突撃インタビュー
2019/07/03
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サンミケーレ アッピアーノ社 ハンス テルツァー氏
アルトアディジェの無名協同組合をイタリアを代表する偉大な造り手へと変革!「サンミケーレ アッピアーノ」 ハンス テルツァー氏突撃インタビュー
『ガンベロロッソ』の最高賞トレビッキエリの1割を占めるアルトアディジェ
歴史的にみると、アルトアディジェでも他の北イタリアの産地同様、赤ワインが主流でした。赤ワインは人々の生活にとってのカロリー源でしたから必然的に赤ワインの生産量が多かったのです。
1977年、21歳の時にサンミケーレアッピアーノ社に入社。ハンス氏による改革が始まる
アルトアディジェは、白ワインに圧倒的に有利なテロワール
アルトアディジェは2000年以上のワイン造りの歴史があります。畑は州の中央から南、標高で200~1000メートルのところに広がっています。現在の栽培面積は全体で5400ヘクタールで、約5000軒の農家が所有しています。1軒あたり1ヘクタールほどですね。
北側すぐにアルプス山脈があり、南は開けた土地です。北からの極寒の風はアルプスによって防がれ、南からは暖かい空気が流れてきますので、実はイタリアの中でも気温が高くなるエリアです。余談ですが、先週は39度にまで上がったので会社に短パンで行ったほどです(笑)。
年間300日は晴天です。夏は暑いのですが昼夜の寒暖差が大きいのも特徴です。これは豊かな香りと酸をもたらすので特に白ブドウにとって特に有利な条件です。畑は斜面地、しかも急斜面に広がっているので日照量も多い。当然、手作業でしか対応できないためコストがかかります。普通に造っていてはワインが高くなって勝負ができません。だから、品質で勝負するしかないわけです。そのために収量を徹底して落としました。アルトアディジェの強みを生かしたワイン造りへと舵を切ったのです。
「品質は妥協を許さない」。組合員の反発を受けながらも信念を貫き改革を断行
栽培する品種についても、大部分に植えられていたスキアーヴァから、その畑に適した白ブドウに変えていきました。スキアーヴァは粒がものすごく大きく、たくさんできるのですが偉大なワインになりにくい。ロゼっぽい色合いの渋みの少ないワインになります。
昔は、畑でどのような仕事をしていたのかなど全く関係なくワインを造っていました。しかし今は、いかに畑での仕事が大切か、みんなわかっています。若い人も、女性も、どんどん畑仕事に目を向け、取り組むようになってきました。これはとても嬉しいこと、素晴らしいことです。
「アルトアディジェ品質向上のパイオニア」として
改革を続けた結果、1997年に私は「世界の優れたエノロゴの10人」に選ばれました。そして2000年には『ガンベロロッソ』で年間最優秀ワイナリーを受賞しました。生産者協同組合がこの栄誉を受けたのは史上初めてのことです。
現在、サンミケーレアッピアーノ社はアルトアディジェの中で重要なワイナリーとして位置付けられています。畑の総面積では2番目に大きく385ヘクタールで、組合員は330軒になりました。生産本数は2,500,000本です。そのうち70%が白ワインで今後さらにその比率を増やす予定です。40ヶ国に輸出していますが、販売量の70%はイタリア国内です。
改革から40年が経ち、ワインジャーナリスト等、色々な人が私のことを「アルト アディジェ品質向上のパイオニア」だと書いています。私は頑固で頭が固いので、こうと決めたら貫いてそれをやり続けるのです。
適材適所の品種選択、品質重視の仕立て法、ワインにふさわしい醸造法
仕立て方法も30数年前まではペルゴラ(棚仕立て)だけでした。これが一番収穫量が多いので採算重視でした。ただ、この仕立て法は雨が降ると湿気が溜まりブドウの品質を落とします。現在はグイヨにし、風通しや日照を確保するようにしています。
クオリティーは畑で生まれ、ブドウは適した場所で育てる
ワイン造りにとって、最も重要なのは畑仕事です。クオリティーは畑で生まれるのです。ブドウも適した場所に植えなければなりません。できない場所ではどう頑張ってもできないのです。そして、品質が高ければ高いほどブドウを高く買い取ります。その価格がワインの価格に反映されます。サンクトヴァレンティンが高くなるのは原材料のブドウが高いからなのです。
カンティーナではワインの特徴に応じて醸造法を決めます。繊細な果実の場合はステンレスタンクで。そしてパワーのあるワインには樽を使います。
使うブドウのタイプによって3つのラインナップを生産
サンミケーレアッピアーノ社では使うブドウによって3つのラインナップを造っています。様々なエリアのブドウを使っているのがベーシックラインの「クラシックシリーズ」。厳選した区画のブドウから造る「セレクションシリーズ」。そして、トップラインの「サンクトヴァレンティンシリーズ」。セレクションシリーズとサンクトヴァレンティンシリーズは、ワインのタイプによってステンレスと樽を使い分けています。
区画の名前がついたセレクションシリーズ
サンミケーレアッピアーノで最も栽培面積が広いのがピノビアンコ(17%)で次がシャルドネ(10%)です。実はシャルドネはずっとピノビアンコと混同され、同じものだと思われていました。1982年に「シャルドネ」だとわかり、初めて「シャルドネ」としてボトリングしたのです。セレクションラインの「シャルドネ メロール」は一部大樽も使っていますが、シャルドネに樽を使うと言う醸造方法は私が初めて採用しました。
メロールのように、セレクションシリーズの白ワインには使用する畑の区画名が付けられています。
ハンス氏のさらなる挑戦!積み重ねた経験と実験の結晶として誕生した「ザ ワイン コレクション ソーヴィニョン」、そしてフラッグシップ「アッピウス」
ザ ワイン コレクションの誕生は、アッピウスを造るための経験が生かされています。様々な区画のブドウを、別々に醸造し、酵母の種類も変えて実験を重ねたからこそわかってきたことがあります。アッピウスは、ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、ピノグリージョ、ピノビアンコをブレンドしていますが、その中でソーヴィニョンブランを木樽で発酵熟成させると素晴らしいポテンシャルを持つワインとなることがわかりました。特に、素晴らしい酸が造られるソーヴィニョンブランができる2つの畑のものだけを使っています。
低温のスキンコンタクトを3日間行います。使うソーヴィニョンは素晴らしい酸がありますが、それをあまり際立たせすぎないようにさせるためです。そしてガスも2グラムほど注入して行います。その後、ソフトプレスしてトノーで11ヶ月間熟成させます。少ない量ながらも常に空気が入ることでストラクチャーが生まれます。香りについてはいわゆるソーヴィニョンのグリーン系のニュアンスはあまりなく、黄色の果実のニュアンスが出ます。そしてステンレスタンクに移し、1年半澱とともに熟成させています。
飲んですぐにソーヴィニョンだとわかるようなワインではないですが、非常に骨格のしっかりとした強い味わいの白ワインとなっています。料理ならば味付けのしっかりとした魚料理がいいと思います。
ザ ワイン コレクションはこれまでの実験の結果誕生したワインなので、今後他の品種でも造る予定です。2019年の終わり頃にはピノネロがリリースされます。将来は、少し変わった造りのピノグリージョも出てくると思います。
サンクトヴァレンティンから25年。より突き詰めた品質のワインを目指して誕生した「アッピウス」
アッピウスは2010ヴィンテージが初リリースとなります。サンミケーレアッピアーノのトップラインである「サンクトヴァレンティン」が生まれてから約25年が経ち、さらに品質の高いものを造りたい、という気持で生まれました。その年造られたワインの中で、一番美味しいものをボトリングする、という考えで造っています。4品種(ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、ピノグリージョ、ピノビアンコ)のブレンドで造っているわけは、単一品種にすると、どうしてもヴィンテージに左右されるからです。ブレンドにするとその年ごとに比率を変えることで高い品質を維持できます。もちろん、ヴィンテージを表現することも大切にしています。
4つの品種は区画ごとに別々に醸造し、トノーまたはバリックで1年間熟成させます。その後、試飲してブレンド比率を決めます。この比率は私一人で決めています。ブレンド後はステンレスタンクに入れて3年間熟成させます。
セレクトした樽の中からより美味しいものだけを選び抜きブレンド
別々に醸造熟成させた樽の中から良い樽のものだけを選び、それぞれサンプルとしてボトリングをします。テイスティングはこのサンプルワインをテーブルに並べて判断していきます。だいたい40ぐらいのサンプルが並びます。それをひとつずつ試飲して美味しかったものをその程度によって自分のそばに置きます。その距離が近いものほど美味しいということになります。結果、約半分ほどのボトルがアッピウスの候補になります。翌日、選んだボトルを再度試飲し、最終的にブレンドを決めます。アッピウスに入るのは24ぐらいのバリックまたはトノーになりますね。アッピウスには選ばれなかったものはサンクトヴァレンティンの方に回します。少しの量ではありますが、サンクトヴァレンティンのレベルを上げています。
アッピウスのテイスティングは万全の体調で臨まなければなりません。一応予定は決めて、準備もさせますが、もし私の体調が完璧でなければテイスティングは中止します。
ラベルは毎年デザインが違いますが、これは最初デザイナーから案が出てきたときにどれも素晴らしくて一つに決められなかったからなんです。だから毎年ラベルを変えることにしました。
アッピウスに合わせるとしたらトリュフですね。アッピウスの初めてのプレゼンテーションの時はホロホロ鳥のもも肉にトリュフをたっぷりかけたひと皿と合わせてもらいました。
ボトルにはハンス氏のサイン入り!「全て私の責任」という信念の表れ
アッピウスのボトルにはハンス氏のサインが入っています。そのことをお聞きすると、「ブレンドする前の試飲は複数で行いますが、その比率を決めるのは私一人です。このワインの責任は私です。もし、美味しくなかったとしてもその責任は全て私にあります。」と。
様々なエリアの畑のブドウをブレンドするクラシックラインのピノビアンコ
厳選した区画のシャルドネをステンレスと樽で醸造し果実味とストラクチャーを表現
醸造は一部大樽を使います。シャルドネに樽を使うのは私が初めて取り入れました。ステンレス醸造のものからは果実味を、木樽醸造からはストラクチャーと丸みがもたらされます。南国フルーツのニュアンスに、少しバターっぽさも感じられます。マスなどの川魚の燻製や、海魚のグリルなどと合わせるといいと思います。
よく魚だから白、と言われますが固執はないです。先日ドイツの星付きレストランで普通なら1000ユーロぐらいするフランスのジャンルイ シャーヴが300ユーロで売られているのを見て、恐らく間違っているのだと思いすかさず注文しました。メイン料理が魚だったのでこの席に招待してくれたドイツ人からは「(エノロゴなのに)ワインのことわかっていないじゃないか」と笑われました(笑)。でも素晴らしい料理に偉大なワインを合わせるのは料理のマリアージュを楽しむことだと思います。
試飲
コメント
メロンや熟したリンゴなどのフルーティーな風味が印象的。果実の程良い厚みとバターを思わせる柔らかな口当たりとソフトな酸味とのバランスがとても素晴らしいです。
アペリティーヴォに最適なリースリング
白桃やアプリコットなどの果実の甘さがありますが、酸もしっかりとしています。熟成させていくと火打ち石や石油っぽさが出てきます。
試飲
コメント
白桃やアプリコットを思わせるフルーツの風味とフレッシュで丸みを帯びた酸味がとても心地良い。わかりやすく味わいのバランスも良いのでするする飲めてしまいます。
若者や女性に人気のソーヴィニョンブラン
スグリやニワトコなどの香りがあって、ミネラルを感じます。お寿司やお刺身などとも良く合いますね。
試飲
コメント
かすかにグリーンがかった輝きのある黄色。パイナップルやはちみつの豊かな香り、生き生きとした酸と繊細なミネラル感のバランスが取れた素直に美味しいワイン。
サンミケーレアッピアーノのフラグシップ!トレビッキエリ受賞回数最多のソーヴィニョン
サンクトヴァレンティンシリーズは1986年から造っています。サンクトヴァレンティンとは、初めてサンクトヴァレンティンのワインが誕生した畑の中心にあったお城の名前に由来します。現在は、その畑だけでなく自社畑の中の良いブドウを厳選して造っています。
このソーヴィニョンは特に樹齢が高いものを使います。90%をステンレスタンクで、10%を木樽で熟成させています。2017年は非常に良いヴィンテージです。収穫は少し遅めで、生産量も平年に比べると少なめです。これは4月に寒かったことが原因です。秋は穏やかで乾燥した天候に恵まれ、エレガントなワインになりました。野菜のリゾットなどに合わせるといいですね。
試飲
コメント
まず香りの豊かさと複雑さに驚かされます。ミント、パッションフルーツ、フレッシュな柑橘類など様々な香りが入り混じりグラスから溢れだします。生き生きとした酸味とブドウの豊潤な果実味が織り成すソフトな口当たり。香りと味わいがここまで見事に一致するソーヴィニヨンは本当に稀です。さらに味わいと香りにボリューム感もありワインに活き活きとした躍動感がみなぎっていて余韻も長く美しい。
全て小樽熟成のシャルドネ。熟成させるほど美味しくなる
2016年は素晴らしいヴィンテージで、特に収穫時期に安定した天候に恵まれました。爽やかで甘みも感じるフルーティーな香りです。しっかりとしたストラクチャーと厚みのある味わいなので、野鳥や牛肉を軽くローストした料理などと合わせるといいですね。熟成させればさせるほど美味しくなっていきます。
試飲
コメント
芳醇な果実の香りとバニラのニュアンスがエレガントに広がります。口に含むとクリーミーさと綺麗な酸が調和した非常にバランスのとれた味わい。いい意味で樽が強すぎずキレもある美味しさ。
イタリア初!厳選ブドウという明確なコンセプトで造る上級ピノグリージョ
試飲
コメント
美しい黄金色、南国系のフルーツのニュアンス、バリック熟成によるバターや煎った香り。熟したリンゴや洋ナシの香りの中に繊細なバニラの風味が見事なまでに溶け込んでいます。醸造長のハンス氏が言う通り濃密さと力強さがありますが、輪郭のある酸味がしっかりとあり重たさを感じさせません。
1990年代から力を入れて品質向上させたピノネロ
ステンレスタンクで発酵させ、大樽で熟成させています。レバーや子ヤギの肉料理など、あまり強すぎないものと合わせるといいです。
試飲
コメント
綺麗で濃いガーネット色。口に含んだ瞬間、黒スグリなどのベリー系の風味が力強く広がります。凝縮感と骨格がありしっかりとしたバランスがあります。フルーティですがスパイシー感もあり風味に奥行きがあります。コストパフォーマンスの高さを感じさせるワインです。
樹齢の高いピノネロで造る深みとふくよかさのあるリゼルヴァ
個人的には瞑想にふけるワインだと思いますが、料理に合わせるならウズラやキジ、キノコ料理などがいいと思います。
試飲
コメント
ラズベリーやイチゴなどの甘く優しい香りがとても印象的です。驚くほど滑らかで上品な舌触りと熟成によるマッシュルームのような香り、神がかり的な味わいのバランスも感動的。
最も古い樹齢のピノネロで造る最上級サンクトヴァレンティンシリーズ
熟成は小樽だけで、3分の1が新樽になります。コクがあり、濃密で厚みがありますが、とてもバランスの取れたワインになっています。
試飲
コメント
濃いルビー色、スミレやトーストされたバニラの風味が広がります。ポルチーニやトリュフなどの熟成による香りも顔を出し始めています。スパイシーで複雑、魅惑的でソフトながら凝縮感のある果実味は素晴らしいの一言。
濃厚濃密!重厚感あふれるラグレイン
アルトアディジェの赤はもともとはスキアーヴァがほとんどでしたので、今でも年配の方はスキアーヴァを飲まれています。でも一般的にはこのラグレインかピノネロが多いですね。
試飲
コメント
黒みがかったダークレッド色で濃厚なチェリーやドライプルーンの風味がグラスから溢れだします。凝縮感があり骨格もしっかりしています。不思議なのはこれだけの複雑さと凝縮感がありながらしなやかで、口当たりは驚くほどソフトです。
アッピウスを造るための経験が生かされた最高のソーヴィニョン
低温のスキンコンタクトを3日間行います。使うソーヴィニョンは素晴らしい酸がありますが、それをあまり際立たせすぎないようにさせるためです。そしてガスも2グラムほど注入して行います。その後、ソフトプレスしてトノーで11ヶ月間熟成させます。少ない量ながらも常に空気が入ることでストラクチャーが生まれます。香りについてはいわゆるソーヴィニョンのグリーン系のニュアンスはあまりなく、黄色の果実のニュアンスが出ます。そしてステンレスタンクに移し、1年半澱とともに熟成させています。
飲んですぐにソーヴィニョンだとわかるようなワインではないですが、非常に骨格のしっかりとした強い味わいの白ワインとなっています。料理ならば味付けのしっかりとした魚料理がいいと思います。
試飲
コメント
完熟したトロピカルフルーツ、キウイ、白桃、柑橘系フルーツなどの果実の香りが幾層にも重なり合い驚くほど豊かで厚みがあります。口に含んだ瞬間広がるキラキラしたミネラル、厚みがあり丸みを帯びた酸味、すさまじく凝縮された果実味。これだけの厚みがありながら口当たりは驚くほどフレッシュでエレガント。余韻はうっとりするほど美しくそして長く続きます。まさに大作と呼ぶに相応しい仕上がりです。
サンミケーレアッピアーノのフラッグシップ
4つの品種は区画ごとに別々に醸造し、トノーまたはバリックで1年間熟成させます。その後、試飲してブレンド比率を決めます。この比率は私一人で決めています。ブレンド後はステンレスタンクに入れて3年間熟成させます。
試飲
コメント
壮大なスケール、驚くべき凝縮感、桁外れの複雑さに圧倒され思わずため息が出てしまいます。煌めくようなミネラルの美しさと完熟エキゾチックフルーツ、コーヒーのモカのような深みが重なり合い、飲むと鋼のような強靭なミネラルを感じつつもそのやわらかで滑らかな口当たりは驚愕の一言。
バラの香りが広がる華やかで濃密なゲヴルツトラミネル
醸造はステンレスタンクだけです。魚介のリゾットや熟成したチーズ、ガチョウのレバーに少し火を通した料理などと相性がいいですね。
試飲
コメント
まずはバラの香り。そして力強く立ち昇るシナモン、ナツメグ、スパイス、様々なエキゾチックなフルーツが入り混じる複雑で立体的な風味。華やかなアロマから口に含むと1本筋の通った冷涼感あるミネラル、厚みのある多層的な酸味と僅かに感じる甘味。ローズウォーターのニュアンスも感じられます。全てのバランスが美しく整った感動的な美味しさです。
インタビューを終えて
アルトアディジェ品質向上のパイオニアとしての評価を確立させたあともさらなる高みを目指し、造り上げたのが「アッピウス」と「ザ ワイン コレクション ソーヴィニョン」。アッピウスのブレンドをひとりで決め、「全ては私の責任」と自身のサインもボトルに入れると言うのは裏を返せばそれだけ自信があるということに違いありません。
インタビューの最後にはハンス氏の個人コレクションワインの写真を見せて下さり、伝統産地だけでなくニューワールドの産地のワインもまんべんなく網羅されて評価する姿勢を垣間見ることができました。好きな造り手をお聞きすると、ジョセフ・フェルプスのインシグニア、ペンフォールズのグランジ、シャトー レオヴィル ラスカーズ、アルマンルソーのシャンベルタンだそうです。常に他のワインを飲むことで自身のワインもより高めていこうと考えていらっしゃるのだと思います。今後はさらにより素晴らしいピノネロを造りたいとのこと。「生まれ変わってもまたこの仕事をするよ」とおっしゃるハンス氏。そして、「若い人には好きなことを仕事にしてもらいたい。そうすればどんな苦労や困難も乗り越えられるだろうから。」ともおっしゃっています。日本でも長年愛され続けているサンミケーレアッピアーノですが、永遠に進化をし続けている姿をハンス氏のワインを通してぜひ感じ取って頂けたらと思います。
試飲
コメント
グリーンを帯びた輝きのある綺麗な黄色。りんごや洋ナシのようなフルーティな香りを感じます。味わいと香りのバランスが良く心地よい酸味と苦みを感じるので何杯でも飲めてしまうワイン。