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■2013年5月17日 オルネッライア社 ジョヴァンニ マッツォーニ氏 来日セミナー |
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スーパートスカンを代表する造り手オルネッライアは今年リリース25周年を迎えました。それを記念した限定ボトルのお披露目を兼ねた試飲セミナーに行ってきました。 |
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■サンジョヴェーゼを造らないワイナリーとして設立。それはまさに革命だった。 |
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オルネッライアは1981年、ロドヴィコアンティノリ伯爵によってボルゲリに設立されました。設立したときからフランスの品種だけを栽培することに決めていましたが、それはトスカーナのワイナリーにとってはまさに革命的な行為でした。今ではボルゲリはボルドー品種に向いている土地だと知られていますが、当時はやはりトスカーナ=サンジョヴェーゼだったのです。 |
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すでに1950年代には素晴らしいカベルネやメルローができることはわかってきました。その後1960年代になってサッシカイアが誕生して、イギリス王室に認められたことで一躍有名になりました。それでも1994年にボルゲリDOCができるまではサッシカイアもオルネッライアも「ヴィーノ ダ ターボラ(テーブルワイン)」のカテゴリだったので、アメリカ人が他のテーブルワインと区別するために「スーパートスカン」と呼ぶようになったのです。 |
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■短い時間でトップワイナリーになった理由は2つ。恵まれた自然環境と人の努力 |
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どこに行っても「短期間でどうやってこんなに凄いワインを造るトップワイナリーになることができたのか?」と聞かれますがその答えは2つあります。ひとつめは天から恵まれた自然環境。これには次の2つの要素があります。
1.ブドウが育つのに適した土壌が多様にわたって続いている
2.温暖な地中海性気候
オルネッライアの土壌は、火山性、海洋性、沖積土、堆積土、粘土質など実に多様です。土壌が複雑であればある程相性の良い品種との組み合わせの可能性が広がり、ワインに複雑味を出すことができます。
気候は1年のうち280〜300日が晴天なので毎年、ブドウを完璧に成熟させることができます。素晴らしいワインを造るには完璧に成熟したブドウが不可欠です。また、海に近いため海風が日中も夜間も吹き、常にブドウを健康な状態に保つことができます。
もう一つの要素が「人の努力」です。妥協のない品質への追求こそがオルネッライアの品質を造っています。全ての仕事は手作業で行います。また、良い房だけを残すため20〜25%はグリーンハーベストを行います。
さらに、効率のよい光合成のために残す葉と取り除く葉を選ぶリーフマネジメントに時間をかけています。
収穫は手摘みで行いますが、成熟具合で何回にも分けて行います。15kgの小さいカゴで収穫し、房を2段階で選別します。除梗後にもう1回粒を選んでいます。
ここからワインの試飲をしました。 |
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■「サンジョヴェーゼを使ったワインが欲しい」というリクエストにこたえて誕生したレヴォルテ |
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レヴォルテ2011 |
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オルネッライアで唯一サンジョヴェーゼが入っているワインです。コストパフォーマンスがいいのでレストランやワインバーなどで評判がいいですね。長期熟成させるものではなく、若いうちに楽しんでもらうワインです。
パスタ、ズッパ、サラミなどによく合います。おかわりしたくなる飲み心地の良さなので食前酒にもおすすめです。
(試飲コメント)
イキイキした酸と果実の甘さのバランスがよく、本当に飲み心地がいい。タンニンもしっかりとあるが渋みが控えめ。気軽に飲めてリッチな気分を味わえる。 |
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■オルネッライアと同じ思い入れで造る「オルネッライアの弟」 |
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レセッレヌオーヴェ2010 |
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オルネッライアと同じ思い入れを込めて造っているレセッレヌオーヴェ。「オルネッライアの弟」と呼んでいるほどオルネッライアとは結びつきが強いワインです。だから信じられないコストパフォーマンスと言われます。
赤い果実の完熟した香り、スパイシーでバニラやたばこのニュアンスなど複雑味があります。2010は今から飲み頃ですが、10〜15年は余裕で熟成させることができます。
七面鳥などの白身の肉、中ぐらいのコクのある赤身の肉に合います。個人的には魚と合わせます。脂の乗った魚をトマトソースで煮込んだものやオーブン焼きなどと合わせると絶品ですよ。
(試飲コメント)
強烈なアタック。スパイシーでタニック。甘みもあるが度を越してなく、バランスがいい。余韻がとても長くて心地よい苦みがたまらない美味しさ。 |
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■オルネッライアの2006はソフィアローレン、2009と2010はグレースケリー |
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オルネッライア2009 |
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今日は3つのヴィンテージを飲んでもらいますが、2006をご用意したのは10年待たなくても十分に飲み頃になってオルネッライアの全てを楽しむことができることをご理解頂くためです。
オルネッライアのすべてに共通しているのはメイン品種カベルネソーヴィニョンのアロマです。ハーブや黒い果実、タバコやスパイスなどの芳しい香りです。そして垂直にインパクトのある味。口の中を優しくなでていくフィネスとバランスを感じます。
2006年はとても素晴らしいヴィンテージで、力強さが特徴。2009と2010は2006ほどには強い年ではないですがフィネスのあるエレガントに仕上がっています。女優で例えるなら2006はモニカベルッチかソフィアローレン、2009と2010はグレースケリーでしょうか(笑)。
ジビエや熟成させたチーズなどと一緒にゆっくり楽しむことをお勧めします。
(試飲コメント)
2006:まろやかな甘さと力強い濃密な味が口いっぱいに広がって完成された美味しさ。一方で香りがとても繊細。
2009:06に比べて涼しかった気候を反映してか香りがエレガント。タンニンはまだ若く深みに入るのはこれからという感じだが、今飲んでも美味しい。30分後ぐらいに飲むと広がりが感じられてきて美味しさが倍増。少し寝かせて飲みたい。 |
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■25周年の記念ボトルでリリースされたオルネッライア2010 |
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オルネッライア2010 |
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2010は過去一番遅い収穫となりました。気温は低い年でしたが日照はあり、ゆっくりと成熟していき、いつものとおり完璧に成熟させて収穫することができました。
オルネッライアにとって、25周年というとても意味のあるヴィンテージなのでそれを記念したボトルにしています。カンパニーカラーのゴールドとアイボリーのシルクスクリーンで作った記念ロゴを入れています。
ヴィンテージにかかわらず、オルネッライアを飲むときには1時間前にデキャンタしてください。そして飲む温度は18度を超えないようにお願いします。
(試飲コメント)
まだ若く、タンニンも固いが荒っぽさはなくバランスがとれている。若いのだけどさすがに美味しい。 |
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■セミナーを終えて |
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レヴォルテの群を抜く飲み心地の良さ、レセッレヌオーヴェの複雑さとパンチのある圧倒される美味しさ。もし、今日オルネッライアを飲まなければレセッレヌオーヴェで十分満足出来たと思います。「信じられないコストパフォーマンス」と言われるのも納得できます。
でもやはりオルネッライアは別物。リリースから4年経った2006の繊細さから力強く広がる香りの深さとまろやかな包み込まれる美味しさ。そしてデキャンタすれば2009も間違いなく十分そのポテンシャルを発揮できる。リリースしてすぐでも期待に十分こたえられる味にするのもさすがだなあと思いました。
セミナー中、ジョヴァンニさんは「妥協のない仕事」という言葉を何回も使いました。どこまでやるのか、その限界との戦いが今のオルネッライアを築いてきたことは間違いありません。 |
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