり、また学校を建設する際にも、安全に土台工事を行うことができるようになります。

学校建設予定地で校長先生と握手

また中学校建設により、中学生の教育環境が改善されるだけでなく、現在中学生が小学生用の教室とvレスクール用の教室を借りていることから、小学生の教育環境の改善、プレスクールも同時に再開できるようになると考えられます。

十分な教室が確保されることにより、小学生、中学生の教育の質が大きく改善されることも期待できるのです。特に今まで小学校を卒業したけれども、中学校がないためにその後の勉強をあきらめなければならなかった子どもたちに、教育の機会を提供し、将来の選択肢を広げることになります。

中学校完成予想図:5教室、2事務室、1倉庫



<継続的な支援の必要性>

本プロジェクト(中学校建設予定地のクラスター爆弾不発弾除去と中学校建設そのもの)は、あくまでも一つの始まりでしかないと考えています。

といいますのも、クラスター爆弾が大量に降り注いだラオスの山岳地域の生活は依然として厳しく、その原因の一つが不発弾が依然として大量に眠っていること、そして自由な開墾などの妨げとなっているからです。

この中学校が建設される地域はもちろん、ラオス全土にわたり、世界中の心ある人々と協調して不発弾除去や村落の自立につながるような教育支援、職業訓練、生産物の流通などを継続して行っていく必要があります。

具体的な施策は、中学校の建設のプロセスやその完了などの折々に現地に出向きながら、私たちになにが出来るか、またどのような団体とのコラボレーションが可能かなどを調査、実施していく予定となっています。


是非、皆様もご提供いただける資金、ノウハウ、人的助力などがありましたら、ぜひ弊社にその旨をお知らせ下さい。