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ジュエリーが生まれるまで。

ジュエリーという一つのものを生み出すために、何年もかけて技術を磨きつづける職人がいます。何千、何万と素材を形にし命を吹き込んできたその手からは、今日もまた新しいジュエリーが生まれ、身に着ける人の感情をゆり動かすのです。

この「ジュエリーが生まれるまで」のコンテンツではアムのジュエリーが生まれるまでをご紹介致します。普段あまり見ることのできない、工房の裏側をどうかご覧くださいませ。

キャスト(鋳造)の準備をします。

【ワックス型の作製】

ワックスポットと言われる機械を使って、作製したゴム型に溶けた状態のワックスを流し込みます。

このワックスはキャストをした際に溶けて消失してしまうためロストワックスとも呼ばれており、素材によっても異なりますが融点は70℃程度です。

前の工程のゴム切りがうまく出来ていないとワックスを取ったときに綺麗にワックスが流れ込まなかったり、バリが出てしまったりします。

このワックスの状態になったときに、原型よりも一回りジュエリーの大きさが縮みます。

【サイズ合わせ】

指輪の場合はこの段階でご注文のサイズに合わせます。

メスで指輪のアーム部分に切れ目を入れた後でサイズ棒でサイズを合せ、ワックスの造形や修正ができる専用道具のワックスペンで接合部を溶かしてつなぎます

キャストで地金にした時に、もう一回り大きさが縮むので、そのことを考慮しつつサイズ合せを行います。

【ツリーの作製】

サイズを合わせた指輪や、ゴム型から外したペンダントなどはキャストする地金ごとに分けて、ツリーにします。

ゴム製の円錐台に芯を立て、上の方から湯口を芯に木(ツリー)のように付けていきます。

後の工程でこのツリーを石膏に埋没した際に、中心に立てた芯が、溶かした地金のメインの通り道となります。

ツリーを作製する上で重要なのは、キャストをしたときに地金がどのように流れて細部に行き渡るかを考えること。

一つ一つのパーツをどの位置に立てるか、またどの角度で立てるかが、キャストの仕上がりに大きく影響します。

またロストワックスは非常に柔らかく壊れやすいため、取り扱いにも細心の注意が必要です。

【埋没】

埋没とはキャストを行う上で重要な工程で、仕上がったツリーを石膏系の埋没材に埋没して、鋳造のための鋳型を作製します。

まず埋没を行う前にツリーの重さを測ります。ここからキャストに必要な地金の量を計算します。

計量したツリーは円筒容器をかぶせてガムテープを貼り、中身がわかるように番号をふります。

埋没にはいくつかの工程があり「撹拌→脱泡→流し込み→脱泡→乾燥」の順番で行われます。

(撹拌)
埋没材を適量の水と合わせながら撹拌機で混ぜあわせます。水は徐々に加えて行き、ちょうどよい柔らかさになるように調整します。

(脱泡)
水を合わせた埋没材を脱泡機に入れ、真空状態にして揺らしながら空気を抜きます。流しこみを行ったあとでも脱泡を行うのですが、脱泡がうまくできていないと、キャストをした際に、気泡部分に地金が流れ込み肌荒れの原因となります。

(流し込み)
鋳枠に埋没材を流し込みます。ロストワックスで作製したツリーはたいへん壊れやすいため、ツリーを壊さないよう注意を払いながら、埋没材を流し込みます。

(乾燥)
乾いた粉の上に埋没材を流し込んだ鋳枠を置いて、一晩寝かせて乾燥させます

これらの工程をふんで、出来上がった鋳型を使いキャストを行います。