虹プリズムと三角プリズムのちがいについて

私たちが「虹プリズム」と呼んでいるものは、直角プリズムの仲間です。本来、直角プリズムは虹……正確には光のスペクトル……を観察するものではなく、光を全反射させることで、光の進行方向を90度または180度変える(これを偏向といいます)ために用いられます。身近な例では、双眼鏡、望遠鏡、カメラなどの光学製品があります。

それでは、直角プリズムである虹プリズムでは「虹は見えないのでは?」という疑問が出てきます。物理にくわしい方からも「虹は見えないだろう」というご指摘をいただいたことがあります。しかし直角プリズムの、直角以外の二つの角(45度)では、三角プリズムと同じように屈折によって光が分散するのです(下図)。これは多くの人が実際に確かめていることです。

一方、三角プリズムは断面が正三角形で、これは光を分散させるのが目的です。太陽光線のようにさまざまな波長の光が含まれている光線を三角プリズムの中に入れると、中で光が屈折します。屈折の度合いは波長によってことなるため、結果として、波長の違いがそれぞれの色のちがいとしてあらわれ、きれいな色の帯が観察できます。これを光のスペクトル………虹と呼んでいるわけです。
安価に虹(光のスペクトル)を観察するということであれば、虹プリズムで充分だと思います。もうすこし本格的に、理科の教科書通りに実験を進めたいということであれば、当社が全国の大学・高等学校に提供している三角プリズムがよろしいでしょう。