Circulation

~めぐる風、よどまない暮らしと私~

現代人が疲れるのは、実は"動いていない"からだそう。

変化のない状態には滞留が生じ、よどみが起こる。

例えば室内ならば、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に。

それが人間ならば、体の停滞は心を沈ませる。

私はいつだって、私らしく笑っている自分が好き。

でもよどみの中にいて上機嫌でいることは難しいし、不快な気分になるのは自然なこと。

じゃあどう工夫する?

答えは簡単、動かせばいい。

"滞留"は"対流"へ。

そして、"循環"へ。

空気が動けば体も伸びて、自然と心も開いていく。

結果快適さは得られ、気分も晴れやかに。

ほら、私らしさが戻ってきた!

よどむ時こそ、空気を動かそう。

何か1mmでも動かせば、それはきっと大きな気流に育つはず。

私たちを取り巻く室内の環境

屋外に比べ屋内は外的要因による影響が少なく空気が滞留しがちです。人が室内に多く居たり、燃焼系の暖房を使用していると一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度も上昇しますので、よく「換気しましょう」というのはこのことによるものです。また、夏場や冬場は冷房や暖房を使用しますが、何も手を加えないと空気は循環しづらく、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと溜まりがちになってしまいます。夏場ならエアコンを入れているのにいつまでも涼しくならない、足元だけがひんやりしている。冬場なら暖房を入れているのに足元がいつまでもひんやりしていて寒い…といったことはありませんか?

空気の滞留を解消し、循環や換気を行うことでより過ごしやすい空間を作っていくことで身体だけでなく気持ちの面でもイライラがなくなったり、集中力が得られたり、一方でリラックスもできたりと空気をコントロールすることで日々の暮らしを快適にし、心身ともに健やかに過ごせる生活の技です。

それを効果的に行えるアイテムとして注目されるのが「サーキュレーター」です。ここでは快適な環境を手に入れるためにサーキュレーターを導入すべき理由を諸々の解説を交えてご案内いたします。

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Leo

暖かい空気は上へ
冷たい空気は下へ

サーキュレーター(Circulator)とは日本語に直訳すると「循環装置」となります。多様な業界で様々なサーキュレーターと呼ばれる製品がありますが、ここでは空気循環を目的とした扇風機に類似した家庭用の製品についてお話をしていきます。まず、前述でも触れた空気の滞留に伴う高低で発生する温度差について。水でも同じ現象が起こりますが、沸かしたお風呂をしばらく置いていると底が冷たく上が熱い。真夏でも海に入れば海面部分は暖かく足元の深いところは冷たいという経験されてことがおありではないでしょうか?これは温度によって空気や水の体積が変化しそれに伴って密度が変化してそれぞれ上下に分離する自然の摂理です。夏場のエアコンは高い位置から冷たい空気を送りますし、冬場なら暖かい風の吹き出し方向を下に向けますが、この摂理に従って理にかなった方法になっています。しかし、エアコンの風程度では中々部屋全体を素早くかつ適正な状況を保つには少々無理があります。そこで、追加措置として強力な風力で空気を撹拌し素早くかつ持続的に室内を適正温度にするために使用するのがサーキュレーターの役割です。例えば夏場に冷房を使用する際、エアコン単独の場合とサーキュレータを併用した場合とを比べたイメージをご覧ください。

素早く室温を適正温度にすることが
省エネのポイント

エアコンなど空調機器は設定した温度に達するまでそれに近づけようとパワーを上げて運転しようとします。つまり、サーキュレータと併用することで素早く部屋全体の温度を適正にすることが、結果としてエアコンなど空調機器の過剰な運転を抑え、省エネにつながります。サーキュレーターを使うことで機器を多く使用することになり、電気代がよりかさむのでは?と思われるかもしれませんが、サーキュレーターの電気代とそれを比較してもサーキュレーターの電気代の方が安く、併用することの方が効率的で過剰な電力消費もないため、省エネと言われる所以です。

現に、サーキュレータの電気代は一時間当たり1円以下です。またそもそも素早く温度が適正になることは私たちにとっても素早く快適さを得られるということなので、使わない手はありません。

サーキュレーターの
効果的な使い方

洗濯物の部屋干しに効果的

雨の日や夜間など洗濯物を部屋干ししなければならないときってありますよね。しかしこの部屋干しがなかなか乾かない…。そもそもなぜ外で干すとすぐに乾いて、部屋干しなら乾かないのか?それは「太陽エネルギーによる水分温度の上昇」「風による気化」「遮蔽するものがない」という要素が屋外にあるからですが、室内にはこれら要素がほぼありません。太陽の光はもちろんなく、風が吹くわけではないので気化もあまり見込めない。さらに室内という遮蔽空間で気化した水分の逃げ場がないと三拍子そろっています。そこで活躍するのがサーキュレーター。強い風を当てて強制的に気化を促進するわけです。季節によって異なりますが、除湿器やエアコンの除湿機能と併用したり、窓を開けるなどして複合的に対策することで、部屋干しもより乾きやすくなります。

時折変化をつけましょう!

サーキュレーターの風を当てるときには一か所に限らず首振りや位置を変えるなど風に変化をつけましょう。高い位置に洗濯が干せる場合は下から上に向かって風を当てましょう。水分を多く含んだ空気は重いので低い位置に降りてこようとします。また、極力洗濯物通しの隙間を作り風が通りぬけることができるような干し方や風の当て方を心掛けましょう。洗濯物自体も場所を変える、向きを変えるなど変化をつけると良いでしょう。

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扇風機とサーキュレーターの
違いとは?

羽を回して風を起こすという点では、扇風機と何が違うのか?とお思いの方も多いのではないでしょうか。原理は同じですが、機能的な違いと、そもそも目的が違います。扇風機は人に対して快適な風を送ることを目的しているのに対し、サーキュレーターは空気の循環や前述のような洗濯物などに当てることが目的です。そのため扇風機が比較的弱い風に対して、サーキュレーターは非常に強い風を発生させることができます。また、風の質も広く柔らかい風を発生させる扇風機に対し、直線的、集中的に遠くまで強力に風を送り込むのがサーキュレーターです。そのため、構造にも違いがあります。より強力に多くの風を送り込むために、サーキュレーターの多くは胴体にやや奥行きがあるものが多くみられます。一部に扇風機のような外観のものもありますが、より本格的なものになるほどに扇風機等の外観や構造の違いが出てきます。最近では扇風機のような風を起こすことができるサーキュレーターも出てきており、その逆に扇風機でも強力な風を起こすことができるものも出てきており、線引きが曖昧になりつつあります。

また、より最近では部屋干しの嫌なニオイを発生させる菌の発生を抑制したりすることができる機能を持ったサーキュレーターも出てきており、一方でいわゆる家電臭いデザインばかりだったこれまでの製品に対し、よりスタイリッシュなデザインのものも出てきています。

もちろん、部屋干しや室内の空気循環に扇風機が役に立たないわけではありません。同じように風を発生させるわけなので、一定の効果は見込めますが、やはり「餅は餅屋」。サーキュレーターの方がその目的には適しています。

用途・特徴サーキュレーター扇風機
空気循環
風を遠くまで
届ける
×
涼むために
風に当たる
×
静音性

「DCモーター搭載」って
よく聞くけど一体何のこと?

ここ10年ほどで扇風機やサーキュレーターで「DCモーター搭載」とうたわれた製品をよく目にするようになりました。消費者心理としては「何か良さそう」とは感じるものの、一体何のことなのか?電気代が高くつくのでは?とお思いの方も多いのではないでしょうか?

DCモーター出現以前はACモーターが主流でした。
この「AC」「DC」とは何のことかというと…

AC = 交流

DC = 直流

という電流の流れを示すもので、DCは電圧が一定で一方向にのみ流れるのに対し、電圧が一定周期でプラスとマイナスで切り替わり電流の流れる方向が常に変化するのがACです。よく家電製品の電源でACアダプターというものが付属していることがありますが、このACは交流であることを示しており、家庭用のコンセントはACになります。…と少々小難しい話になってしまいますので、専門的な話はここでは割愛して、わかりやすく比較した表が以下になります。

DCモーターACモーター
電圧直流交流
風量細かく調整可能細かい調整は
できない
消費電力少ない多い
運転音静か大きい
価格高価安価

従来の扇風機の風量ボタンは「弱・中・強」といったような大まかな風量設定しかできなかったのは、ACモーターであるが所以でした。最近では10段階など細かい設定ができるものや無段階の設定ができるようになっている製品が出てきているのはDCモーターを搭載することで実現できたものになります。また、表にあるようにDCモーターは消費電力も少なく省エネ、運転音も静かでいいことづくめですが、価格が高いというデメリットがあります。最近の高価格帯の扇風機やサーキュレーターはほぼDCモーターが採用されており、高価格になる要因の一つとなっています。

省エネとは言え劇的に電気代が安くなるとまでは言い難く(そもそもACモーターの電気代もそこまで高いわけではない)かなり長い期間使わないとペイできないかとは思われますが、それ以上それ以上に細かな風量調整や静音ということを考えると、快適さに投資したと考えた方が良いのではないでしょうか。

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Tim

【番外】 恒常的で穏やかな循環には
シーリングファンがおすすめ

おしゃれなショップやカフェのような雰囲気を思い浮かべそうなシーリングファン。これも元々天井付近に溜まった暖かい空気を循環させるためのものです。

羽根には風の方向性を決める角度付けがされており、回転する方向によって上から下、下から上と切り替えることができるため、季節に応じて使い分けることができます。

サーキュレーター程強力な風は発生せず、瞬発的な撹拌能力などは劣りますが、天井付近に設置されていることと、大型の羽根のため効果的な撹拌性が見込めます。そのためエアコンなどの空調との併用という点で、ある程度適正な温度に達した後、適正温度を保つ恒常的な使い方になります。また、換気や冬場の加湿など広く効果が見込めます。

目に見えて効果がわかりにくい側面はありますが、そのインテリア性も相まって近年一般のご家庭でも導入が進んでいます。

シーリングファン導入の注意点

 

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epilogue

人間は、単純だ。

暑い、寒い、湿度が高い、空気が悪い…

ちょっとしたことで、私らしさをすぐ見失う。

そんな自分を責めたり、気合でなんとかする必要はない。

それよりも、自分のために快適な空気を作ってあげよう。

その方が気分が戻るのも早いのだ。

空気を動かすことは、自分を慈しむこと、そして周りを大切にすること。

風がめぐれば、暮らしと私はよどまない。

さあ、疲れや不快はできる限り空気に流して!

私らしく笑って暮らす日々を、優しい風と共に。

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