自然派トスカーナ〜造り手を感じるワインたち〜
いまやひとつのムーブメントとなっている「自然派ワイン」。”自然派”の定義・解釈は造り手・飲み手によって様々ですが、共通する考え方は、「自然農法(有機、無農薬)」「できるだけ手を加えず自然なままワインにする(野生酵母による発酵など)」「SO2(酸化防止剤)を極力添加しない」ということ。

イタリア自然派を牽引するひとり、ヴェネト州ガンベッラーラの生産者「ラ ビアンカーラ」のアンジョリーノ マウレは、1990年頃から、「ヨスコ グラヴナー」などフリウリの生産者と研鑽、刺激しあうなかで、より自然な造りのワインを目指すようになりました。その中で、共通する考えを持つ「ラディコン」、「ラ カステッラーダ」、「ダリオ プリンチッチ」たちと、『ヴィーニタリ』で共同のブースで出展するなどグループを形成するようになり、この集まりが現在ではいくつか存在するイタリア自然派グループの出発点といわれています。

こうして、自分が中心となって作ったグループでしたが、意見の相違から2005年に脱退。さらに2006年、「ヴィン ナトゥール」というグループを結成します。常に問題意識や知ることへの渇望、変化を求める情熱家の彼のもとには若者が集い、その影響を受けた新しい造り手が次々と誕生しています。

ここで紹介するのは、アンジョリーノとその仲間たちが造るワイン。人的関与を極限まで廃した、いわば原点回帰ともいえるワイン造りですが、どのワインとも一線を画すその個性に満ちた味わいには不思議と「新しさ」を感じます。
※記載のヴィンテージは切り替わる可能性があります。現在販売中のヴィンテージは各商品ページでご確認ください。
■ アンジョリーノ マウレとその仲間たち
ラ ビアンカーラ (アンジョリーノ マウレ)
いまやイタリア自然派を代表する造り手となったアンジョリーノ マウレ。 年々異なるであろう畑そしてブドウの皮に付く酵母を始めとする様々な微生物の生息状況も、それぞれのヴィンテージの特徴であると考え、野生酵母のみを使用して醗酵させ、SO2も瓶詰め直前に少量添加するのみ。醸造中最も微生物汚染の危険性があるブドウの圧搾時や、樽の移し換えのときにも添加せずに醸造しています。またワインの香りや味わいに、余分な木のニュアンスを与えないように新樽の使用をやめ、大樽と使い古しの小樽で熟成をさせています。

安定を好まず、常に知ろうとすることに貪欲な人物として知られるアンジョリーノ。いまや市場で絶大な支持を受けている「サッサイア」も、当初はSO2の無添加など実験的な試みをするキュヴェとして始められたものでした。そして現在もなお、自然との対話の中で常に新しいものを生み出す試みが続けられています。
 
ダニエーレ ピッチニン
■煌めく強い信念を持つアンジョリーノの「一番弟子」
自身のワイナリーの場所に決めたのは生まれ故郷であるサン ジョヴァンニ イラリオーネ。1000年以上前からこの地域で栽培されていた「ドゥレッラ」という白ブドウがありますが、もともとはRabiosa(ラビオーザ、過激な、の意)と呼ばれていた品種で、名前通り、鋭い酸、強いタンニンが特徴。ただでさえマイナーな上に、酸が強すぎることもあって、植え替える人がほとんど。しかしダニエーレは、本当に完熟したドゥレッラならば絶対に偉大な白ワインを造れると信じ、家の近くを開墾してあえてこのブドウを植えました。

強い信念をもって造られるワインは、いまや師匠アンジョリーノの良きライバルと称されるほど。SO2は一切添加せず、ノンフィルターでボトリングされます。
 
ダニエーレ ポルティナーリ
■寡黙で熱い郷土愛を持つ「栽培のプロフェッショナル」
アンジョリーノ マウレとの出会いは、コッリ ベーリチの土着品種「タイ ロッソ」に、アンジョリーノが惚れ込み、この地域に畑を開墾しに通っていたことがきっかけ。ブドウを売っているだけでは、どんなに質の良いものを作っても意味がないと感じ始めていたダニエーレ。アンジョリーノの強い後押しで、2007年に古バリックを1樽分のメルローを仕込み、出来映えに確信を得た2008年から生産量を増やし始めます。

ピノ ビアンコ、タイ ビアンコで造る白ワイン、"ピエトロ ビアンコ"、メルロー、カベルネで造る赤ワイン、"ナンニ"、タイ ロッソ100%の赤ワイン、"タイ ロッソ"の三種類のワインを生産。郷土のテロワールを表現したワインを造りだしています。
 
ダヴィデ スピッラレ
■底知れない可能性を持つ最年少の「輝きを秘めた原石」
ダヴィデの父がアンジョリーノの友達だったということもあり、小さな頃からアンジョリーノの家に出入りし、畑やワイナリーでの仕事に魅了されます。ダヴィデは農業学校に通いながらアンジョリーノの所にも足繁く通い、ノウハウを学び、自らも実践するようになりました。

畑、ワイナリーのどちらにおいても、全ての作業は自然に最大限の敬意を払って行われ、畑ではボルドー液以外の薬剤を一切使用せず、ワイナリーでもボトリング直前に若干量のSO2を使うのみ。師匠アンジョリーノや兄弟子たちのバックアップを受け、これからの可能性を感じるワイン造りを行っています。
 
 
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