テクタイトとオブシディアンのブレスレットは似ていないと思われるでしょうが実は同じ天然ガラスです。
テクタイトとして購入したのに鑑別するとオブシディアンだった事が私自身にも今まで2回ありました。
それが下の写真です。
成分分析を行ったために2粒減らされ重さが書き換えられている事が確認できます 24.1g→21.41g
尚、成分分析は石をスライスして分析するため鑑別料金が時価となり価格が非常に高くなる事と鑑別書の出来上がりに日数が掛かります。
どちらも同じ天然ガラスですが火山活動で生成されたものがオブシディアンです。
一方のテクタイトは隕石の衝撃によって超高温状態になった岩石と隕石が溶解しあい、ガラス質に変異したものです。
オブシディアンの鑑別書
岩石名 天然オブシディアン
宝石名 オブシディアン
テクタイトの鑑別書
物質名 天然ガラス
宝石名 テクタイト
何かおかしいと気づかれたでしょうか。
オブシディアンは岩石名なのにテクタイトは物質名になっています。
テクタイトは隕石の衝撃により生成された地球上に存在しない物質に変化したので物質名となり天然ガラス、宝石名がテクタイトとの鑑別結果がでました。
その他のテクタイトや隕石(モルダバイト、リビアングラス、コンドライト、アイアンメテオライト等)も地球上に存在しないため物質名となり隕石なら天然隕石となります。
下の写真はギベオンの鑑別書ですが宝石名に注目して下さい。
アイアン・メテオライト(鉄質隕石)と書かれています。
本来ならば「アイアン・メテオライト ギベオン」と書いてもらった方が販売する側としてはギベオンの知名度により売りやすくなるのですが、同じ網目状のウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる模様が見られる鉄質隕石がスウェーデン(ムオニナルスタ隕石)にも存在しギベオンと限定できないので、宝石鑑別団体協議会(AGL)では「アイアンメテオライト(鉄質隕石)」と書かれます。
一方のオブシディアン(黒曜岩)はマグマが急に冷えてできた火成岩のため岩石名で天然オブシディアンです。
因みに火成岩は、火山岩と呼ばれ主な火山岩は、下記のものがあります。
黒曜岩(こくようがん) オブシディアン ←今回のテクタイトによく似た天然ガラスです
流紋岩(りゅうもんがん) ライオライト
安山岩(あんざんがん) アンダサイト
玄武岩(げんぶがん) バサルト
軽石(かるいし) パミス
真珠岩(しんじゅがん) パーライト
同じ天然ガラスでも如何に違いがあるかわかって頂けるかと思います。
テクタイトは隕石の衝突によって地球外物質に変化しているのでオブシディアンとテクタイトでは希少性が全く違います。
オブシディアンは地球上の色々な場所で採掘出来ますがテクタイトは極端に少なくなります。
テクタイトの特徴
上の写真は左がテクタイト原石で右がブレスレットです。
テクタイトの原石は表面に大量のオウトツがあるのでビーズ加工した場合にもそれらが残ることがわかるかと思います。
赤い○で囲んでいる所など原石と同じ様な大きなクボミがあります。
その他小さなクレーター状の粒粒が大量に確認でき、これらが存在することがテクタイトである事の証になります。。
そのためビーズ加工すると表面に無数の細かな傷、クボミ等が存在するのが当然で、これらが無いものはテクタイトでない可能性があるのです。
もし、テクタイトブレスレットを購入希望の場合はこのような傷だらけでクボミが確認できるブレスレットをお探しくだされば、鑑別書が無くとも本物のテクタイトと巡り合える事でしょう。