TUSCANY イタリアワインとグルメ食材の店
Interview

突撃インタビュー

2019/02/19

オッデーロ社 ピエトロ オッデーロ氏

現存する『バローロ最古』の造り手のひとつ!「ヴィーニャ リオンダ」「ブルナーテ」「ブッシア」「ヴィレッロ」銘醸クリュを所有する重鎮「オッデーロ」

オッデーロ社 ピエトロ オッデーロ氏と
現存するバローロ、バルバレスコの造り手の中で最も古い歴史を持つと言われる「オッデーロ」は今も1700年代に建てられた当時のカンティーナで醸造しています。1960 年代にジャコモ オッデーロがアンジェロ ガヤの父「ジョヴァンニ ガヤ」や「リナルディ」等と共にDOCGの元になるバローロの法規制を作るなど、バローロを語る上で欠かす事の出来ない歴史的生産者です。またラ モッラ、カスティリオーネ ファレット、セッラルンガ、モンフォルテ、バルバレスコに綺羅星の銘醸クリュを幅広く所有しており、他の造り手ではあり得ない豪華さです。「全てのバローロの醸造は同じで良い。テロワールの違いだけが味わいを造り出す。何故ならオッデーロはバローロ最良の畑を所有しているから」とこの地で偉大なワインを造り続けています。7代目のピエトロ オッデーロ氏にお話を聞きました。

現存する『バローロ最古』の造り手のひとつ

オッデーロ家族現存する『バローロ最古』の造り手のひとつ
オッデーロは現存するバローロの造り手の中で最も古い歴史を持っているカンティーナの一つでクラシックかつ伝統的な生産者です。私で7代目になります。オッデーロという名前はピエモンテで歴史的に古い名前で1700年代にはラ モッラ村にオッデーロという名前の人物が住んでいたという書物が残っています。1700年代に建てられた当時のカンティーナで今も醸造しています。1878年にオッデーロとして初めてボトリングし販売を始めました。それ以前は量り売りでワインを売っていました。

100%家族経営で、祖父のジャコモ オッデーロは今年92歳になりますがとても元気です。従弟のイザベッラ、母のマリアクリスティーナがエノロゴを務めています。祖父のジャコモから1997年に私の母であるマリアクリスティーナが栽培と醸造を受継ぎ、2008年に全ての畑を有機栽培に切り替えました。そして現在栽培と醸造を担当するのが私です。

優れたクリュをバローロ各地に所有

カンティーナ優れたクリュをバローロ各地に所有
カンティーナはラ モッラ村のサンタマリアに位置しています。所有する畑は36ヘクタールでバローロ、バルバレスコのエリアに畑を所有しています。バローロにおいては「ヴィーニャ リオンダ」「ブルナーテ」「ブッシア ヴィーニャ デル モンドゥーカ(単独所有)」「ヴィレッロ」「ロッケ ディ カスティリオーネ」、バルバレスコは「ガッリーナ」と重要な単一畑の良い区画を所有しています。まだリリースしていませんがバローロヴェルドゥーノエリアの「モンビリオーネ」の畑も最近購入しました。2018年が初ヴィンテージになる予定です。

地図戦後の荒廃した畑を買い足し、良い状態へ維持管理していく
良い区画をバローロエリア各地に所有できたのはとても幸運なことだと思います。第2次世界大戦後、荒廃したランゲの畑は農民に手放されてしまい、多くの人間がミラノやトリノ等大きな街へ仕事を求めて、この地から去ってしまった。そんな中、祖父はバローロの歴史を重んじて畑を買い足していくことを決意しました。そのお陰で現在でもラ モッラ、カスティリオーネ ファレット、セッラルンガ、モンフォルテ、バルバレスコと 幅広い地域の最良の畑を所有する事が出来ているのですから。祖父に感謝しています。

バローロ全体に畑を所有し表現する事に意義を見出す
勿論当時は今と違って畑の価格も高くは無くて。畑を購入する事自体は難しくなかったのですが(畑を)維持する事がとても難かしいでした。なぜなら大都市に多くの人間が流出して人もいないし、車も無い状態でしたから。かつ様々なエリアに畑が点在しているのでそれぞれの畑を良い状態で保っていく事が非常に難しかったですね。そこには祖父は自分達のゾーン(ラモッラ)だけではなくバローロ全体に畑を所有し表現する事に意義を見出していたからです。

独立した個性を持つ伝統的製法で造られる「バローロクラシコ」

畑大独立した個性を持つ伝統的製法で造られる「バローロクラシコ」
私達が伝統的アッサンブラージュで造るバローロは「バローロ クラシコ」と呼んでいます。これは伝統的バローロがクリュバローロのセカンドワインではない独立した個性を持つを意味しています。カパロット(ラ モッラ)、ブリッコ キエーザ(ラ モッラ)、フィアスコ(カスティリオーネ)の3つの畑のブドウを主体に年によってはヴィーニャ リオンダなどの選別されたブドウも使用しています。収穫と発酵は畑毎に行い、1 年熟成後に全ての畑をアッサンブラージュし熟成させます。

バルバレスコはネイヴェの丘にある「ガッリーナ」の畑を所有しています。法律ではバルバレスコのブドウをバローロ内で醸造するとランゲ ネッビオーロになってしまいますが、法規制前から造っているからバローロ内で醸造する例外的なバルバレスコです。バローロ、バルバレスコ以外にもドルチェット、バルベーラダルバ、ランゲネッビオーロ等も造っています。

グラス伝統的な大樽のみを使い出来るだけ畑の「テロワール」というものを表現したい
それぞれの単一畑の特徴をしっかりと表現したクリュバローロ、クリュバルバレスコを造っています。1983年から単一畑でのボトリングを始めました。一番最初に単一畑のワインとしてボトリングしたのは「バローロ ロッケ ディ カスティリオーネ」です。それ以前はそれぞれの畑のブドウをアッサンブラージュしてバローロ クラシコとしてリリースしていました。

そうした事から私達はバリック樽は使用せず伝統的な大樽のみを使い出来るだけ畑の特徴「テロワール」というものを表現したいと思っています。大樽でバローロを造るという事は(バローロというワインの)これまでの文化や歴史を引き継いでいるとも言えます。

1960年代ジョヴァンニガヤやリナルディ等と共にDOCGの基礎とになるバローロの法規制造りに取り組む

Q.1983年から単一畑のみでボトリングしたバローロは歴史的にも早いですね。

そうですね。私達がワインを造るバローロのゾーンというのは伝統的に様々な畑のブドウをブレンドしてバローロクラシコを造るという事が伝統的で、単一畑バローロという考え方を持った生産者としては早い方だと思います。

私達は「バローロクラシコ」も「単一畑バローロ」も造り続けています。非常に偉大な生産者バルトロ マスカレッロのようにクラシコとしてアッサンブラージュしたバローロのみを造る生産者もいます。それは非常に素晴らしい事でありますがフィロソフィーとして私達とは異なっています。

ジャコモオッデーロ氏ジョヴァンニガヤやリナルディ等と共にDOCGの基礎とになるバローロの法規制造りに取り組む
祖父のジュゼッペオッデーロ氏は1960年代にアンジェロ ガヤの父ジョヴァンニガヤやリナルディ等と共にDOCGの基礎とになるバローロの法規制造りの活動をしていました。1970年代には祖父はラモッラ村の評議会議員にも選ばれていました。ジョヴァンニガヤやリナルディと話し合いながら法規制を造り上げて来ました。ローマにある政府機関に何度も足を運び話し合いを行いました。彼らはお互いに協力し合いバローロをという土地を統制に向けて力強く推し進めていきました。先代がDOCGバローロをつくってくれたおかげで、今私達の世代でバローロというものが高く評価されているのです。

トータル10年以上の熟成という特別なバローロリゼルヴァ「ヴィーニャリオンダ」

ヴィーニャリオンダ樽トータル10年以上の熟成という特別なバローロリゼルヴァ「ヴィーニャリオンダ」
2006年以前から「ヴィーニャ リオンダ」は造っていましたが、リゼルヴァ10アンニ(10年熟成)は2006年から造り始めました。「ヴィーニャ リオンダ」を10年間熟成した後にリリースする事にしたのは、やはりブドウや畑の特徴が出てくるのに時間がかかるからです。私達のワインを表現する上で「ヴィーニャ リオンダは10年間という時間が必要だ」という結論に至ったからです。3年間大樽熟成後セメントタンクで8ヶ月間休ませてからボトリングして7年間瓶内熟成後リリースします。

畑はセッラルンガにある真南を向く方角にあります。リオンダとは「丸い」という意味で劇場型に広がる畑です。雹害も少なく太陽のエネルギーも溜まる、いわば非常に「守られた」テロワールを持つ特徴的な畑と言えます。

ヴィーニャ リオンダの土壌は石灰が非常に豊富で固い粘土が混じる土壌です。ブドウからはタンニン質が高い固さを持つワインが産まれます。飲み頃になるまで時間のかかるワインですので、リリースするまでに時間を取っています。飲み頃に入った時の表現力は非常に素晴らしいものがあります。

2006、2007、2008、2009年は10アンニをリリースしました。毎年は造っていません。10年間の熟成に耐えうるポテンシャルがあるブドウが収穫出来なければ、10アンニは造らず、通常のリゼルヴァ(5年間熟成)として販売します。それでも納得がいかない時はリリースをしません。それでは試飲していきましょう。

ボトル大

バローロ最古の造り手オッデーロが造る上質白!

2015ヴィンテージはリースリング70%とシャルドネ30%のブレンドのワインです。ステンレスタンクのみで醸造します。畑は2ヘクタールでバローロエリア、ラ モッラ村の標高400メートルの丘の頂上で栽培しています。以前はシャルドネ100%のワインでしたが、年々リースリングの比率が増え、2016ヴィンテージ以降は100%リースリングとなります。母がリースリングを非常に好んでいて、シャルドネにミネラル感と酸の要素を足す為にリースリングをブレンドし始めました。

※こちらの商品は終売となりました。
ランゲ ビアンコ コラレット2015

試飲
コメント

白桃や西洋梨の華やかなフルーツ香。飲むと骨太な酸とミネラルに支えられたドライな口当たり。スマートなスタイルですがコクとキレを併せ持つ辛口リースリング。和食やスパイスの効いたアジアン料理と。

美しく優雅、繊細なネッビオーロの表現に富む伝統的スタイル!古典派オッデーロのバローロ

単一畑の概念がない頃から造られているワインです。バローロエリアの伝統を重んじた造り方で、カパロット、サンタ マリア ブリッコ キエーザ(ラ モッラ)とブリッコ フィアスコ(カスティリオーネ ファレット)の3つの畑のブドウから出来ています。アッサンブラージュした伝統的製法のバローロなので「クラシコ」と名付けています。セカンドワインではありません。3つの畑のブドウを別々に醸造して1年後に一つにブレンドします。
バローロ クラシコ2013

試飲
コメント

2013年は素晴らしい年で果実のリッチさ、ポテンシャル、エネルギーに満ちたヴィンテージです。今から数カ月後に飲みますと更に素晴らしい状態になると思います。

向こう数十年にわたって優雅に進化を遂げるクリュ「ヴィレッロ」

バローロ「ヴィレッロ」はカステリオーネファレット村の標高240メートルの南西向き、0.8ヘクタールの単一畑です。ブドウの平均樹齢は50年を超えます。毎年開けたてからしっかりと開いていて、親しみやすさもあるキャラクターです。年産約4000本程の生産量です。伝統的なクラシックな造りです。
バローロ ヴィレッロ2013

試飲
コメント

若さ由来の固さは多少あるものの、味わいは開いていてエレガント。豊かな果実感にスパイスやレザーの複雑味が溶け合う。食事と一緒に楽しみたいバローロ。

クリュバローロ「ブルナーテ」の最上部を所有!華やかさと緻密さが交錯する魅力的な味わい

ブルナーテの丘の頂上近く、一番標高が高い南東向きの区画を所有しています。畑は0.5ヘクタール、樹齢は高く70年以上のブドウ樹もあります。年間2000本しか造られていない数少ないワインです。私達のブルナーテは標高360メートルで昼夜の寒暖差が大きくなる区画です。それによりブドウの皮が厚くなり色素が良く出るので、ワインとなった時に香りの豊かな表現を持つ特徴があります。
バローロ ブルナーテ2011

試飲
コメント

クリュバローロ「ブルナーテ」の最上部の畑。厚みがあり力強くも華やかさと緻密さが交錯する魅力的な味わい。飲み頃に入りつつあります。

トータル10年以上の超熟リゼルヴァ!優れた年のみ瓶詰するオッデーロ最上キュヴェ「ヴィーニャ リオンダ」

2006年以前から「ヴィーニャ リオンダ」は造っていましたが、リゼルヴァ10アンニ(10年熟成)は2006年から造り始めました。「ヴィーニャ リオンダ」を10年間熟成した後にリリースする事にしたのは、やはりブドウや畑の特徴が出てくるのに時間がかかるからです。私達のワインを表現する上で「ヴィーニャ リオンダ」は10年間という時間が必要だという結論に至ったからです。3年間大樽熟成後セメントタンクで8ヶ月間休ませてからボトリングして7年間瓶内熟成後リリースします。
バローロ ヴィーニャ リオンダ リゼルヴァ 10アンニ2007

試飲
コメント

エキス分に富んだゴージャスな味わい。品格に満ちた溢れんばかりのアロマ、骨格はしっかりしていながら、果実味、酸、複雑味が絶妙に溶け合う。古典的な美しい魅力が楽しめる偉大なスケール感を持つバローロ。

バルサミックな風味、時折見せる甘やかさ。素晴らしいポテンシャル

バローロ ブッシア ヴィーニャ モンドゥーカは標高380メートルの南西向きのオッデーロが単独所有(モノポール)する1.13ヘクタール小さな畑です。熟成は30へクトリットルのスロヴェニア産の大樽で36ヶ月間。その後、ボトル内で24ヶ月以上、トータル60ヶ月以上の熟成期間を取ります。
バローロ ブッシア ヴィーニャ モンドゥーカ リゼルヴァ2012

試飲
コメント

(輸入元セミナーにて試飲)2012年は「モンドゥーカ」の特徴であるバルサミックな風味がしっかりと感じられます。まだ秘めたる印象ですが、時折見せる甘やかさがこのワインの素晴らしいポテンシャルを示しています。

豊かなタンニンに優雅でエレガントな果実感と酸の調和が見事

バローロ ブッシア ヴィーニャ モンドゥーカは標高380メートルの南西向きのオッデーロが単独所有(モノポール)する1.13ヘクタール小さな畑です。熟成は30へクトリットルのスロヴェニア産の大樽で36ヶ月間。その後、ボトル内で24ヶ月以上、トータル60ヶ月以上の熟成期間を取ります。
バローロ ブッシア ヴィーニャ モンドゥーカ リゼルヴァ2011

試飲
コメント

(輸入元セミナーにて試飲)2011年は生産量の少ないヴィンテージ。複雑性に富み、豊かなタンニンに優雅でエレガントな果実感と酸の調和が見事。古典的なスタイルが顕著に感じられます

骨格の確りとしたボディ、タンニンの力強さがありながらエキス分に富んだ甘やかさと優雅さ

バローロ ブッシア ヴィーニャ モンドゥーカは標高380メートルの南西向きのオッデーロが単独所有(モノポール)する1.13ヘクタール小さな畑です。熟成は30へクトリットルのスロヴェニア産の大樽で36ヶ月間。その後、ボトル内で24ヶ月以上、トータル60ヶ月以上の熟成期間を取ります。
バローロ ブッシア ヴィーニャ モンドゥーカ リゼルヴァ2009

試飲
コメント

(輸入元セミナーにて試飲)2009年は骨格の確りとしたボディ、タンニンの力強さがありながらエキス分に富んだ甘やかさと優雅さ。飲み進めるたびに味わいにも変化が感じられます。

インタビューを終えて

ガヤ、リナルディと共にバローロを語る上で欠かす事の出来ない歴史的生産者「オッデーロ」の緻密で美しい強さに満ちたクラシックな味わいがとても魅力的でした。

「ブルナーテ」「ヴィーニャ リオンダ」「ブッシア」「ヴィレッロ」「ロッケ ディ カスティリオーネ」とバローロの銘醸クリュを所有する他の生産者では有り得ない程の豪華なラインナップですが、祖父ジャコモ オッデーロ氏が、戦後荒廃した畑を地道に大切に育てあげてきた素晴らしいお話を伺う事が出来、自身のワイナリーのみならずバローロエリア全体の文化や歴史を大切に引き継ぐ重鎮の偉大さを改めて知る機会となりました。

じっくりと10年間熟成されてリリースされた「バローロ ヴィーニャ リオンダ リゼルヴァ 10アンニ」は別格の美味しさ。イタリア国内、ヨーロッパでもそう見かける事のない生産量の少ないキュヴェだそうで、特別なひと時に開けてみたい古典的バローロの傑作です。
オッデーロ社 ピエトロ オッデーロ氏とトスカニースタッフ

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