TUSCANY イタリアワインとグルメ食材の店
Interview

突撃インタビュー

2021/05/11

アレックス マッカン氏 Mr. Alex Maccan、ジョヴァンニ ルッゼネ氏 Mr. Giovanni Ruzzene、マッシモ フルラン氏 Mr. Massimo Furlan

8年連続トレビッキエリ&2021年間最優秀コストパフォーマンス賞!イタリア白ワイン屈指の銘醸地フリウリで躍進する「レ モンデ」突撃インタビュー

アレックス マッカン氏、ジョヴァンニ ルッゼネ氏、マッシモ フルラン氏
2000円台で8年連続トレビッキエリを受賞する新世代の造り手レ モンデ。そのレ モンデの看板商品ピノ ビアンコが、『ガンベロロッソ2021』年間最優秀コストパフォーマンス賞に輝きました!2008年にワイナリーを取得後、様々な投資を行い、レ モンデのエリア独特のテロワールを生かした、低価格で素晴らしいワインを作り出し脚光を浴びる現オーナーのアレックス マッカン氏、エノロゴのジョヴァンニ ルッゼネ氏、営業部長のマッシモ フルラン氏にオンラインでお話を聞きました。

海にも山にも近い、2つの川に挟まれた独特の土地で生まれたドロミテ由来の特質すべき土壌

レ モンデは、2008年にマッカン氏が、ワイナリーを購入したことをきっかけに躍進を遂げた新進気鋭のワイナリーです。オーナーのマッカン氏は、家具メーカーを営む両親のもとに生まれ、子どもの時は祖父母の家畜の世話や農業を手伝うなどして、フリウリの大自然とともに過ごしました。2008年のとある朝、マッカン氏がレ モンデ売却の張り紙を偶然見つけて、すぐさま購入と投資を決断したことにより、レ モンデの大躍進が始まりました。「自宅から1キロのところにあるレ モンデのワインはよく飲んでいましたし、そのテロワールの潜在能力に以前から注目していたんです」と、即決した理由を話します。現在はワイナリーにある館を自宅として改修し、毎日近くからブドウの生育を見守っています。
レ モンデの畑
レ モンデはフリウリ ヴェネツィア ジュリア州の南西、ヴェネト州との州境に位置しています。DOCフリウリグラーヴェは本来、川が運んだ石や砂利が多い土壌で知られていますが、レ モンデのエリアは周りのグラーヴェ地区とは全く異なります。メドゥーナ川とリヴェンツァ川に挟まれ、ドロミテ山塊が削られ流れてきて堆積したレ モンデの畑は石灰粘土土壌。なかでも、粘土質の割合が高く、果実味豊かなブドウが育ちます。また、アドリア海とプレアルプスに近く、夜間に冷たい風が吹きます。そのため、本来のフリウリグラーヴェDOCとは異なり、ブドウにフレッシュさと豊富なミネラルをもたらし、エレガントで長期熟成能力を持つワインが生まれます。そして、フリウリグラーヴェDOCの特性と異なるため、あえてフリウリDOCとしてリリースしています。

2008年、家具メーカーで成功を収めたマッカン家がワイナリー取得後、飛躍的に品質向上。畑にも醸造所にも様々な投資を行う

マッカン氏により購入されたレ モンデは2008年より、急拡大、急成長を遂げます。2008年当時、15ヘクタールほどだった自社畑も今では100ヘクタール以上に広げ、多くの最新設備を導入することで低価格で高品質なワインを生み出しています。

土壌管理や干ばつ被害を避けるための排水設備
レ モンデの土壌は粘土が多いため、ぬかるみにならないように地下90~120センチに排水ホースが設置されています。それにより、ブドウの根は水を求めて土中深く伸びるようになりました。同時に、温暖化による干ばつに苦しむ際の緊急事態に備えて、灌漑ホースも張り巡らせています。

ブドウや果汁の酸化を防ぐ窒素抽出装置
レ モンデはブドウや果汁の酸化を防ぐことに細心の注意を払っています。圧搾時、液抜き時、熟成中、瓶詰め時に窒素を充填することにより、酸素と接触しないようにしています。その還元醸造により、ブドウ本来のアロマを完璧に保持することができます。

二重構造のモスト温度管理システム
収穫したブドウは15分以内に冷却が開始され、果汁が発酵タンクに入る段階で、すぐに10度まで下げるシステムを導入しています。それにより、ブドウ本来のアロマとフレッシュさが保持されます。

その他にも、余分な雑草を取る最新トラクターや、落ちた花弁を風で飛ばす巨大な扇風機、ブドウの根に酸素を供給するために土を掘り起こす機械など、徹底された細かい作業のおかげで除草剤や防菌材の不使用を実現しています。最新設備を多く導入する一方で、収穫時はすべて手で行っています。マッカン氏の品質へのこだわりによるこれらの投資こそが、レ モンデらしい優美な味わいのワイン造りを支えています。レ モンデのワイナリー

大成果を挙げるピノ ビアンコ、青っぽさが出過ぎない上質なソーヴィニヨン ブランのクローンによるマッサルセレクション

「もともと植えてあった古樹のクローンがとても優秀だった」とマッカン氏が語るように、ピストーニ家が所有していた時代にも、一度ピノ ビアンコで『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリ(DOCフリウリグラーヴェとしては初めてのトレビッキエリ)を獲得しています。レ モンデはその古いクローンの潜在能力を見抜き、意欲的な改革に着手しています。

レ モンデは、すでに植えられていたほとんどの品種のクローンを残してマッサルセレクションを行いました。白ブドウから黒ブドウまで、多種多様な品種のクローンを有効活用し、現在の安価で高品質なワインが造られています。特にピノ ビアンコとソーヴィニヨン ブランは優秀でした。10年間エノロゴを務めるルッゼネ氏は「樹齢70年のピノ ビアンコは、特別何もしなくても丁寧に醸造すれば素晴らしいワインができます」と話すほど、フローラルな香りと繊細な味わいで優美さの極みが表現されています。アロマティック品種であるソーヴィニヨン ブランは、本来持つアロマティックさが前面に出過ぎず、繊細かつ活力のあるレ モンデ独特の仕上がりになっています。

3人のチームワークとこれからのレ モンデ

マッカン氏大躍進するレ モンデを牽引し、ここまでワイナリーを発展させてきた張本人のマッカン氏は、非常に野心的な目標を掲げます。ブドウ畑を現在の100ヘクタールから150ヘクタール、ワイン生産量を現在の70万本から100万本に到達させると、宣言しています。さらに「私が大切にしていることは、人々が飲みたくなる、そして手が届く価格の素晴らしいワインを造ること」と話すように、ワイナリーとしてのさらなる発展を追い求めています。

ルッゼネ氏エノロゴのルッゼネ氏は、そんなマッカン氏のリーダーシップについて、こう話します。「こんな新設備はどうか、とオーナーに相談すると即座に“OK、やろう”と答えてくれます。だから、どんどん新しいクリエイティブなことを始められるんです」。また、ルッゼネ氏は「かつてはとても高いとされていた、この地域のワインが今では手の届く価格になって嬉しいです」と、多くの人々に愛されていることを誇りに思っているようでした。

フルラン氏マッカン氏の右腕として働く営業部長のフルラン氏は、これまでマーケティングを通して、国内外にシェアを広げることに貢献してきました。今現在、売上の30%がイタリア国内を占め、世界40ヶ国にレ モンデのワインが輸出されています。フルラン氏は「私たちが本物の農家であり、ワイン造りの歴史が深い地域から来ていることが重要視されている」と、国内外で評価を受けるようになった要因として、ワイン醸造家としての「職人魂」が関係していると分析しています。

このように、3人とも「多くの人にこのワインを飲んでもらいたい」という思いが共通しており、マッカン氏が「幸運と優秀なチームに恵まれ、徐々に形になってきている」と実感するように、レ モンデのチームワークはさらに高まり、目覚ましい発展を遂げています。

そして、レ モンデは地球環境や経済、社会的な問題解決にも取り組む意欲的な造り手でもあります。消費電力の80%を自家発電で賄い、数々の最新設備を用いて無農薬栽培を可能にするなど、環境保護に配慮したワイン造りを行っています。また、既存の古いブドウの樹に敬意を込めて栽培し、テロワールの保護と促進も行っています。

レ モンデ

フリウリで大躍進を遂げるレ モンデが造る、熟した果実を感じるリッチで濃厚なピノ グリージョ

『ガンベロロッソ』最高評価トレッビキエーリの常連レ モンデ。そんなレ モンデのミネラル豊かな土地で生まれ、徹底管理による醸造で造られたピノ グリージョです。「フレッシュでシンプルなピノ グリージョが市場に出回っている昨今、私はピノ グリージョならではの豊かさをしっかり残すようにしています」と、エノロゴのルッツェーニ氏が語るように、非常にふくよかで広がりがあり、熟した果実を感じさせる丸みのあるピノ グリージョに仕上がっています。
ピノ グリージョ フリウリ2019

試飲
コメント

輝きを持つ琥珀色よりの黄金色。香りは力強く、パイナップルなどのトロピカルフルーツ、黄桃、花の香り。フレッシュかつ濃厚な味わいで、ピノ ビアンコと同様に口の中で余韻が長く続きます。

レ モンデ

『ガンベロロッソ2021』年間最優秀コストパフォーマンス賞を受賞したピノ ビアンコ!

白ワインの聖地フリウリ地方で目覚ましい躍進を遂げるレ モンデ。そのレ モンデを象徴するピノ ビアンコが、『ガンベロロッソ』で5年連続、通算7度の最高賞トレビッキエリを受賞。さらに、『ガンベロロッソ2021』で年間最優秀コストパフォーマンス賞「MIGLIOR RAPPORTO QUALITA PREZZO」の栄誉に輝きました。恵まれたテロワールと樹齢70年の古樹によって、レ モンデの個性である究極の優美さが引き出された代表作のピノ ビアンコです。
ピノ ビアンコ フリウリ2019

試飲
コメント

黄金色よりの麦わら色。熟した果実、黄桃の香り。口当たりはなめらか。味わいは、きれいな酸味と絶妙な塩味のバランスが良く、豊富なミネラルを感じました。複雑な味わいと旨みの余韻が口の中で長く続きます。

レ モンデ

上品なブーケと豊潤な味わい深さが際立つ「毎年品質が安定して、絶対に満足させるワイン」

『ガンベロロッソ』最高評価トレッビキエーリの常連レ モンデが造るシャルドネ。そんなレ モンデの豊富なミネラルを持つ土地で育ち、最新技術とユニークな取り組みで造られたシャルドネです。レ モンデのオーナーが「シャルドネは毎年品質が安定して、絶対に失望させないワインです」と語るほど、レ モンデが自信を持ってリリースする白ワイン。
シャルドネ フリウリ2019

試飲
コメント

輝きのある麦わら色。熟したフルーツ、黄りんごの繊細で上品な香り。麦わらなどの草木のニュアンスやバニラも感じました。リッチでふくよかな口当たり。バランスの良い酸味で心地よい余韻が続きます。

レ モンデ

樹齢70年!レ モンデだけが所有する独特で上質なクローンで造るソーヴィニヨン ブラン

『ガンベロロッソ』最高評価トレッビキエーリの常連レ モンデが造るソーヴィニヨン ブラン。レ モンデのソーヴィニヨン ブランは、オーナーのマッカン氏が畑を購入する以前から存在した優れたクローンで造られています。マッカン氏は「このクローンは他社のクローンと違い、青っぽさが出過ぎず上質に仕上がる」と惚れ込み、もともと植えられていた古いソーヴィニヨン ブランの潜在能力を察知していました。そのクローンを大切にしてマッサルセレクションを行い、高品質なワイン造りに成功しています。

品種の特徴である青っぽさは控えめ。フローラルなアロマ、トリピカルフルーツや桃を思わせる香りが広がります。フレッシュで滑らか、エキゾチックな風味が見事に溶け合います。華やかな果実の香りが溢れるエネルギッシュな味わいで、余韻が長く続く。
ソーヴィニヨン ブラン フリウリ2019

試飲
コメント

麦わら色。白桃、白い花、ハーブの香りがほどよく感じられます。口に含むと、同様の香りが口中に広がり心地よい余韻が続きます。口当たりはフレッシュでなめらか。熟した果実味と繊細なミネラルが合わさり、調和のとれた味わい。

レ モンデ

フリウリで躍進するレ モンデのカベルネ フラン!濃厚ジャムとハーブの香りが見事に調和!

『ガンベロロッソ』最高評価トレッビキエーリの常連レ モンデが造るカベルネ フラン。そんなレ モンデは、従来のカベルネ フランの特徴である青っぽさを抑え、タバコや黒コショウなどのスパイス香を引き出すことに成功しました。また、ブドウを熟した状態で収穫し、最先端設備の導入と徹底した管理法で見事に高品質なカベルネ フランを造っています。ジャムの香りに清涼感のあるハーブのニュアンス。口当たりは滑らかで厚みのある酸味のバランスが素晴らしいカベルネ フランです。
カベルネ フラン フリウリ2018

試飲
コメント

ルビー色。熟した果実やジャムなどのリッチな香りが持続します。ハーブのニュアンス。タバコ、黒こしょうなどのスパイス香。風味がよくエレガントな味わい。丸みを帯びたタンニン。鮮やかな酸を感じたあとに、心地よいアロマの余韻が続きます。

インタビューを終えて

今回のインタビューを通じて感じたことは、マッカン氏らが共通して持つ「人々の手が届くワインを造りたい」という思いです。その思いが具現化されるように、フラッグシップワインであるピノ ビアンコは、フリウリ ヴェネツィア ジュリア州で一番多い4万本が生産されています。その圧巻のコストパフォーマンスが評価され、Villa CrespiやTorre del Saracinoなど、イタリアの星付きレストランのワインリストにも入れられています。

そして、オーナー、エノロゴ、営業部長のお三方それぞれが明確に役割分担されており、お互いをリスペクトしあう強い信頼関係も感じました。その強固なチームワークにより、今後さらに飛躍を遂げて拡大していくであろうレ モンデのワインをぜひお試しください。
アレックス マッカン氏、ジョヴァンニ ルッゼネ氏、マッシモ フルラン氏と

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