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Interview

突撃インタビュー

2019/09/19

テヌーテ ルビーノ社 フランチェスコ デ マウリ 氏

プーリア州ブリンディジ原産の土着希少品種ススマニエッロを世界に発信!ススマニエッロ100%で初めて造った2001年ヴィンテージが『カンベロロッソ』トレビッキエリ(最高賞)獲得!新DOC 「ブリンディジ ススマニエッロ」獲得の使命に燃える「テヌーテ ルビーノ」

テヌーテ ルビーノ マウリ フランチェスコ氏
プーリア州サレント半島ブリンディジに位置するテヌーテ ルビーノ。古くから品質が良く評判だったプーリア産のブドウで自らワインを造ることを決意し1999年にワイナリーを立ち上げました。「これこそがプーリアのワインだ」というアイデンティティを表現するため、希少品種「ススマニエッロ」単一品種のワインに仕上げるという目標にチャレンジ。結果、ススマニエッロ100%赤トッレ テスタが初リリース2001から『ガンベロロッソ』最高賞を獲得、その実力を世界に知らしめました。今回は、新DOC「ブリンディジ ススマニエッロ」獲得の使命に燃えるテヌーテ ルビーノの輸出部長フランチャスコ デ マウリ氏にお話を聞きました。

プーリアの潮風と海に近い土壌が育むブリンディジ原産の希少品種ススマニエッロ!プーリアのアイデンティティをアピールするため新DOC「ブリンディジ ススマニエッロ」獲得を目指すテヌーテ ルビーノ

テヌーテ ルビーノ ロゴプーリア州サレント半島のブリンディジを本拠地とするテヌーテ ルビーノの現オーナー、ルイージ ルビーノ氏は、父が1980 年代半ばに購入した農園を発展させ、1999年にテヌーテルビーノを立ち上げました。

今注目を集めているのがルイージ氏が復活させた希少土着品種「ススマニエッロ」です。早熟で栽培の難しい黒ブドウ品種ススマニエッロは栽培に非常に手がかかり、樹齢15年をピークに収量がかなり落ちる事が原因で、多産を求められていた80年代のサレントでは見向きもされなくなってしまい、一時期絶滅の危機に瀕していました。ルイジは購入した畑に放棄されていた樹齢75年のススマニエッロから根気強くマッサールセレクション(より良い樹だけ残していく方法)を行い、ブドウを少しずつ増やしていくことに成功します。

トッレ テスタ史上初!「ススマニエッロ」100%でトレビッキエリを獲得した赤ワイン「トッレ テスタ」
昔からブレンド用として栽培されていたススマニエッロで単一品種のワインを造り上げるまでには幾度もの試行錯誤がありました。98年から挑戦しましたが、収穫したブドウは酸味が強くワインとして完成には至りませんでした。収穫時期を遅らせ熟度を高めるなど工夫を凝らし、2001ヴィンテージが世界で初めて「ススマニエッロ」100%の赤ワインとしてリリースされました。
そしてファーストヴィンテージでいきなり『カンベロロッソ』トレビッキエリ獲得という快挙を達成。当時のプーリアワインには珍しかったエレガントな味わいで、世界にススマニエッロの存在を知らしめました。その後「トッレ テスタ」は計5回のトレビッキエリを獲得し、テヌーテ ルビーノのフラッグシップワインとして知れ渡ることになります。

オルトレメ希少品種ススマニエッロをより身近に!「オルトレメ」4年連続トレビッキエリ獲得の快挙!
ススマニエッロは手間と時間がかかるブドウです。そうしたことからデイリーで飲めるススマニエッロが少なかったのです。ススマニエッロの特徴である、果実感と華やかなアロマ、綺麗な酸味を気軽に楽しんで欲しいという思いから、トッレテスタに次ぐススマニエッロ100%のワイン「オルトレメ」を造りました。それが予想以上の出来映えだったので、オルトレメ(自らを超えた=予想以上に美味しい)と名付けました。希少な品種だからこそより多くの人に知ってほしい、テヌーテルビーノのこの品種復興にかける思いが伝わってきます。このオルトレメは2015、2016、2017に続き、2018年もトレビッキエリ獲得という快挙を達成し、今後もますます目が離せないワインです。

テヌーテ ルビーノ  地図「本物のススマニエッロ」をより明確に世界にアピールすべく新たなDOC「ブリンディジ ススマニエッロ」取得への取り組み
トレビッキエリ常連となったテヌーテ ルビーノは今も新たなる挑戦を続けています。是非注目したいのが、現在進めている新DOC「ブリンディジ ススマニエッロ」取得への取り組みです。

サレント半島ブリンディジの海岸線近くに複数の畑を所有し、それぞれの畑が持つテロワールに合わせてブドウを栽培しています。オーナーのルイージ氏が畑の中で放棄されていた樹齢75年のススマニエッロを最も海辺に近い畑「イヤッディコ」に植樹し、徐々に数を増やしていき、当初0.2haほどだった畑は2018年時点で14haにまで増やすことに成功しました。

テヌーテ ルビーノ イヤッディコの畑「イヤッディコ」の畑は海岸から僅か300mの位置にあります。海抜0m、石灰質を多く含む砂岩土壌で、ブドウの根が深く、広く張っています。ミネラルを多く土壌と海から潮風が常に吹きブドウを健康な状態で成熟させることができます。これ以上海に近いと土壌に含まれる塩分の影響でブドウの樹が枯れてしまうギリギリのラインで育ったススマニエッロは、他のエリアにはないエレガントさ、フレッシュ感、野性味が感じられる特別なワインに仕上がります。まさに「ブリンディジのススマニエッロ」と言えるオリジナリティが感じられます。

ススマニエッロそして、そのオリジナリティ「本物のススマニエッロ」をより明確に世界にアピールすべく、新たなDOC「ブリンディジ ススマニエッロ」取得を目指しテヌーテ ルビーノは日々努力を続けています。

世界で唯一ススマニエッロ100%で造る瓶内二次発酵ロゼスプマンテ

スマレ30プーリアワイン躍進の立役者は次々と新しいプロジェクトに挑戦しています。ススマニエッロは赤だけではない事を表現したかったというルビーノ氏が2012年に世界初、現在でも唯一のススマニエッロ100%の瓶内二次発酵ロゼスプマンテ「スマレ」をリリースしました。

フランチャコルタの法定熟成期間18ヶ月を軽く超える30ヶ月の瓶内二次醗酵を行います。スキンコンタクトで色づかせて、16~18度に温度管理されたステンレスタンクで醗酵。フランチャコルタの法定熟成期間18ヶ月を軽く超える30ヶ月の瓶内二次醗酵を行います。出来上がるスプマンテはブドウの豊かなアロマと綺麗な酸味、土壌由来の硬質なミネラル感が相まって研ぎ澄まされたボディとなります。

当初は12カ月の熟成期間を想定していましたが、初リリースから更に研究を重ね現在では、30カ月熟成の「スマレ30」と42カ月熟成の「スマレ42」とブラッシュアップされています。

もともと収量の少ないススマニエッロを使う「スマレ」の生産本数は僅か年間3000本程度と大変希少なワインです。「スマレ」には裏ラベルに1本ずつ固有の「ロット番号」が記載されています。この唯一無二のロゼスプマンテには「大切で特別な1本」という生産者の熱い想いが感じられます。

テヌーテ ルビーノ

プーリアの希少品種ススマニエッロ100%でトレビッキエリを獲得!テヌーテ ルビーノのフラッグシップワイン「トッレ テスタ」

2001年のファーストヴィンテージでいきりトレビッキエリを獲得し世界を驚かせたテヌーテ ルビーノフラッグシップワイン「トッレ テスタ」。海岸から僅か300メートル、海抜0メートルの畑「イヤッディコ」ではミネラルを多く土壌と海から潮風が常に吹きブドウを健康な状態で成熟します。これ以上海に近いと土壌に含まれる塩分の影響でブドウの樹が枯れてしまうギリギリのラインで育ったススマニエッロは、他のエリアにはないエレガントさ、フレッシュ感、野性味が感じられる特別なワインに仕上がります。
トッレ テスタ2016

試飲
コメント

紫色を帯びた深いガーネットレッドで、ブランデー、黒スグリ、ブラックベリーのジャム、カカオ、ナツメグ、甘草、シナモン、インクなどの複雑な香りが感じられます。しっかりした酸とタンニンが調和し、エレガント性と力強さを併せ持っています。長く続くアロマティックな余韻をお楽しみください。

テヌーテ ルビーノ

世界で唯一のススマニエッロ100%瓶内二次ロゼスプマンテ!30カ月の長期熟成でリッチな気品ある味わいの「スマレ30」

テヌーテ ルビーノのフラッグシップ「トッレ テスタ」と同じ畑から栽培したススマニエッロ100%で造られる瓶内二次ロゼスプマンテです。海抜0メートルの畑で育つススマニエッロは海の影響を受けて、フレッシュで野性的なブドウに仕上がります。瓶内で30カ月の熟成を行うことで酸と渋みは丸みを帯び、美しく力強い泡と、上品な味わいが生まれます。
スマレ 30マンス2015

試飲
コメント

輝きのあるサーモンピンク色でキメ細かな泡がグラスの中を立ち上り、フローラルでフルーティなアロマに、スパイシーな香りが感じられます。口に含むと心地よい酸味と力強い骨格が感じられ、スパイシーさとドライでキレのある味わいをお楽しみいただけます。

テヌーテ ルビーノ

テヌーテ ルビーノのフラッグシップ「トッレテスタ」と同じ畑から造るススマニエッロのロゼ!

テヌーテ ルビーノはブリンディジに「イヤッディコ」「マルモレッレ」「ウッジョ」「プンタアークイラ」など4つの畑を所有しています。その畑すべてにススマニエッロを植え、仕上がりを研究した結果、トレビッキエリを獲得したトッレ テスタ、オルトレメが持つような洗練されたエレガント性が出せるの「イヤッディコ」だけだということが分かりました。トッレ テスタ ロゼのススマニエッロもこの「イヤッディコ」で栽培されています。
トッレ テスタ ロザート2018

試飲
コメント

ワインは柔らかなスミレ色がかった明るいピンク色。ストロベリー、ザクロ、チェリーなどのフレッシュでフルーティーな香りが感じられます。飲むと心地よい酸味と海由来のほのかな塩味があります。新鮮な果実味、エレガントで優しい味わいにまとまったこのロゼは、タコやエビ、イカなどの魚介のカルパッチョや、天ぷら、リゾット、トマトとエビのリングイネと抜群の相性が楽しめます。

テヌーテ ルビーノ

4年連続トレビッキエリ獲得!より身近に楽しめるススマニエッロ100%エレガント赤

2015ヴィンテージから4年連続トレビッキエリ獲得の快挙を達成した「オルトレメ」。スッスマニエッロは栽培に非常に手間と時間がかかるブドウで、収量の少なさから気軽に飲めるススマニエッロがあまりありませんでした。ブリンディジのススマニエッロの特徴である果実感と華やかなアロマ、綺麗な酸味をより気軽に楽しんで欲しいという思いからこのワインが生まれました。
オルトレメ2017

試飲
コメント

紫がかった若々しい綺麗なルビーです。チェリー、ザクロ、熟したプラムの豊かな香りにバラやスミレの花、ミネラルの華やかで清々しいニュアンスが綺麗に重なります。飲むと、タンニンは極めて柔らかく、スムーズで継ぎ目のない滑らかな果実感、バランスのとれた酸味とミネラル感がこのワインの味わいをよりエレガントなスタイルへ導いています。

テヌーテ ルビーノ

力強くもエレガンスに満ちたミネラル感!プリミティーヴォ100%の「プンタ アークイラ」

テヌーテ ルビーノが所有する畑「プンタ アークイラ」のみから造られるプリミティーヴォ100%のワインです。ブリンディジ南東部、標高100メートルにある38ヘクタールの畑は痩せた土壌で石が多く含まれ、ミネラル感に富むワインが産み出されています。栽培はコルドン仕立てで1ヘクタールあたり6000本の高密植栽培でブドウの凝縮度を高めています。温度管理されたステンレスタンクで約10日間のマセラシオン後、主醗酵、マロラクティック醗酵を行います。熟成にはステンレスタンクで5か月間、4000リットルのフランス産オーク樽で4か月間で最低でも4ヶ月間の瓶内熟成を経てリリースされます。
プンタ アークイラ2016

試飲
コメント

深く濃いルビー色です。ブラックチェリーやプルーン、カシスの充実した果実の印象に、スパイスやタバコ、黒コショウ、甘草、ハーブの複雑で豊かな香りが溶け合っています。飲むと、凝縮した力強い果実感と強いタンニンがあるものの、飲み心地は滑らか。特筆すべき綺麗な酸味とミネラルがボディを引き締め、アルコール14.5%とは思えない程のエレガンスと繊細な表情を魅せてくれます。

テヌーテ ルビーノ

ドライで洗練されたネグロアマーロのロゼ!溢れるミネラル感と厚みのある果実の豊かな味わい

「イヤッディコ」の畑に植えられたネグロアマーロから造られる、色調豊かで洗練されたドライな旨みが詰まった秀逸なロゼワインです。畑はコルドン式で1ヘクタールあたり3800本の高密植栽培でブドウの凝縮度を高めています。石灰質を多く含む砂岩質土壌で樹齢は20年です。わずかな時間果皮と接触(スキンコンタクト)させた後、温度管理されたステンレスタンクで16~18℃でアルコール発酵・熟成を行います。
サトゥルニーノ ロザート2018

試飲
コメント

スミレの花やレッドチェリーのフレッシュで華やかな香りにザクロやラズベリー、苺のチャーミングなニュアンスと涼しげなミネラルが綺麗に重なります。厚みのある豊かな味わいながらも、酸とミネラルがしっかりと支えていて、スムーズでしなやかな飲み口があります。

テヌーテ ルビーノ

最も長く愛されている人気の赤ワイン「マルモレッレ ロッソ」

「マルモレッレ」の畑から造られるコストパフォーマンスに優れた赤ワインです。海抜0メートルの38ヘクタールの畑には石灰質を多く含む粘土と石が多く含まれ、ミネラル感に富むワインが産み出されています。ネグロアマーロとマルヴァジア ネーラをブレンドし、穏やかな酸味や心地よいミネラルの調和のとれたワインに仕上がります。
マルモレッレ ロッソ2015

試飲
コメント

果実の厚みがありながらもバランスに長けているので食事とも合わせやすく、サラミやハム、お肉料理全般と合わせやすいです。豚肉のトマトソース煮込み等もとても相性が良いです。テヌーテ ルビーノではラグーソースのタリアテッレやローマ風サルティンボッカと合わせるのがオススメとのことです。

テヌーテ ルビーノ

プーリアきってのクリーンでエレガントな味わい「マルモレッレビアンコ」

「マルモレッレ」畑に植えられたシャルドネとマルヴァジア ビアンカから成るワインです。テヌーテ ルビーノが造るワインの中で、唯一国際品種を使っています。平均樹齢は18年で1ヘクタール当たり3800株を植えています。シャルドネは例年8月第2週、マルヴァジアビアンカは9月にどちらも手摘みで収穫されます。収穫されたブドウは丁寧にソフトプレスされ、ステンレスタンクで醗酵、熟成行い、3ヶ月間の瓶内熟成を経てリリースされます。マロラクティック醗酵は行ないません。
マルモレッレ ビアンコ2018

試飲
コメント

明度の高いライトイエローの綺麗な色調です。グレープフルーツの爽やかさに桃や西洋梨のピュアでクリーンな果実の香りに、涼しげなミネラル、白い花のニュアンスが綺麗に寄り添っています。飲むと、フレッシュで滑らかな果実感と土壌由来の豊かなミネラル感、海が近い畑らしく、余韻に綺麗な塩味が感じられ、軽やかでスマートなボディながらも味わいの要所は外さない実に良くできたワインです。魚料理と好相性なので、是非お試しください。

インタビューを終えて

「これこそがプーリアのワイン」というアイデンティティを表現し、プーリアワインの発展に努めるテヌーテ ルビーノ。そのアイデンティティの最たるものが美しい海のすぐ隣で潮風に吹かれながら育つブリンディジ原産の希少品種ススマニエッロです。テヌーテ ルビーノが90年台後半から研究と試行錯誤を重ね、現在では14ヘクタールほどの栽培面積まで復活しました。

ブリンディジのテロワールでこそ生まれる美しい酸と豊富なミネラルが織りなすエレガンス性は、他のススマニエッロの栽培エリアにはないオリジナリティあふれる味わいです。今、テヌーテ ルビーノでは、このオリジナリティをより明確に発信するべく新DOC「ブリンディジ ススマニエッロ」取得を目指し日々努力をしています。この先、テヌーテ ルビーノの活躍によってブリンディジ原産のススマニエッロの魅力がより多くの方に知っているただけるようになるのが楽しみです。

もちろんススマニエッロを使ったワインはテヌーテ ルビーノの顔とも言える存在ですが、国際品種のシャルドネを使った「マルモレッレ」や、プリミティーヴォの「プンタ アークイラ」、「ヴィゼリオ」も一貫して上品さ漂うエレガントな仕上がりでした。プーリアワインのポテンシャルと魅力を伝え続けるテヌーテ ルビーノのワインは飲んでみると改めて「人に教えたくなるワイン」だと感じます。
テヌーテ ルビーノ マウリ フランチェスコ氏とトスカニースタッフ

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